Overseas
PARCELS
Writer 山本 真由
実験的な手法にも挑戦し これまで以上に自由度の高い、自然体なサウンドへ――
2014年にオーストラリアで結成された5人組ポップ・ファンク・バンド、PARCELS。彼等の出身は、オーストラリアの東端に位置する美しいビーチ・リゾート、バイロンベイということで、なんとなくのんびりした雰囲気と海風の漂ってくるような、爽やかな空気感が魅力のバンドだ。バイロンベイの高校在学中にバンドを結成した彼等は、早熟なサウンドで地元を中心に活躍していたが、卒業後はベルリンに渡り、本格的に活動を開始する。自然と太陽の恵みに溢れたサーファーに人気のビーチという、ある種のアーティストたちにとっては非常に魅力的な故郷を離れ、世界的に影響力のある"テクノの聖地"ベルリンのナイト・クラブ・シーンを拠点として選ぶ、そのセンスや行動力もすごい。
70~90年代のディスコ・ミュージックから影響を受けたファンキーでダンサブルなサウンドを、独特の軽やかで品のあるポップ・ミュージックに昇華したPARCELSの音楽スタイルは、ベルリンのクラブ・シーンでも高く評価され、2000年代のエレクトロニック・ポップやインディー・ロック界隈のカルチャーを牽引していたフランスのレーベル、Kitsunéと契約が決まる。当時のKitsunéと言えば、DIGITALISMやTWO DOOR CINEMA CLUB、LA ROUXといった個性派アーティストたちをヒットさせ、イベントやファッション、飲食等、様々な角度から、都会的でお洒落なポップ・カルチャーをリードしていたアイコニックな存在。そして、そんなKitsunéと契約したPARCELSを、さらに一躍注目の的にしたのが、DAFT PUNKだ。フレンチ・ハウス・ムーヴメントで一時代を築いた、エレクトロ・ミュージック・シーンの巨匠 DAFT PUNKが、初めて他のアーティストをプロデュースしたということもあって、PARCELSのシングル「Overnight」(2017年)は、フランス他の音楽チャートでランク・インする等ヒット作となった。ちなみに、デビュー・アルバムがリリース前なのはもちろん、このDAFT PUNKプロデュースのシングル曲リリースよりも前の2017年1月に、彼等はKitsuné主催のイベントで初来日公演を行っている。
Parcels - Overnight (Live from Hansa Studios, Berlin)
そして、2018年に満を持してデビュー・アルバム『Parcels』がリリースされる。リード・シングル「Tieduprightnow」が各地でチャートインしただけでなく、女優のミラ・ジョヴォヴィッチを起用した、ドラマ仕立てのMV「Withorwithout」も話題となった。2019年1月に開催された単独来日公演は即ソールド・アウト、2021年11月には2ndアルバム『Day/Night』をリリースしている。方向性の違う楽曲を"Day"と"Night"に分けて収録した、この全19曲1時間36分にも及ぶ大作は、これまでのPARCELSの冒険を全てまとめたような多彩な内容になっており、その完成度の高さも含め、各方面から評価されることとなった。その後、2ndアルバムに伴うあれこれが落ち着いた2023年、彼等は結成以来初めてとなる6ヶ月間の活動休止期間を設けた。もちろんそれは、何かトラブルというわけではなく、前向きな休息期間だ。それまでノンストップでクリエイティヴに活動を続けてきて、一度創作の方向性や、やりたいこと等を整理する時間が必要だったのだろう。
Parcels - Tieduprightnow (Official Music Video)
Parcels - Withorwithout (Official Music Video)
そして、新たな方向を見いだし再スタートした彼等は、新作の制作に取り掛かった。ニュー・アルバム『Loved』は、彼等の拠点であるベルリン、そして地元バイロンベイだけでなくシドニー、メキシコのオアハカ、メキシコシティと各地のスタジオを転々としながら(サーフィンもしながら!)じっくり制作された。軽やかなタッチのポップ・ソングでありながら、骨太のディスコ・ファンクでもある先行リリース曲「Leaveyourlove」が象徴するように、彼等の多彩な音楽的興味が多重にレイヤードされた新曲の数々は、本当に自由度が高くのびのびとしている。2本のマイクをメンバー5人で囲み、録音されたハーモニー等、実験的なアプローチで生み出された"生"な雰囲気もいい。アッパーでダンサブルなナンバーにもジャジーでメロウなナンバーにも、隅々まで優しい太陽の光が差し込んでいて、どこか懐かしいような温かい空気が流れている。この雰囲気は、狙って出せるものじゃない。どんな音楽からエッセンスを摂取しても、薄暗いナイト・クラブの喧騒に揉まれても、世界中を旅して巨大フェスで大観衆に囲まれても、PARCELSのサウンドはDNAレベルでバイロンベイの海を宿している。そんな唯一無二の魅力を持っているからこそ、様々な冒険が1つの物語のように聞こえるのだ。
ファンクで踊れるディスコ・サウンドを求めるファンにとっては、間違いのないPARCELSだが、このアルバムは、お洒落なシティ・ポップを好む層やアンダーグラウンドなインディー・ポップを好む層にも、オーガニックなサーフ・ロックを好む層にも、そして80年代リヴァイヴァル・カルチャーを好む層にも胸を張ってお薦めできる。
Parcels - Leaveyourlove (Official Video)
昨年2024年の単独来日公演は、ニュー・アルバム発表前にもかかわらずチケットは完売、追加公演も開催された。本作を引っ提げてのツアー・スケジュールにはぜひ、デビュー・アルバム前からファン・ベースを築いているここ日本も組み込んでほしい。
RELEASE INFORMATION
PARCELS
NEW ALBUM
『Loved』

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