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INTERVIEW

Japanese

sympathy

2014年08月号掲載

sympathy

Member:今井 夏紀 (Ba) 田口 華也奈 (Gt) 門舛 友架 (Dr) 柴田 優 (Vo/Gt)

Interviewer:天野 史彬

-Track.4「少女とショットガン」、これは音の面でも言葉の面でも、バンドの攻撃性が強く出ている曲ですね。この曲も、"出席簿のかどで ぶん殴ってやろうかしら"や、"あの日あのときの写真 ばら撒いてやろうかしら"といったフレーズから、具体的な言葉は出てきませんが"先生"的な存在を連想させるなと思いました。このような自分たちを縛りつけ、押さえつける存在に対しての反骨心、暴力的なまでの初期衝動は、どうして生まれてくるのだと思いますか?

優:これは実は先生じゃなくって......(笑)。同世代の特定の男子1人にすっっっごく腹が立って悔しくって悲しくって......ってときがあって、それがピークに達したのが数学の授業中で(笑)。その時間に、クソ野郎って思いながら仕上げてました。どうしてかとかよくわからないですけど、現実に対する苛立ちは、大きな爆発を生むと思います。

-この「少女とショットガン」にも、そして最初の「ナイン・トゥ・ファイバー」にも通じる部分ですが、"今をぶっ壊すために、何者かになりたい。ならなきゃいけない"という切迫感すら感じさせる思いが強く滲んでいるように思います。これは一体どうしてだと思いますか?

優:逆になりたくないんです。というか......高校生って春に生まれて春に消えてくじゃないですか。3年間だけの、それも中学とは違う切なさとか、きらめきがあると思うんです。高校生が終われば大学すなわち大人じゃないですか。それが苦しいんですよね。高校生はグレーゾーンでまだ許されるし、高校生ってだけで魅力的だし、セーラー服は可愛いし......大人になりたいけどなりたくない、何者にもなれないなりたいなりたくない、みたいな? すいません。よくわからないです。

-sympathyというバンドの存在は、皆さんにとっての現実を打ち抜くショットガンになってくれましたか?

夏紀:3人に打ち抜かれちゃいました。

友架:3人が私のショットガンであったことは間違いないです。3人がいてこその私なので。みんな濃いんでねー(笑)。

優:撃ち抜いてやりました。 撃ち合い、切り合い......。

華也奈:ちょっとノー・コメントで......(笑)。

-そしてラストを飾る「ウーロン」。これは本当に名曲だと思います。私は電車の中で聴いていて涙腺がヤバくなりました。まず、この曲はどのような想いから生まれたのか、教えてください。

優:これも数学の時間に生まれたんですけど、何か切ない気持ちになってて、遠距離恋愛って純情だなって思ってると、この曲ができました。私もこれ歌ってると泣いちゃいそうになるんです。この歌のテーマは会いたいけど会わない、みたいな決意の歌なんです。だからいつも切ないんです。

-「ウーロン」は、"明日になったらねきっと、あなたが地球で私が宇宙"というラインが象徴的ですが、絶対的に触れることはできないし、想いを直接伝えることはできないし、自分は愛する相手を遠目から見ていることしかできないんだという想いが歌われているように感じました。この"触れられないし届かないんだ"という気持ちは、皆さんの中に根本的に存在するものだと思いますか?

優:触れられない、と言うよりは、自分の決意で触れない、でも好きって感じ......かな......? プラス、2人は両想いなんです。大好きで愛し合ってるんですけど、でも2人の意思で会わない、みたいな。会っちゃだめなんです、不思議なルールで。なんでなんでしょうね。届かない想いっていうのは、いつまでも女の子の中に眠ってるんだと思います。

-今書いてくださったような想いは、皆さんをバンド活動へと導く原動力になっていると思いますか? 私は「ウーロン」の中で歌われる"バイクにまたがる"というフレーズはそのまま、皆さんにとって"バンドをやる"っていうことに繋がっていくんじゃないかと思いました。

優:うーん、そこまで意識はしてない......と思います......無意識......?でもバンドはほんとに、続けていきたいですし、そのためならなんでもします......って熱く燃えてます......!

-『カーテンコールの街』という作品タイトルに込めた意味を教えてください。

華也奈:カーテンコールは、オペラとかミュージカルなどにおいて演出家が舞台上に現れて観客に挨拶することを言います。カーテンコールは本来、劇などの最後に行われるかと思いますが、敢えてここから始まる最初のアルバムに、初めましてのご挨拶という意味を込めカーテンコールと名づけました。また、カーテンコールの"街"ということで、音楽と拍手、歓声、いろんな意味で鳴り止まない街をイメージしました。......と言っても、ジャケットの絵を描いていてふと浮かんだタイトルだったので意味は後づけみたいになりますが。ジャケットのイメージとしては、真夜中の街が舞台で、4人のカーテンコールが始まる。といった感じで、画の中の4人が別々の方向を指さしているのも、これから私たちが別々の道を歩むけれど......という意味を込めてます。終わりなのに始まるんです。

友架:という、華也奈の話を聞いて泣きそうになる私(笑)。

-本作が全国リリースされて、活動の幅もどんどんと広がっていくことと思います。今後どのようなバンドになっていきたいか、展望を教えてください。

優:なんとなくいい曲って思われたいです。

友架:ゆるく鋭くありたいです。技術面を今後はもっと磨いていけたらなぁと。今しかできないことをできる限りやっていきたいと思っています。

夏紀:揺れるロックでたくさんの人をずっきゅんと撃ち抜きたい。

華也奈:今はまだまだ修行が足りない身分ですが、誰かのアタマの中で鳴り続ける音楽でありたいです。

-長々とした質問ばかりですみません。お答えいただきありがとうございました!

sympathy:こちらこそありがとうございました!!