Japanese
Bob is Sick
2014年08月号掲載
Member:久世 悠喜 (Vo/Gt) 近藤 潤弥 (Dr/Cho)
Interviewer:沖 さやこ
2008年結成、名古屋を拠点に活動中の4ピース、Bob is Sickが、旬な音楽を届ける名古屋のラジオ局、ZIP-FM傘下にあるレーベル、ZIP NEXTから初の全国流通盤『sokokala』をリリースする。2012年からSAKAE SP-RINGにも出演し、地元での地場をしっかりと固めてきた彼らがとうとう全国へと活動の幅を広げる。一聴すると耳ざわりのいいギター・ロックかもしれないが、彼らの音楽はそこだけではない。スタンダードから少しはみだすBob is Sick。フロントマンの久世と、バンドを後ろで支えるドラマーの近藤に話を訊いた。
-まずバンドの始まりは、久世さんとベースの大畑拓見さんが前身バンドを組んだところからスタートしたんですよね。
久世:そうですね、中学3年生のときに。別々に楽器を始めて"あ、お前楽器やってんなら一緒にやろうぜ"って流れで。
近藤:メンバーはみんな中学の同級生なので、4人は幼馴染みたいな感じなんです。
久世:ここ(久世と近藤)に至っては小学校から一緒なんです。僕とギターの竹内(勝哉)は同じ高校に行って、まず軽音部に入ったんですけど、軽音部は先輩が独占してたから1週間もしないで行かなくなっちゃって。
-それで久世さん、大畑さん、竹内さんのメンバーでバンドを組む。高校1年生のときの2008年1月にBob is Sickとして始動することになりますが、ここに近藤さんが加入した経緯は?
近藤:僕はドラムを他のバンドでずっとやっていて、(久世とは)別の高校に行って。入学から1年くらい経ったときに、(久世のバンドが)大会(※Music Revolution)に出るのにドラムがいない......ということで、違う学生服を着た少年である彼(久世)が僕の高校まで乗り込んできたんですよ(笑)。僕はラグビー部で、そのむさくるしいところに入ってきて"ドラム叩いてくれ"って。
-わあ、青春漫画みたい(笑)!
久世:かっこいいでしょう(笑)?
近藤:そのときは"大会に出たいから叩いてくれ"という感じだったんで、こんな風になるなんて思ってなかったんです。だから断る理由もなく"全然いいよ"と言って。そしたらその大会でいいところまで行けて、本気になったというか。その流れでずっと続いている感じですね。
-ちなみにこのバンド名、どういう意味が込められているのでしょう?
久世:バンド名を決めたのが高校1年生とかなので、なんにも考えずに決めちゃいまして。とにかく大会に出たくて"バンド名を決めよう!"と思って。BUMP OF CHICKENが好きだったから"バンプ""オブ""チキン"みたいにパンパンパン!って響きがいいねと(笑)。それで英和辞典を開いたらSの欄で、Sickだったんです。そこの例文に"Bob is sick."とあって、"パンパンパン、きた!! これだ!!"と。すぐ変えるつもりだったんですけど、その大会でいいところまで行けちゃったので(※2008年10月のThe 2nd Music Revolution 名古屋ファイナルに出場)、勿体ないしこのままでいこうと。だからかっこいい名前の由来を募集中です(笑)。
-(笑)現在皆さんは22歳で、高校1年のころからメンバー・チェンジもなく活動されているんですよね。その秘訣は?
久世:ケンカとかほぼしないんですよね。そんなに意見もぶつかり合わせない。たぶんすごく平和主義なんだと思います。
-へえ、ではアレンジも意見をぶつかり合わせるというわけではないんですね。
久世:そうですね。"どう思う?""んー、あんまりピンとこないかな""そっかー、じゃあこんなんどう? どんなんがいい?"みたいな、譲り合いというか。お互いのいいと思うものを取り入れていくのが理想のスタイルです。
近藤:良くも悪くも今までずっとぶつかり合いをせずに来たので、煮詰まったときに止まってしまうときもあって。曲作りには時間はかかってしまうけど、いいものができてるのかなとは思いますね。
-結成の翌年に出演なさった閃光ライオット2009はファイナリストにもなりました。
久世:大会に出演するのはただただ"勝ちたい!"という欲だけがあって(笑)。その時期はそんな感じでしたね。"今日のライヴぜってぇ勝つ!ぶっ殺す!"みたいなこと言ってライヴしたりしてました(笑)。でも最近はそうでもないですね。楽しいです。
-心境の変化が?
久世:前は"あいつらみたいになんかなりたくない""バンド同士で馴れ合ってんじゃねー"という気持ちで音楽をやっていたんです。だからそれまではずっとバンドの友達がいなくて、いろんなライヴハウスの人から"君は人間性がなってない"と言われてて。最初はそれにも"うるせー!"とか思ってたんですけど(笑)、ちょっと自分を見直して"じゃあ人のいいところを見てみよう"とやってみたら、どんな音楽を聴いていてもいいところばかり見えるようになって。対バンのライヴがすごく楽しめるんです。だからそのバンドのメンバーと仲良くもなれるし、こんなにいい音楽がいっぱいあるんだなあ、と思うようになったんですよね。
-なるほど。近藤さんはバンドを続けていくうえで変化はありましたか?
近藤:小学2年生のときに音楽室にあったドラムを触って"ドラムって楽しいな"と知って、中学に入ってバンドを組んだときに余ったのがドラムで、ドラムやりたかったし丁度いいなと思って。それからバンドを続けて、楽器にかける想いが前よりは強くなったかなと思います。前は叩いてるだけだったのが、今は"いい音を出そう"とか"こうやったらこんな音が鳴るんだ"ということがやっていくうちにわかってきて。まだまだですけど、楽しいですね。いろいろ表現はできるんだなと思って。がんばろうという気持ちがあります。
久世:それめっちゃ感じるんですよ。(近藤は)どんどんドラムが好きになっていってるんです。
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