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INTERVIEW

Japanese

金子ノブアキ

2014年02月号掲載

金子ノブアキ

インタビュアー:吉羽 さおり

-「Sad Horses」は先ほどの2曲とまた違った、いろんな音楽要素が入った面白さがある曲ですね。

そうですね。これはコンセプト的にアルバムの後半に入る感じで。ギターが入ってきたり、土着的な響きが多かったりして。こうブワーッと潜っていく感じだけど、最後にはやっぱり明るくなる。その死生観じゃないけど、そういうものを表現したかったんですよね。

-最初に言った、旅する感覚があるなっていうのは、そういところからなんでしょうね。

そう感じてくれたらとっても嬉しいかな。個人で発表する作品っていうのは、絵画的であるし写実的であるし、やっぱり景色が浮かぶような作品なんですね。匂いまで感じるような。匂いでも記憶を想起するでしょ。音楽でもこの曲を聴いたときに行った場所を思い出したりとか。そういうところにも訴えかけたくって。バンドとやってることとはまったく違う、逆のことくらい違うんだけど、そういう感覚ですかね。景色が浮かんでくるもの。俺、写真撮るのも好きなんですけど人物は撮らないんですよね。風景とかばかりで。

-ホームページでの写真もそういうものですね。曲のイメージも、なにか風景や光景から生まれてくるような感じなんでしょうか。

そうですね。あとは今回はとくに音がなくなる瞬間の無重力の感じというか――音ってもともと振動で、存在しないものじゃないですか、宇宙レベルまでいっちゃうとね。バンドでの演奏でバッと止まったりするよりも、さらに止まっちゃう感じっていうのかな?そうしたときに生まれる怖いっていう感覚みたいな。最近の映画だと『ゼロ・グラビティ』とか、あとはStanley Kubrickの『2001年宇宙の旅』とかで、切り離されちゃってうわーってなるような、トラウマになるくらい残っちゃうシーンのような、そういう感覚。Kubrickであったり、David LynchであったりJim Jarmuschであったり、僕の好きな映画監督とかは、そういう表現が多くて好きなんですよね。モノクローム的なタッチも好きだし。そういう、差し引きの感じも好きで。パーソナルに拠った感じで考えると、こういうことになるんですよ。休符のためにすべてがあるんだっていう。

-名前のあがった映画監督がみんな音楽とも切り離せない存在なのは面白いですね(笑)。

そうですね。David Lynchなんか最近自分でも出してるしね。僕はやっぱりNeil Youngとかもものすごく好きだし、Jeff Buckleyも好きだし。Jarmuschなんかはすごく音楽を大事にするしね。『デッドマン』とか最高ですよね、あれはNeil Youngがモニターを並べてすべて一発録りで録ってるんですよね。音楽を作ってると、大いなる偶然みたいのがすごくあるんで。スタジオが生演奏を録音できる環境になって、それはすごく大事にしてる。それが無駄なものとかゴミだと思っちゃいけなくて。例えば機械の設定がおかしくなって暴走したものとかでも、それがキレイだったりもするから。じつは今回、なかには敢えてそういうものが使われているものが多いんですよ。とっておいてどこかに使ったりとか。演奏でも、まとまったものをよしとはしないので。そうじゃないものも集めて記録するというのは努めてやりましたね。そうすることで曲が生き物のようになってきて、呼吸をし始める感じがある。それこそ音楽だって思うんですよね。それが俗に言う、歌ってる音だっていうもんだと思うんですよね。いい演奏は歌ってるって言いますけど、そういうことなんですよ。二度と出ないっていう。レコーディングのうまみはそれを捕まえられることですからね。いつでもできることじゃないんだよっていう、よかったね、録れてっていうのをすごく大事にやりました。それは電気の楽器でも、生の楽器でもすべてね。