Overseas
Dinosaur Pile-Up
2015年11月号掲載
Writer 山口 智男
何でもありじゃない、というところがイカしている。どぎついシンセの音色を差し音に使うわけでも、軽快なダンス・ビートを交えるわけでもない。彼らは編成も極めてオーソドックス。ギターとベースとドラムの3人組。もちろん、シーケンサーに頼ったりもしない。バンドのフロントマン、Matt Bigland(Vo/Gt)は足元のエフェクター類にはそれなりにこだわりがあるようだが、それでもビッグマフを中心にした極々シンプルなセッティングだ。
何でもありの今の時代。そんなふうに音楽に取り組んでいる姿勢は、ある意味ストイックとも言えるけれど、彼らにしてみれば、そんな大層な話ではなく、単純にそれがかっこいいからとか、それがやりたいからというだけなんだと思う。他に何が必要だろうか? 轟音で鳴るギターとそれを支えるずっしりとしたリズム。そして誰もが口ずさめるメロディがあれば、それで十分じゃないか。俺たちはそれだけで誰とでも勝負できるぜ――Dinosaur Pile-Up(以下:DPU)が前作『Nature Nurture』から2年4ヶ月ぶりにリリースした3作目のアルバム『ELEVEN ELEVEN(Japan Edition)』は、そんな自信を改めて......いや、ダメ押しでアピールするパワフルな作品だ。ちなみに"2年4ヶ月ぶり"は彼らの本国であるイギリスの話。輸入CD店における人気に後押しされ、『Nature Nurture (Japan Edition)』がリリースされたのは、昨年10月だから、日本上陸をきっかけにDPUのファンになった人にしてみれば、わずか1年でニュー・アルバムを聴けるわけだ。その間、DPUは2014年8月の"SUMMER SONIC"、BLUE ENCOUNTと2マンという形でHello Sleepwalkers、WHITE ASHと共演した同年10月の"VS JAPAN TOUR"、そして今年8月の"SUMMER SONIC"と3度も日本に足を運び、快進撃を見せつけるとともに日本のロック・ファンの心を鷲掴みにしてきた。
直近の来日となる今年の"SUMMER SONIC"ではそんな人気や注目度の高さを物語るように大勢のオーディエンスが詰めかけ、爆音を轟かせるバンドとともに午前11時スタートのライヴとは思えない盛り上がりを作り上げていた。昨年の"SUMMER SONIC"の演奏もなかなかインパクトがあったが、今年はバンドとオーディエンスの一体感が感じられた。頭を振りながら、拳を挙げ、身体を揺らしているオーディエンスの中に放り込まれた恐竜型のバルーンがクラウドサーフしている光景は個人的にも今年の夏のいい思い出だ。そこでも披露していたTrack.1「11:11」他、日本盤ボーナス・トラックのTrack.12「Cross My Heart」を含む全12曲を収録した『ELEVEN ELEVEN(Japan Edition)』。冒頭に書いた通り、彼らは何でもありというバンドじゃない。だから、今回も彼らの音楽性およびDPU節とも言えるメロディが劇的に変わったということはない。だが、NIRVANAを始めとする、90年代のグランジ/オルタナ・ロックが好きなリスナーなら今回も満足できるはずだ。
しかし、彼らは同じことを、ただ繰り返しているだけのバンドでもない。じゃあ何が新しいのかと言えば、DPUのサウンドにさらなるヘヴィネスとスピードが加わったことだ。Mattのソロ・プロジェクトとしてスタートしたため、これまで彼ひとりで行っていたレコーディングを、今回はMike Sheils(Dr)とJim Cratchley(Ba)を加えた現在のラインナップで行ったことが大きかったのだろう。3人で作ったちょっと70年代っぽいリフが曲に発展した「11:11」を聴いた新作のプロデューサー、Tom Dalgety(ROYAL BLOOD、TIGERCUBらを手掛ける)から3人でレコーディングすることを勧められたそうだが、ライヴのエネルギーをとらえ、バンド・サウンドのダイナミクスをこれまで以上に強調したことで、結果、グランジーなサウンドとキャッチーなメロディの落差というDPUサウンドの醍醐味がより際立った。
リフで聴かせるロック・ナンバー「11:11」、へヴィなギター以上にうねるベース・ラインが不穏な響きを生むTrack.3「Grim Valentine」、呪文のような歌メロが轟音で鳴るバンド・サウンドの中、転調を繰り返しながらポップな響きを醸しだすTrack.4「Friend Of Mine」、WEEZERを連想させる轟音ポップのTrack.7「Might As Well」など、彼ららしい曲が並ぶ中、前述したDPUサウンドの醍醐味を1番味わえるのがTrack.6「Anxiety Trip」。彼らにとって最もヘヴィなリフとサビのキャッチーな展開の落差があまりにも鮮烈な新作の聴きどころだ。また、彼らなりのMOTÖRHEAD讃歌と言えるTrack.9「Bad Penny」は、今年7月にTOWER RECORDS限定でリリースした『11:11 EP』に収録済みだが、イントロがどこかメタルっぽいTrack.5「Nothing Personal」と同様、DPUに新たに加わったスピードという魅力を物語るものとして印象に残る1曲だ。
