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INTERVIEW

Overseas

BIFFY CLYRO

2013年02月号掲載

BIFFY CLYRO

Member:Ben Johnston (Dr)


-やはり、本国での今の成功は、そうやってライヴを重ねてファン・ベースを築いてきたことが根底にあると思いますか。

最高だよ、こういう形で積み重ねてこられたことが本当に嬉しい。アルバムの数にしてもそうだけど、その間に何年もかけてじっくりツアーするなんてことも、あんまり許されないのが最近のバンドの現状なわけだから。僕らだって、アメリカや他の国ではまだまだちっぽけだけど、それでもツアーはできているし、ツアーは大好きだし……あと、やらなきゃいけないのは日本ツアーだね。是非、もっと時間をかけて回ってみたいと思ってる。今まで日本で過ごした時間って、せいぜい1週間ぐらい? 全然足りないよ。もっとショウをやりたい。ちゃんとしたツアーをやって、もっとみんなに知ってもらいたい。まずは観てもらう機会を設けないとね。行きもしないで、その土地で人気を得ようなんて無理な話だ。だから、もっとじっくり日本をツアーしたいと思ってるよ。

-これが6枚目のアルバムで、バンドとしても様々な実績を上げ、大きな成功を収めましたが、これまでのところ1番の変化というと何でしょうか。

1番の変化? う~ん……大きな変化っていうのは特に感じてないんだよね。人気が出て忙しくなったことぐらい(笑)? ツアーが増えて演奏の機会が増えて、ミュージシャンとしての腕が上がった、とか、もっと練習しなきゃって気持ちになったこととか……いずれにしてもバンドとしての向上心が更に強くなったってことだよね。こっちがビックリしちゃうよ、僕らがこんな状況になるなんて。

-いくつかあなたが思う、今のバンドが最もよく表れている曲を選んで説明してもらえると嬉しいんですが。単純に、あなたが特に気に入っている曲でもいいですよ。

これ、いつも困るんだよなあ(笑)。じゃあ、フェイヴァリットということでいくつか選ぶね。20曲もあるとさすがに1曲は難しいから、いくつか選ばせてもらうけど……まずは「Difrerent People」。変化に富んでいて、テクスチャーも豊かだし、楽器も色々使ってる。オルガンで始まるんだけど、あれはパサデナにある古いバプティスト教会のオルガンで、あんな巨大な楽器は僕は初めて見たよ。ホント大きくて、たぶん80フィートぐらいあるんじゃないかな。それで幕を開けた後に、きれいでゆったりとしたギターのメロディが入ってきてヴォーカルが始まって……で、そこで曲はガラリと変わってしまうんだ(笑)。狂ったようなドラムにギター・リフ、不協和音かと思うようなハーモニー……そしてまたサビに戻っていく。好きなように変わっていくところが、いかにも僕ららしいし、今回のアルバムの自由さを象徴してもいるような気がするな。色んな要素が折衷されていて、激しく変化していく感じが、ね。あとは「Black Chandelier」かな。これはシングルなんだけど、また違ったBIFFY CLYROの一面が出ている、ひねくれたラヴ・ソングだ。まあ、ラヴ・ソングであってもストレートな表現はできないのが僕らなんで、どこかしら奇妙なところはどうしても出てくる……というわけで、この曲だとサビの後のへヴィなパートでノイズを駆使したりしてBIFFYらしさを保持してる(笑)。……あ、あと「Spanish Radio」の話もしておこうかな。あれは僕らも本当に気に入っている曲のひとつなんで。過去最高に野心的な試み、とも言える。あれは4分の5拍子……なのかな? BIFFY としては珍しいことじゃないんだけど、そこにマリアッチのバンドを入れるとなると話は別だ(笑)。それを僕らはやっちゃった。実は、最初に僕らバンドだけでトランペットとかカスタネットを入れてやってみた時は、今いち感じが出なかったんだよね。“Spanish Radio”ってタイトルにしたくらいだから、狙っていた音はそこにあったんだけどダメだった(笑)。で、ロサンゼルスに行ってからマリアッチのバンドに手伝ってもらって本格的にやったんだけど、彼らすっごい苦労してたよ。悪銭苦闘って感じで。まあ、BIFFY CLYROにゲスト参加したミュージシャンは、みんなそうなるんだけどね。