Overseas
MUSE/The Resistance
Writer 杉浦 薫
前作『Black Holes and Revelations』から約3年半、MUSEが5枚目となる新作『The Resistance』を9月14日にリリースする。この作品は、バンドにとって初のセルフ・プロデュース作品となっているのだが、外部のプロデューサーを雇わずに、ここまで複雑に凝りまくった構成のアルバムを完成させてしまったことに驚きを隠せない。ヴォーカル、ギター、ベース、ドラムという、ロック・バンドの基本パートの枠を大きく超え、純粋なクラシック音楽が大々的にフューチャーされているのだ。40人のオーケストラとともにレコーディングされたということで、かなり大掛かりな作業となったことだろう。唯一、ミックス・エンジニアにはU2やBjorkを手がけたMark Stentを起用してはいるが、クラシックパートのアレンジも、スコアも、全て自分達で手がけたというのだ。Matthew Bellamy、Christpher Wolstenholme、Dominic Howardという3人のメンバーが、いかに勤勉で、いかに芸術的創造性が豊かであるかということを改めて叩き付けてくれた作品だと言えるだろう。
『The Resistance』は、一聴しただけではロック・オペラ的とも言えるかもしれないが、例えば『Tommy』や『The Wall』や『American Idiot』のように、架空の主人公がいて、物語を語るわけではない。この作品においての"僕"は、この世界で生きている一人の人間としての"僕"に過ぎない。小説やオペラの作品からの引用がありつつ、コントロールされる社会に生きる"僕"が愛という唯一のものを信じながら、本来尊重されるべき民衆の権利を取り戻そうとする姿を真摯に描いている。いわば、壮大なコンセプト・アルバムということになるだろう。
アルバムの幕開けは、グラム・ロック的アプローチのシャッフル・ナンバー「Uprising」から始まる。そして、アルバムのタイトル・ナンバー「The Resistance」の歌詞は、徹底した恐怖政治の元にある監視社会をテーマとした小説、George Orwellの『1984年』からの引用が含まれている。ピアノのオープニングから始まり壮大な展開をしていく、アルバムの象徴となる曲である。「Undisclosed Desires」は、「Supermassive Black Hole」を彷彿とさせるリズムではあるが、もっと大胆にエレクトロニック・サウンドを導入している。弦楽器を爪弾く音が曲をポップに聴こえさせているが、どこか物悲しいメロディだ。そして、「The Resistance」と同じく、『1984年』からの引用が導入されている「United States Of Eurasia(+Collateral Damage)」では、ギターがノイズとしての役割に徹し、弦楽器がメインのメロディを奏でている。ピアノとストリングスから静かに始まるオープニングから、突然バーン!!!と激しく展開されるのは、QUEEN風とでも言うべきか。エンディングには、あのショパンの夜想曲第二番変ホ長調がそのまま使用され、ストリングスのアレンジが加わって幕を閉めるのだ。その他、「Unnatural Selection」に至ってはパイプオルガンが使用され、「I Belong To You(+Mon Coeurs'Ouvre A Ta Voix)」に至っては、フランスのカミーユ=サンサーンスの悲劇的オペラ『サムソンとデリラ』のアリアの一節を、Matthewがそのまま歌うというセクションが曲の真ん中に導入されているのだ。音が分厚く、シアトリカルなこのナンバーは、アルバムの中でも一際凄味のあるナンバーである。
そして、全ての締めくくりとなる交響曲「Exogenesis」は三楽章から成り立っており、バンド・アンサンブルと絶妙に絡み合ってはいるものの、正に管弦楽のための交響曲と呼ぶに相応しい仕上がりとなっている。ここまでをご覧になって想像していただける通り、『The Resistance』のキーワードはクラシック・サウンドである。あなたがこのアルバムを初めて聴いた時には面食らうかもしれないが、最後まで聴いた後には、MUSEをMUSEたらしめている理由を理解すると共に、新鮮な感動を感じることになるだろう。
- 1
LIVE INFO
- 2025.09.18
-
YOASOBI
キュウソネコカミ
LAUSBUB
DYGL
Mirror,Mirror
MONOEYES
終活クラブ
TOOBOE
THE SMASHING PUMPKINS
椎名林檎 / アイナ・ジ・エンド / 岡村靖幸 ほか
打首獄門同好会
the paddles / DeNeel / フリージアン
otona ni nattemo / 南無阿部陀仏 / ウェルビーズ ほか
- 2025.09.19
-
THE ORAL CIGARETTES
a flood of circle
UVERworld
セックスマシーン!!
Bye-Bye-Handの方程式
Redhair Rosy
たかはしほのか(リーガルリリー)
終活クラブ
あたらよ
Aooo
KING BROTHERS
bokula. / 炙りなタウン / Sunny Girl
The Birthday
- 2025.09.20
-
カミナリグモ
Lucky Kilimanjaro
TOOBOE
GRAPEVINE
This is LAST
LACCO TOWER
WtB
キュウソネコカミ
reGretGirl
岸田教団&THE明星ロケッツ
ASH DA HERO
THE SMASHING PUMPKINS
Miyuu
竹内アンナ
ぜんぶ君のせいだ。
PAN / SABOTEN
SHE'S
"イナズマロック フェス 2025"
LAUSBUB
渡會将士
Plastic Tree
ヨルシカ
cinema staff
Broken my toybox
あたらよ
大森靖子
04 Limited Sazabys / 東京スカパラダイスオーケストラ / ザ・クロマニヨンズ / 奥田民生 / ヤングスキニー ほか
ART-SCHOOL
AIRFLIP
"NAKAYOSHI FES.2025"
"ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2025"
GOOD ON THE REEL
クジラ夜の街 / Dannie May / 終活クラブ / アオイロエウレカ(O.A.)