ストイックにギターとベースとドラムだけで、これだけ充実したアルバムが作れたんだから、誰とでも勝負できるぜという彼らの自信は揺るぎないものになったに違いない。12月10日、渋谷CLUB QUATTROで実現する待望の単独来日公演では新曲の数々とともにひと回り成長したバンドの姿を見せてくれるはずだ。
Dinosaur Pile-Up
ニュー・アルバム
『ELEVEN ELEVEN(Japan Edition)』
[A-Sketch]
AZCS-1048 ¥2,000(税別)
NOW ON SALE
amazon | TOWER RECORDS | HMV
1. 11:11
2. Red And Purple
3. Grim Valentine
4. Friend Of Mine
5. Nothing Personal
6. Anxiety Trip
7. Might As Well
8. Gimme Something
9. Bad Penny
10. Crystalline
11. Willow Tree
12. Cross My Heart ※Bonus Track
- 1
LIVE INFO
- 2025.02.23
-
リアクション ザ ブッタ
Vaundy
ビレッジマンズストア
OKAMOTO'S
THE YELLOW MONKEY
Hedigan's
RAY×BELLRING少女ハート
w.o.d.
SCOOBIE DO
AIRFLIP
WtB
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
DIALOGUE+
moon drop
BIGMAMA
Czecho No Republic
GREEN DAY
tacica
Appare!
⾬模様のソラリス
阿部真央 / wacci / アルカラ ほか
コレサワ
片平里菜
- 2025.02.24
-
4s4ki
OKAMOTO'S
アイナ・ジ・エンド
ラックライフ
くるり
w.o.d.
SCOOBIE DO
Panorama Panama Town
女王蜂
moon drop
THE BACK HORN
kobore
WANIMA × MONGOL800
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
東京初期衝動
go!go!vanillas
Appare!
ZEDD
大原櫻子
SAKANAMON / 藍坊主 / SPRINGMAN / omeme tenten
KiSS KiSS × 豆柴の大群都内某所 a.k.a. MONSTERIDOL
SpecialThanks
フレデリック
"ブクロック!フェスティバル2025"
Nothing's Carved In Stone
indigo la End
tricot
- 2025.02.25
-
NEW ORDER
This is LAST / the shes gone / reGretGirl
THE ORAL CIGARETTES
GREEN DAY
サカナクション
秀吉
the paddles
- 2025.02.26
-
ZEDD
This is LAST / the shes gone / reGretGirl
UNISON SQUARE GARDEN
anewhite / 3markets[ ] / ガラクタ
TOOBOE × Chevon
ザ・シスターズハイ
GREEN DAY
米津玄師
サカナクション
- 2025.02.27
-
WANIMA × MONGOL800
片平里菜
マカロニえんぴつ
ザ・ダービーズ / THE NOiSE
UNISON SQUARE GARDEN
NOT WONK
SILENT SIREN
NEW ORDER
米津玄師
- 2025.02.28
-
miwa
WANIMA × MONGOL800
打首獄門同好会
FUNKIST
マカロニえんぴつ
GLIM SPANKY
そこに鳴る
ANABANTFULLS
ラックライフ
女王蜂
オレンジスパイニクラブ
Dear Chambers
礼賛
RAY
カズミナナ / Lay / sEina / 栞寧
- 2025.03.01
-
ストレイテナー
サカナクション
Vaundy
moon drop
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
片平里菜
THE BACK HORN
Czecho No Republic
4s4ki
FUNKIST
リアクション ザ ブッタ
tacica
miwa
藍坊主
TENDOUJI
This is LAST
バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI
w.o.d.
