Japanese
JAWEYE
2012年12月号掲載
Member:上田 浩平 (Vo/Gt) 師崎 洋平 (Gt)
Interviewer:沖 さやこ
2010年結成当初から“デジタル・サウンドとロック・サウンドの融合”という確立された音楽性に定評が集まるJAWEYE。この2年で2枚のミニ・アルバムと1枚のシングルをこの世に送り出した彼らが、とうとうその活動の節目となる1stフル・アルバム『PULSE』を12月11日にリリースする。自らオーディエンスの立場に立ち、体を動かしながら作ったという躍動感に溢れた今作は、より彼らを身近に感じられる作品になった。
-前回のインタビューでは“制作の時間を掛けてレコーディングはスパッとやる”とおっしゃってましたが、今作はいかがでしたか?
上田:今回録りながら作ってましたね。もちろん推敲するのは大事なんですけど、悩む時間がないぶんシンプルに考えていくことができるっていうか、進み方を考えるんですよね。“こっちからいくよりこう進んでったほうがいいだろ”って。だから変な背伸びもしないし、変に下を向くこともないし、誰かの顔色を伺うわけでもない、素直な作品になったっていうか。ただ俺たちが直感的に“いい”って思った最短のルートに突き進んでいって、結果できた曲たちっていう。
師崎:俺は考えて作り込まないと納得いかないほうなんだけど、できあがってみたら“こっちのほうがいいのかな”って思うことも多くて。苦しまないで一生懸命長い時間掛けて考えて作ったものよりも、めっちゃ短い時間ですっげぇ苦しくて“これでいいのかな?”と思いながら作ったとしても、結局納得いくあるアルバムができると、苦しんだからこういうのが出来たんだろうなって。
上田:メンバー個々のこだわりや達成感はいろんなところにあると思うんですけど、聴いてる人からしたら実際関係ないから(笑)。でも、結果としていいものができたかどうかっていうのが1番大事で。できあがったときに、(時間がないなかでの制作ゆえに)あんまり聴き込んでないから作品として客観的に聴けるじゃないですか。それでも“ああ、いいね”って思えるんで、それはそれで凄く素直な作品ができたと思います。
-今回も制作期間とライヴ期間は同時期だったのでしょうか?
上田:今回は……ちょっと後悔したくらいまるかぶりでしたね(笑)。当初は“ここでレコーディング終わってるからここにバンバンライヴやろうぜ”っつってたんだけど、実際レコーディングのスケジュールが押しちゃって、バンバンライヴやろうぜっていう期間に思いっきりレコーディングがかぶってきて。結果制作もそこでやることになって、制作とライヴとレコーディングを同時にやるっていうスケジュールで、すごい苦労しました。でも音楽に浸る、音楽に触れる時間が圧倒的に多いんですよね。我々みたいに制作やライヴのスパンが開いちゃうような活動だと、音楽に触れない、ギター触ってねぇなぁみたいな時期もあったりするんですけど。『PULSE』を作ってるときはずーっと毎日夜中まで音楽をやってたんで、濃密にやれたんじゃねぇかなって思います。
-そういう環境での制作はつらさと楽しさどちらが大きいのでしょうか。
上田:つらいと楽しいで言うと……7:3でつらい!
-(笑)。でも充実感はありそうですね。
上田:7:3でつらいけど、人生そんなもんじゃないっすかね。7割つらくて、3割楽しくて、3割楽しいから7割乗り越えられる。これが半々とかになると楽しいほうにシフトしてっちゃうから。そうじゃなくて自分の中でハードルみたいなのは設けつつ、かつやっぱり楽しむっていうところで。こんくらいシビアでキツいほうが、割と自分に対してストイックになれるんじゃねぇかなって思うし。
-今作は躍動感やライヴ感が凄く強いと思ったんです。よりリズムが生きた作品にもなっていますね。そしてすごく人間的な要素をたくさん感じるのに、デジタル・サウンドは洗練されて強くなっていると思います。音の鮮やかさなども。
師崎:デジタル的な部分は多分、マニュピの広祐(高橋広祐/Mp)がデカイと思いますね。あいつが感情やリアルをあの音で表現していくと、デジタル感が増していって。俺や浩平が考えるバンド・サウンドがグッと出てくるとライヴ感とか生感みたいなのが強くなって。その2つ、どっちも同じくらいの力でぶつかり合ってるから、広祐の我が出てくるとよりデジタルなところも浮き彫りになっていくのかなって感じですね。
上田:そこは音バッサリなくして全部マニュピで、っていうパートとかもいっぱい作ったからね。マニュピもギターも全部一緒に作ってたから。本当に同時に進んでいった感じ。“これはこのまま広祐パートにしちゃおうぜ”とか。最初バンドで作っちゃうと、割とそれで成立する曲になるんですけど、そこをみんなで作ってったから。
師崎:特に1曲目の「Lost Control」は3人でああだこうだ言いながら……だからマニュピ感っていうのも凄く強い曲になってると思うんですよ。昨日もスタジオで合わせたんですけど、ガンガンマニュピが鳴ってるんだけど、生感とマニュピ感のぶつかり合いが俺としては楽しかったですね。1番出てんじゃないかな。
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