Japanese
星野源
2014年06月号掲載
Writer 吉羽 さおり
6月11日、星野源の7枚目となるニュー・シングル『Crazy Crazy/桜の森』がリリースされる。病気療養で2度にわたって活動を休止し、今年2月に初の武道館公演"星野源 ワンマンライブ STRANGER IN BUDOKAN"で、この日を待ち望んだ多くのファンに迎えられ復帰を遂げ、つい先ごろライヴ・ツアー"星野源の復活アアアアア!"を終えたことも記憶に新しいところ。その他にも、NHKのコント番組や、連載や書籍の発表などの文筆業や、ラジオ、俳優業など、復帰後もさまざまな分野でその姿や声、くすぐったい妄想とエロと人生の深遠さも同じ筆圧で語る文章などを目にしていたけれど、音楽家、星野源としては今作が復帰後初、約8カ月ぶりのシングルだ。
スラップスティックな喜劇、サイレント映画、ボードヴィルを彷彿とさせる、軽やかでリズミカルなピアノのイントロでスタートする「Crazy Crazy」。陽性のドラム・ビートとハンド・クラップ、第2のメロディともなり得るなめらかなベース・ライン、伴奏楽器以上の饒舌な存在感を放つピアノ、というさらりとシンプルに聴こえるが実はクセのある、瀟洒なサウンドが心地いい曲だ。気障なラブ・ソングだってさらっと乗せてしまえるサウンドだが"お早う始めよう 1秒前は死んだ 無常の世界で やりたいことは何だ"と、歌い出す。言い回しこそ独特の、彼ならではのものだが、この歌にはほどよくライトな雰囲気が流れている。いろんなことを次から次に情報処理して、あっちに返信こっちにリプライしてと、なんだか専ら自分のことじゃないことに忙しい思考に、ポンと余白を作ってくれるような、深呼吸したくなるような風を送ってくれる感覚。タラララと陽気な歌でもないし、彼本来の生真面目さみたいなものがどうやっても透けて見える歌で、そのヴォーカルも跳ねたサウンドに反して陰影あるエモーションが宿る。パッと明るく眩しい太陽じゃないけれど、でもだからこそ照らし出せるような心の機微がある。そういう歌を、さらりさらりと歌っている。歌の中には、今の星野源を形作っていった、クレイジーキャッツなり、喜劇なり、映画なりの影が見える。自分の血となり肉となり精神になったものに思いを馳せながら、自分自身に歌う歌を作ったのかもしれないとも思う。
また「桜の森」は、J-WAVEの春のキャンペーン・ソングとしてオンエアされていた曲。爽やかで都会的な、アシッド・ジャズ的な香りを持ったサウンドに、どきりとするような物語が歌われる。さらりと春の訪れをささやくような温かな肌触りで、桜の森――言わば坂口安吾のかの物語に思いを馳せてしまうような、死生観であったり、人の在りようであったり、或いは季節が呼ぶ想像力だったりを嘯く。
その他2曲、「Night Troop」は気持ちのいいチル・アウト感もあるファンク・チューンで、そして「海を掬う(House ver.)」は打ち込みのリズムとアコースティック・ギターで静かに歌いあげる小品。曲調は4曲それぞれではあるけれど、すべてを通してどこかソウルフルなタッチで、ビートもやわらかなグルーヴがきいていて、音の隙間、歌の隙間で風が抜けていくような空気感がある。昨年リリースした3rdアルバム『STRANGER』が、さまざまな物語が並んだ濃密な作品だったこともあるゆえ、また手術や闘病生活という大きな出来事を越えて、改めて今自分のある場所にスポットを当てたときに聴こえてきたのが、こんなふうに軽やかに活き活きとした――決して大げさな賛歌じゃない、日々のリズムだったのかもしれない。いつもの声が聴こえてくるけれど、とても新しい空気をまとった音楽。それをさらっと、やってのけているのだから、やっぱり面白い。
星野源『Crazy Crazy/桜の森』
[SPEEDSTAR RECORDS]
2014.6.11 ON SALE
【初回限定盤】CD+DVD+スリーブケース
VIZL-678 \1,800(税別)
[amazon] [TOWER RECORDS] [HMV]
【通常版】CD
VICL-36914 \1,100(税別)
[amazon] [TOWER RECORDS] [HMV]
【収録内容】
CD
1. Crazy Crazy
2. 桜の森
3. Night Troop
4. 海を掬う(House ver.)
