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INTERVIEW

Japanese

堂島孝平

2013年01月号掲載

堂島孝平

Interviewer:沖 さやこ


-『A.C.E.2』はどの曲もよくある日常が綴られているのにすごくキラキラしているんで“日常って考え方次第でこんなに夢みたいな世界になっちゃうんだ”って感じたんですよね。どの曲もそうなので、これがコンセプトにもなっているのかなと思ったのですが。

コンセプトまでは行ってないかもしれないけど……僕は曲を書くことはアイディアだと思ってて。芸人さんが面白い話をテレビとかでする前に友達とかに1回話をしてみる、ってことがあるじゃないですか。そういうのと近いと思うんですけど僕は“こういう歌があるといいと思ってんだよね”って友達に言って反応を見るんです(笑)。“何を歌うか”っていうことが“歌”であって、そこをすごく大切にしてるんで。「き、ぜ、つ、~」も“俺、気絶することを歌にしようと思ってるんだけど”って言ったらスタッフが爆笑したんで“あ、これ作ったほうがいいな”って作るとか。「キッチン・ダンスホール」は“マグカップが割れるとき悲しいからそれを歌おうと思うんですよ”とか。そういうことなんですよね。日常であれ何であれ、題材は何でもいいんです。

-じゃあ日常的な出来事にフォーカスが当たっていったのは意識的なことではなく。

はい。面白いアイディアが詰まっているっていうことで言えば、僕はそこに夢中になってたと思うし。アレンジもそうだし。A.C.E.っていうチームの成り立ちも、歌ってることも、そういうものが全部きっとクレイジー……アイディアが面白いってことかもしれないですね。夢中になってるって意味のクレイジーかもしれないです。常日頃面白いことないかなぁとは思ってますね。あと、今はTwitterくらいの感覚で歌を作れればいいかなって。それは手軽っていう意味ではなく、140字以内じゃないと伝わらないようなことって真実味があることだったり、極度に面白いことだったりするんですよね。日常に溢れてることとか、それくらいの題材をいい歌にすることに音楽の面白みがあるような気がして。

-「メイクはほどほどに」なんて、男性誰しも思ってることですよね。

思ってる。これまだ歌になってないんじゃないですか? メイクを待ってる歌って。

-聴いたことないですね(笑)。

ないでしょう? 男はみんな絶対そう思ってる。でもノー・メイクでいいとは歌ってないんです、そういう風には思ってない。とはいえ“もういいじゃん! できてるよ!”って。でも女の人の美とか愛の持ち方っていうのはそういうんじゃないですよね。ネイルは女の人が自分で見ることができるから自分のためにやってると思うけど、メイクって自分じゃ見れないわけだから、対・人のためにやってるわけでしょ? この歌のなかの話で言うと、彼氏を待たせてるわけだから彼氏によく思われたい。一緒に歩いていて綺麗だって思われたいってやってる。それってその人への愛でやってるとも言えるじゃないですか。でも男の人からすると、そこまでしなくてもちゃんとあなたのことわかってるんだけど? っていうつもりで“いいよ、そんなにメイクしなくて”って言うんだけど“あなたはそう思うかもしれないけど周りがどう見るかわかんない”みたいな……めんどくせぇ! っていう感じになるんですけど(笑)。

-ははははは、女性をよくわかってらっしゃる(笑)。これ女子にも刺さりますね。ユーモアたっぷりであり、それと同時に幸せな歌だとも思います。

好きだ嫌いだ、どっか行った、ロマンティックだ、フラれたっていうことだけが恋愛の歌ではないと思うんです。自分がやっている音楽のなかでまだ歌われてない恋愛のありかたが何か歌えないかなーと思って作った曲です。客観的に見たら幸せな曲ですよね。でも歌の主人公的にはじれったいし、早く遊びに行きたいんです(笑)。