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INTERVIEW

Japanese

amenoto

2014年04月号掲載

amenoto

Interviewer:沖 さやこ

んー......嫌ですね。忘れるのは。「ハロー」は大学辞めるときに書いたもので。......なかったことになっちゃう感じが嫌なんです。

-生きていると悲しいことだけでなく楽しいこともあると思います。それでもamenotoでスケッチされているのはネガティヴなところで。それは痛みを残しておきたいということなのでしょうか?

......いいことがあっても、悲しいなって。楽しいことも終わっちゃうから、終わっちゃったら結局悲しいなって。生きていくのは大変だけど、大変じゃないよりは大変なほうがいいかなと思ってます。

-そんな感情に音がつくことでキャッチーになり、人の心に届く。それも音楽の持つ力だと思います。「雨を待つ」はシューゲイザー的な音色が心地よいです。

その曲のアレンジの原型は全部自分の打ち込みです。曲はギターを弾きながら作っていて、そのときからいつも音のイメージはぼやーっとあるんですけど、そのままにしちゃってるので、打ち込みはたまーにやる程度なんですけど。

-それだけこの曲には自分の持つイメージが強くあったのかもしれないですね。心情を吐露しつつも、歌詞の一人称はどの曲も"僕"です。

しっくりくるのが"僕"なんです。"わたし"って言うと大人っぽいし、"俺"だと強い感じがするし......"僕"はどっちつかずな感じがするので、しっくりくる。

-圧倒的な孤独感も歌われています。これは人と繋がりたいからですか?

いや、それはない......ですね。周りのみんなが友達を欲しがる理由がわからないです。ひとりのほうが楽なので。

-読書にハマる子たちによくある傾向ですね(笑)。

読んでるときに話しかけないでほしい、みたいな(笑)。

-そんな石井さんが孤独を感じるのはどういうときでしょう?

人といるときです。人と話すと......自分がいるんだなというか。んー......なんて言ったらいいのかな。普段普通に生活していて、人から助けてもらったり優しくしてもらうと"わたしそんな人間じゃないのに......すみません"という気分になるんです(苦笑)。でも音楽だとどうにかできるじゃないですか。歌もギターも頑張ればうまくなるし。(amenotoの活動も)いろんな人から助けてもらってるから、頑張ろうと思えるんですよね。

-amenotoの音楽に大きな影響を与えているのは石井さんのヴォーカルだと思います。独特の歌い回しですが、影響を受けたヴォーカリストなどはいらっしゃるのでしょうか。

Thom Yorkeは好きですけど......変な歌いかただねと言われることは多いです。最初は普通に歌ってたんですけど、自分の声が好きではないので、こうなっていったというか。

-その声がより映えるのが和風のメロディだと思います。サウンドは海外の影響が大きいけれど、メロは日本的なのでそのバランスは面白いなと。歌詞も全て日本語ですし。

ああ、それは全然自分で意識していない部分です。コードに合わせつつ、自分が歌っていて気持ちいいラインを探していく感じで作っています。だからメロディがこっちにいきたいと思ったら、コードも変えちゃったり。最近はメロディが引っ張っていくものが多いです。歌はやっぱり、日本人だから日本語で歌いたいです。自分にとって身近だし、洋楽を聴いていても実際歌詞はわからなかったりするし。

-それは伝えたいということですか?

んー......伝えようとしすぎてもうるさいかなと思っちゃうんです(苦笑)。歌詞がぎっしり詰まってると押しつけがましくなっちゃうだろうし。それは嫌で。

-では石井さんが歌っているのは人に対してですか?それとも独り言?

独り言っていう感じかな......。それを聴いて、共感できるなら、してほしい。

-最近はネットでちょっとネガティヴなことを書くだけで嫌がられたり、かまってちゃんと揶揄されたりするので、こうやって言い切ってくれるのは有り難い部分も大きいです。それでは最後に、この7曲を形にしてみて"今度はこんなことをしてみたい"などはありますか?

んー、あんまり考えてない(笑)。考えて作ったりできないから今でいっぱいいっぱいで、先を見る余裕がない。どうしたらいいんだろう......(笑)。

-(笑)全国デビューですから。これからどんどんお名前が知れ渡ることになると思います。

......そうであると嬉しいです(笑)。