Overseas
FOSTER THE PEOPLE
2014年03月号掲載
Writer 山口 智男
結成からわずか2年足らずで世界規模のブレイクを成し遂げ、あっという間にロック・シーンの顔となったFOSTER THE PEOPLE(以下FTP)。その彼らが2011年5月にリリースしたデビュー・アルバム『Torches』は全米8位、全英24位といきなりの大ヒットを記録。これまでに全世界で200万枚を超えるセールスを達成している。そして、その成功が認められ、彼らはグラミーをはじめ、MTVビデオ・ミュージック・アワード、ブリット・アワード、NMEアワードといった名だたる音楽賞にノミネートされ(2012年2月のグラミー賞の授賞式ではMAROON5とともにTHE BEACH BOYSと共演するという栄誉に与っている)、<Saturday Night Live>他、人気者の証とされる多くのテレビ番組にも出演。また、彼らの曲は<Gossip Girl>といった人気のテレビドラマにもフィーチャーされ、FTPの存在は熱心な音楽ファンだけに止まらず、日本的な言い方をすれば、お茶の間にも浸透していった。
しかし、それらはオマケみたいなものなのかもしれない。大事なのはやはり彼らがチルウェイヴという言葉が象徴するインディー・ロックの流れを意識したうえで2010年のミュージック・シーンに提示したアーバンなダンス・ポップ・サウンドがポップとロックの未来を描き出していたことだった。
もちろん、ここ日本でも彼らの人気は急上昇。2012年1月に実現した初来日ツアーはすべてがソールドアウト。その7ヵ月後には、SUMMER SONICに出演するため再び日本にやってきた。
FTPはMark Foster(Vo/Gt/Key/Programming)、Cubbie Fink(Ba)、Mark Pontius(Dr)からなるロサンゼルスの3人組。オハイオからロサンゼルスにやってきて、CM音楽の仕事をしながら、自身の音楽キャリアを軌道に乗せようとしていたFosterがFinkとPontiusを誘い、FTPを結成したのが2009年10月のことだった。それから約1年後、彼らが発表した「Pumped Up Kicks」はトレンドセッター的な音楽サイトに取り上げられたことをきっかけに早耳のリスナーの間に広がると、今度は舞台をラジオに移して、多くの人々の気持ちを鷲掴みにしていった。
その噂は早速、イギリスにも飛び火。2010年のベスト・ニュー・バンドの1つに彼らを選んだ老舗の音楽メディア、NMEはTHE STROKES、VAMPIRE WEEKEND、MGMT、DAFT PUNKの名を挙げ、彼らを絶賛した。
結局、「Pumped Up Kicks」は全米3位の大ヒットになるわけだが、各社争奪戦の末、彼らはコロムビア・レコード傘下のスタータイム・インターナショナルと契約。2011年5月にリリースした『Torches』をステップに大きな飛躍を遂げたことはすでに書いたとおりだが、デビュー・アルバムのリリース後、ツアーに明け暮れてきた彼らがほぼ1年間ツアー活動を休んで、完成させたのが3月19日にリリースされる2作目のアルバム『Supermodel』。『Torches』から実に3年ぶり、多くのファンがこの日を待っていたに違いない。
"何たってツアーなんかを始めてから3~4年になるし、どんなバンドでもそれくらいの時間を経れば成長するものだよね。だからこの2ndアルバムでは、自分たちの音楽やイメージを変えようって決めていた。自然な変化をもたらそうってね。でも間違いなく僕らは、ヴァンに乗り込んで(サポート・メンバーを含め)5人でツアーしていた頃に比べたら、随分遠くまでやって来たと思うよ"(以下、発言はすべて新谷洋子さんによる日本用ジェネリック・インタビューから抜粋)
Pontiusがそんなふうに語る新作の制作は、『Torches』を手掛けた3人のプロデューサーの1人、Paul Epworth(Adele、PRIMAL SCREAM他)とFosterがモロッコで作ってきたアイディアやスケッチを元にマリブにあるスタジオにメンバー全員が顔を揃え、"波の音を聴きながら(笑)"(Pontius)進められたという。
その際、3人が考えていたテーマはFosterによると、"クリエイティヴなプロセスに"恐れ"を侵入させず、外部の声や期待が曲作りのプロセスに影響を及ぼさないようにすること"と"不完全さを受け入れ、僕らが一室に集まって一緒にプレイする時のフィーリングを封じ込めて、その相乗作用とエネルギーを取り入れること"。その他にも"アフリカのリズム、アフリカの音楽を掘り下げたいとも考えていたし、70年代のパンク・ムーヴメントの音楽にもインスパイアされていた"という。しかし、"結果的には、他にもたくさんの想定外のスタイルが入り込んで"、レコーディングは"驚きの連続"だったという。
そんな試みが前作の延長上で、よりオーガニックになったサウンドと、さらに多彩になった全11曲(+日本盤ボーナス・トラック)に結実。ディスコ・ビートにファンカラティーナなギターのカッティングが絡むTrack.1「Are You What You Want To Be」の女性コーラスからはなるほど、Fosterが言うようにアフリカの音楽からの影響が窺えるし、遊び心溢れるアレンジが楽しいディスコ・ナンバーのTrack.7「Best Friends」からは最近の彼らの大きなインスピレーションだというTHE CLASH(の『Combat Rock』)を連想させる音使いも聴きとれる。
その他、ネオアコ、80年代エレポップ、ジャズ、ボサノバ、THE BEACH BOYS風のハーモニー、アコースティック・ギターの弾き語りなどなど、万華鏡の如き曲の数々は彼らが前作の成功から解き放たれ、いかに意欲的かつ自由にアルバム作りに取り組んでいたかを物語るものだ。因みにレコーディングしている最中のメンバーたちの合言葉は"Be Brave!"(勇敢であれ!)だったという。
個人的には、ベルリン時代のDavid Bowieを連想させるエレクトロ色濃いTrack.8「A Beginner's Guide To Destroying The Moon」とTrack.10「The Truth」、そしてアコギの弾き語りからスピリチュアル風に展開するTrack.11「Fire Escape」が印象づける、単にポップという言葉だけでは語りきれない成熟こそが新作における最大の成果ではないかと考えているが、もちろん、聴きどころは人それぞれ。いろいろな楽しみ方があっていいと思う。
『Supermodel』というタイトルには、InstagramやTwitterやFacebookといったソーシャル・メディアを通じて、誰もが何らかの形で有名になれる現代社会に対する批評が込められているようだ。
"誰もがある意味でスーパーモデルなんだよ。僕らは自分自身の販売員であり、経営者であり、社長であり、商品なのさ。前作での僕らは人々をリアリティから逃避させてあげたかった。今回はもしかしたら、自分たちのリアリティとしっかりと向き合うように促しているんじゃないかな"というFosterの言葉からはFTPが以前よりもタフになって戻ってきたことが窺える。
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