初回盤DVD:『Crazy Disc』 監督:山岸聖太
"緊急特別番組・星野 源 人気ソングTOP10"
レコーディング・ドキュメンタリー
弾き語り「ばらばら」「フィルム」(2012.12.13 at渋谷公会堂)
星野源とスタッフによるオーディオ・コメンタリー収録
[店舗別特典]
ポストカード風のニセ(デザイン全3種)
・TOWER RECORDS全国各店/タワーレコードオンライン
・TSUTAYA全国各店/TSUTAYA オンラインショッピング
(※TSUTAYAオンラインショッピングはご予約分のみ対象)
・HMV全国各店/HMV ONLINEおよび山野楽器全国各店
※特典は無くなり次第終了となります。
※一部お取扱いの無い店舗等もございますので、詳しくはお近くの店舗へお問い合わせ下さい。
- 1
LIVE INFO
- 2024.12.23
-
DOES
Cody・Lee(李)
LiVS
ドレスコーズ
RAY×BELLRING少女ハート
坂本慎太郎
原因は自分にある。
東京初期衝動
- 2024.12.24
-
羊文学
川上洋平([Alexandros])
藤巻亮太
ポップしなないで
CIVILIAN
Plastic Tree
yama
- 2024.12.25
-
UNISON SQUARE GARDEN
原因は自分にある。
ExWHYZ
サンドリオン
川上洋平([Alexandros])
豆柴の大群都内某所 a.k.a. MONSTERIDOL
シノダ(ヒトリエ)
ずっと真夜中でいいのに。
- 2024.12.26
-
BiS
いゔどっと
優里
Cwondo
LACCO TOWER
ネクライトーキー / kobore
UVERworld
Dannie May
- 2024.12.27
-
いゔどっと
"FM802 RADIO CRAZY 2024"
優里
TK(凛として時雨)
シノダ(ヒトリエ)
賽
Devil ANTHEM.
"TOKYO COUNT DOWN 2024"
ネクライトーキー / 3markets[ ]
ビッケブランカ
ExWHYZ
煮ル果実
神聖かまってちゃん
SANDAL TELEPHONE
ウソツキ
"LIVEHOLIC presents COUNT DOWN SPECIAL 2024→2025"
- 2024.12.28
-
CENT
ザ・クロマニヨンズ × go!go!vanillas
the paddles
"FM802 RADIO CRAZY 2024"
TK(凛として時雨)
シノダ(ヒトリエ)
ADAM at
TENDOUJI
DJ後藤まりこ × クリトリック・リス
鯨木
Homecomings
"COUNTDOWN JAPAN 24/25"
モノブライト
BiS
THE YELLOW MONKEY
バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI / PIGGS / Wang Dang Doodle / ゆっきゅん
"LIVEHOLIC presents COUNT DOWN SPECIAL 2024→2025"
- 2024.12.29
-
"FM802 RADIO CRAZY 2024"
ADAM at
DIALOGUE+
Aooo
"COUNTDOWN JAPAN 24/25"
"LIVEHOLIC presents COUNT DOWN SPECIAL 2024→2025"
- 2024.12.30
-
Dragon Ash × The BONEZ
"COUNTDOWN JAPAN 24/25"
"LIVEHOLIC presents COUNT DOWN SPECIAL 2024→2025"
- 2024.12.31
-
Nornis / ROF-MAO / 葛葉 ほか
"第8回 ももいろ歌合戦 ~愛の大晦日~"
フラワーカンパニーズ
FINLANDS
"COUNTDOWN JAPAN 24/25"
大森靖子
9mm Parabellum Bullet×アルカラ
"LIVEHOLIC presents COUNT DOWN SPECIAL 2024→2025"
- 2025.01.03
-
JIMMY EAT WORLD
- 2025.01.04
-
私立恵比寿中学
RAY×BELLRING少女ハート
いゔどっと
sajou no hana
PRIMAL SCREAM / ST. VINCENT / JIMMY EAT WORLD ほか
- 2025.01.05
-
RAY×BELLRING少女ハート
PRIMAL SCREAM
Base Ball Bear
WEEZER / MANIC STREET PREACHERS / DIGITALISM ほか
PIGGS
- 2025.01.06
-
THE JESUS AND MARY CHAIN
- 2025.01.07
-
WEEZER
PRIMAL SCREAM
GANG PARADE × 寺中友将(KEYTALK)
レイラ
- 2025.01.08
-
あいみょん
MONOEYES ※振替公演
WEEZER
THE YELLOW MONKEY
- 2025.01.09
-
OKAMOTO'S
ずっと真夜中でいいのに。
米津玄師
あいみょん
MONOEYES ※振替公演
the paddles
四星球
NOIMAGE
reGretGirl
RELEASE INFO
- 2024.12.25
- 2024.12.26
- 2024.12.27
- 2024.12.28
- 2025.01.01
- 2025.01.03
- 2025.01.05
- 2025.01.06
- 2025.01.08
- 2025.01.10
- 2025.01.12
- 2025.01.14
- 2025.01.15
- 2025.01.16
- 2025.01.17
- 2025.01.20
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
ST. VINCENT
Skream! 2024年12月号