さとうもか
MAN WITH A MISSION
ザ・ダービーズ
osage
フラワーカンパニーズ
9mm Parabellum Bullet
PIGGS
Lym
YOGEE NEW WAVES
大原櫻子
"見放題東京2025"
映秀。
くるり
kobore
shallm
- 2025.03.02
-
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
Vaundy
サカナクション
moon drop
片平里菜
GLIM SPANKY
FUNKIST
猪狩翔一(tacica)
go!go!vanillas
秀吉
ゲスの極み乙女×ブランデー戦記
かすみん(おこさまぷれ~と。)
9mm Parabellum Bullet
さとうもか
MAN WITH A MISSION
藍坊主
WONK
w.o.d.
空白ごっこ × クレナズム × Hakubi
佐々木亮介(a flood of circle)/ 荒井岳史(the band apart)/ hotspring ほか
BRADIO
眉村ちあき
LACCO TOWER
Hedigan's
くるり
I Don't Like Mondays.
Halujio
フラワーカンパニーズ
センチミリメンタル
- 2025.03.04
-
片平里菜
三四少女
礼賛
輪廻 / マリンブルーデージー / CARAMEL CANDiD / サブマリンオルカ号
ZOCX
This is LAST / the shes gone / reGretGirl
サティフォ(ONIGAWARA)
- 2025.03.05
-
Apes
アイナ・ジ・エンド
Yogee New Waves
マカロニえんぴつ
Cody・Lee(李) / 浪漫革命 / SKRYU
SIX LOUNGE
UNISON SQUARE GARDEN
- 2025.03.06
-
片平里菜
Yogee New Waves
マリンブルーデージー
三浦透子
アイナ・ジ・エンド
a flood of circle
マカロニえんぴつ
荒谷翔大 × 鈴木真海子(chelmico)
SAKANAMON
UNISON SQUARE GARDEN
- 2025.03.07
-
フラワーカンパニーズ
四星球
THE YELLOW MONKEY
ビレッジマンズストア
kobore
礼賛
カメレオン・ライム・ウーピーパイ
SCANDAL
THE BACK HORN
OKAMOTO'S
w.o.d.
ズーカラデル
ザ・ダービーズ
YAJICO GIRL
リュックと添い寝ごはん
レイラ
- 2025.03.08
-
Lucky Kilimanjaro
never young beach
四星球
リアクション ザ ブッタ
a flood of circle
サカナクション
GRAPEVINE
SUPER BEAVER / 東京スカパラダイスオーケストラ / WurtS ほか
片平里菜
WONK
MAN WITH A MISSION
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
moon drop
礼賛
osage
GLIM SPANKY
秀吉
SCANDAL
おいしくるメロンパン
OKAMOTO'S
w.o.d.
mzsrz
BLUE ENCOUNT / 崎山蒼志 / CHiCO ほか
PIGGS
FINLANDS
sumika
緑黄色社会
Nornis
go!go!vanillas
Aimer
- 2025.03.09
-
さとうもか
四星球
a flood of circle
サカナクション
マカロニえんぴつ / Saucy Dog / ヤングスキニー ほか
osage
君島大空
yama
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
moon drop
KALMA
kobore
リアクション ザ ブッタ
4s4ki
THE BACK HORN
GLIM SPANKY
OKAMOTO'S
ズーカラデル
FUNKIST
Co shu Nie / 七海うらら ほか
FINLANDS
SCOOBIE DO
Base Ball Bear / 橋本絵莉子
miwa
藤巻亮太
go!go!vanillas
Aimer
- 2025.03.10
-
Panorama Panama Town
Jack White
秋山黄色
SCOOBIE DO
三浦透子
RELEASE INFO
- 2025.02.25
- 2025.02.26
- 2025.02.27
- 2025.02.28
- 2025.03.01
- 2025.03.04
- 2025.03.05
- 2025.03.07
- 2025.03.12
- 2025.03.14
- 2025.03.19
- 2025.03.26
- 2025.03.28
- 2025.04.01
- 2025.04.02
- 2025.04.04
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
フラワーカンパニーズ
Skream! 2025年02月号