Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

DISC REVIEW

Japanese

ティーンガールの憂鬱

Grand chocol8(ex-chocol8 syndrome)

『ティーンガールの憂鬱』

Release Date : 2017-05-03
Label : Super Cats Record

"楽しい"以外の感情を求め始めた前作『エウロパ』での変化がファンに受け入れられたことが自信に繋がったのか、その方向性での表現をよりいっそう深めている印象。Track.1「ティーンガールの憂鬱」、Track.2「ピーターパンシンドローム」などしゃおん(Vo)の心情を歌う曲はよりストレートになり、Track.3「DOKKOI SHOT!!」のようなパーティー・チューンは自由極まりない仕上がりとなった。その結果、喜び/苛立ち、野心/不安、理想/現実、コミュニティ/孤独などいくつもの"二面性"を浮かび上がらせる構造に。"おしゃかわロック"を掲げる彼らにとって、それはもともとあったテーマとも言えるが、進化を求める先で原点に返ってきている感じがとても面白い。(蜂須賀 ちなみ)


Related DISC REVIEW

天性のドロドロE.P.

今年4月、Grand chocol8として新たなスタートを切った新生ちょこはちの記念すべき1st EP。タイトルが秀逸だ。ちょっとアンニュイなトラックに、取り柄も才能もない存在をただただ肯定するかのような歌詞が印象的。とかく自己嫌悪や罪悪感に苛まれがちな人間にとっては、かなりの度合で救われるであろう1曲だ。カップリングの「宵の星」は懐かしさが漂うサウンドに過去の青春を絡め、「郷愁」では現在進行形の青春から少し先の未来を描いた。過去、現在、未来という流れの中に今現在のちょこはちがしっかり表れていることを感じる。まったく別モノのバンドになったという言葉通り3人の新たな挑戦と、そこから得られた自信が凝縮されたかのような1枚。ここからどう進んでいくのかが非常に楽しみでもある。(藤坂 綾)


音楽はメジャーが全てじゃない!

シンセがガンガン鳴る曲もあれば、エレキ・ギターが前面に出た曲もあるし、レトロなメロと電子音を掛け合わせた不思議な雰囲気の曲もある。また、金が欲しいと連呼する身も蓋もない曲の直後にはドラマチックな展開のワルツを配置。そしてラストはまさかのラップ。前作の時点で予兆はあったが、なんでもありのモードに入りつつあるchocol8 syndrome。それに伴い各プレイヤーに求められることも当然増えてくるわけで、特にしゃおん(Vo)は、全編ファルセットの「冥王代で会ってる」から低音域で力強く歌う「ダイスロール」まで幅広いアプローチも見せている。ライヴでは演奏以外にもこだわりながらみんなで笑える空間作りを目指す彼らならではの、エンタメ精神に満ちた作品。(蜂須賀 ちなみ)


脱法またたびロック

2年ぶりのフル・アルバム。既発曲である「エウロパ」、「ティーンガールの憂鬱」の流れを踏襲し、全曲の作詞をしゃおん(Vo)が、作曲をケンコモブチ(Key/Cho)が担当。内省的な内容が多かったしゃおんの歌詞は物語調の世界観を取り入れることによって表現の幅を広げることに成功。彼女の趣味が全開になった「君と私とメタモルフォーゼ」をはじめ、随所に遊び心が散りばめられている。また、メロディ&アレンジ面に関しても今までにないタイプの楽曲がかなり増えている。突然の演歌「つらまろのきわみ2」はもちろんのこと、「ミスティックミステリア」、「キスで目覚めさせて」あたりに新鮮さを覚える人も多いのでは。バンドの間口がさらに広がっていくことを予感させるような意欲作。(蜂須賀 ちなみ)


ティーンガールの憂鬱

"楽しい"以外の感情を求め始めた前作『エウロパ』での変化がファンに受け入れられたことが自信に繋がったのか、その方向性での表現をよりいっそう深めている印象。Track.1「ティーンガールの憂鬱」、Track.2「ピーターパンシンドローム」などしゃおん(Vo)の心情を歌う曲はよりストレートになり、Track.3「DOKKOI SHOT!!」のようなパーティー・チューンは自由極まりない仕上がりとなった。その結果、喜び/苛立ち、野心/不安、理想/現実、コミュニティ/孤独などいくつもの"二面性"を浮かび上がらせる構造に。"おしゃかわロック"を掲げる彼らにとって、それはもともとあったテーマとも言えるが、進化を求める先で原点に返ってきている感じがとても面白い。(蜂須賀 ちなみ)


エウロパ

chocol8 syndromeにとって初のシングル盤となる『エウロパ』は、初の全国流通盤となった1stフル・アルバム『8』から約半年の期間を経てリリース。短いスパンでのリリースにもかかわらず、"ライヴで楽しむ/楽しませる"ということに重きを置いた前作とは明らかに異なるベクトルの作品に仕上がっていることから、バンドの調子の良さと前のめりな姿勢が窺える。特に、自身が抱える光と闇の部分にギリギリまで迫ろうとするしゃおん(Vo)の詞と、その世界観を増幅するメロディ&サウンドメイキング(※作曲はキーボードのケンコモブチが担当)が光る表題曲の仕上がりは絶妙。"楽しい"以外の七色の感情を交わらせることにより、バンドと聴き手の関係性はますますかけがえのないものに変わっていくことだろう。(蜂須賀 ちなみ)


8

おしゃれ×かわいい×かっこいい="おしゃかわロック"をコンセプトに活動するバンド、chocol8 syndromeの初の全国流通盤。"好きなものを全部取り込んでみました!"みたいな疾走感溢れるサウンドと、躍動感のある男女ツイン・ヴォーカルが特徴的。とはいえ、未来へ突き進む意志を瑞々しく輝かせるアッパー・チューンばかりではなく、和テイストのメロディ・ラインが艶やかな「閃光 ON AIR」、音の隙間も聴かせるミディアム・バラード「勿忘草」なども収録。笑顔の裏に隠されたその虚しさには、バーチャルではなくリアルであなたと繋がりたいんだという願い、傷つくのが怖くて踏み出せない臆病な心などが見え隠れ。こちら側の表情の方が気になるのは私だけだろうか。(蜂須賀 ちなみ)