フラワーカンパニーズ
- 2025.09.21
-
ExWHYZ
HY
豆柴の大群
TOOBOE
カミナリグモ
LACCO TOWER
The Biscats
WtB
キュウソネコカミ
envy × OLEDICKFOGGY
Plastic Tree
Broken my toybox
ぜんぶ君のせいだ。
THE SMASHING PUMPKINS
アルコサイト
ART-SCHOOL
星野源
"イナズマロック フェス 2025"
岸田教団&THE明星ロケッツ
TOKYOてふてふ
ヨルシカ
竹内アンナ
GRAPEVINE
大森靖子
ACIDMAN / GLIM SPANKY / Dragon Ash / go!go!vanillas / Omoinotake ほか
LAUSBUB
Devil ANTHEM.
peeto
KING BROTHERS
"ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2025"
GOOD ON THE REEL
超☆社会的サンダル / さとう。 / ルサンチマン / SENTIMENTAL KNOWING(O.A.)
PIGGS
- 2025.09.22
-
WtB
reGretGirl
OKAMOTO'S
古墳シスターズ
レイラ
Bye-Bye-Handの方程式
ビレッジマンズストア
Ryu Matsuyama
CENT
- 2025.09.23
-
水曜日のカンパネラ
ART-SCHOOL
Lucky Kilimanjaro
TOOBOE
リュックと添い寝ごはん
古墳シスターズ
Omoinotake
Kroi
TOKYOてふてふ
Plastic Tree
WtB
MUSE / MAN WITH A MISSION / go!go!vanillas
amazarashi
GRAPEVINE
YONA YONA WEEKENDERS
DYGL
cinema staff
Bye-Bye-Handの方程式
Another Diary
adieu
竹内アンナ
Cody・Lee(李)
トゲナシトゲアリ
"TOKYO CALLING 2025"
- 2025.09.24
-
水曜日のカンパネラ
THE SMASHING PUMPKINS
ドミコ
UVERworld
Kroi
a flood of circle
Hump Back
shallm × sajou no hana
- 2025.09.26
-
This is LAST
the cabs
ドミコ
Age Factory
Aooo
Keishi Tanaka
MONO NO AWARE
トンボコープ
Base Ball Bear × ダウ90000
DYGL
OKAMOTO'S
SUPER BEAVER
otsumami feat.mikan
セックスマシーン!!
YONA YONA WEEKENDERS
- 2025.09.27
-
TOKYOてふてふ
amazarashi
アーバンギャルド
SCOOBIE DO
LACCO TOWER
Academic BANANA
The Birthday / 甲本ヒロト(ザ・クロマニヨンズ) / 志磨遼平(ドレスコーズ) / GLIM SPANKY / TOSHI-LOW(BRAHMAN/OAU) ほか
ぜんぶ君のせいだ。
センチミリメンタル
LAUSBUB
Awesome City Club
NEE × CLAN QUEEN
Plastic Tree
This is LAST
LOCAL CONNECT
YOASOBI
TOOBOE
MONO NO AWARE
EGO-WRAPPIN' × 大橋トリオ
豆柴の大群
reGretGirl
cowolo
コレサワ
ExWHYZ
レイラ
INORAN
MAPA
LiSA
mudy on the 昨晩
WtB
キタニタツヤ
"ベリテンライブ2025 Special"
藤巻亮太
"TOKYO CALLING 2025"
- 2025.09.28
-
ナナヲアカリ
NEE × CLAN QUEEN/サイダーガール × トンボコープ
SCOOBIE DO
LACCO TOWER
TOKYOてふてふ
SUPER BEAVER
"いしがきMUSIC FESTIVAL"
cinema staff
ぜんぶ君のせいだ。
YONA YONA WEEKENDERS
コレサワ
SPRISE
Plastic Tree
YOASOBI
リュックと添い寝ごはん
EGO-WRAPPIN' × 大橋トリオ
Age Factory
WtB
TOOBOE
mzsrz
Broken my toybox
古墳シスターズ
RAY
"ベリテンライブ2025 Special"
"TOKYO CALLING 2025"
- 2025.09.30
-
打首獄門同好会
Hedigan's
緑黄色社会
MONOEYES
Mirror,Mirror
ヨルシカ
"LIVEHOLIC 10th Anniversaryseries~YOU MAY DREAM~"
RELEASE INFO
- 2025.09.19
- 2025.09.24
- 2025.09.26
- 2025.10.01
- 2025.10.03
- 2025.10.05
- 2025.10.08
- 2025.10.10
- 2025.10.11
- 2025.10.12
- 2025.10.13
- 2025.10.14
- 2025.10.15
- 2025.10.17
- 2025.10.22
- 2025.10.24
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
OASIS
Skream! 2025年09月号