Japanese
MOS
2026.01.10 @渋谷WWW X
Writer : 吉羽 さおり Photographer:ryuji
2025年10月からニュー・アルバム『HAPPINESS IS』のレコ発ツアーを行ってきた4ピース・ブラス・ロック・バンド MOS。そのツアー・ファイナルが1月10日に東京 渋谷WWW Xで開催された。
本ツアーでは、セミ・ファイナルの大阪公演とファイナルの東京公演がバンド・セットとなり、わかざえもん(Ba)、岡田安未(Gt)、SION(Dr)によるバンド=M.O.B、そしてDJ COZYとMOSのマネージャーでもあるDJ Chelが、パワフルな4人のサウンドをさらに後押しする。その威力は抜群で、ライヴの幕開け「タオルマワセ-MOB short ver-」からフロアを埋めた観客の熱を上げ、ステージへと勢い良く登場したAMI(A.Sax)、Lotta(T.Sax)、Erna(Tb)、Miyu(Tp)はタオルを掲げて歓喜の声を上げる観客にシンガロングを煽りながら、"準備運動は大事だから、もっと回せ! 始めようぜ東京"(Lotta)と「MateG -MOB ver-」へと突入した。
強靭なビートに手拍子が起こり、その高揚感を爆上げするように4人の音が炸裂する。管楽器を照明できらめかせて横並びでプレイする姿と、ライヴという生の場で浴びる管楽器ならではの音のボリューム感や空気を震わせる迫力、その前のめりぶりは観客が仰反る程のエネルギーだ。バンドとの密度の高いアンサンブルで、序盤では特に骨太なビートとギターと管楽器とのヘヴィなリフによるダイナミックなロック「CITY LIGHTS」で揺さぶって、一転して各パートで紡いでいく哀愁のメロディが叙情的な『HAPPINESS IS』収録の「P.S. I miss you」へと、景色を大きく変えるドラマティックな流れが冴える。
盛り上がる観客に改めて挨拶をしたLottaは、興奮気味に"ブラス・ロック、楽しんでますか"と問い、アルバム・リリースからツアーへと駆け抜け、こうしてM.O.Bとファイナルを迎えた喜び、そしてツアーが終わってしまう寂しさを語りながら、それでも『HAPPINESS IS』という作品に相応しく最後まで笑顔で、とフロアの温度を上げていった。
中盤はニュー・アルバム『HAPPINESS IS』の曲が中心のセットリストで進行し、まずはキャッチーなフレーズに一斉に手が上がるダンサブルな「Dead Curious」から、「Shadow Ace」で観客と共に高らかにシンガロングの声を上げる。ライヴハウスでの活動、そして"ブラス・ロック・バンド"という新たな道への意志が込められた『HAPPINESS IS』の中でも、最も明快に今のMOSの姿勢を表現したのがアルバムで唯一歌詞のある「覚悟」。ErnaやMiyuのダイナミックなプレイに乗せ"進め先へ!"、"明日に向かえ!"、そして"行け!行け!"と叫ぶLottaやAMIの力のこもったプレイやシンガロングに、観客の拳も高く突き上がる。LottaはMCで息も絶え絶えな様子で喋っていたが、4人共にこれだけ全身で楽器を吹き鳴らし、また大きな楽器を振り上げるようにダイナミックなプレイをしていれば、それはそうだよなと思う。"ブラス・ロック"を打ち立て、それを背負っていく覚悟とタフさがこのライヴには漲っている。
このツアーでは何ヶ所にも来てくれている強者もいれば、このファイナルで初めてMOSのライヴに来たという人も多くいるということで、改めて自己紹介やM.O.Bのメンバー紹介をした4人。そして"全ての人に感謝を込めてこの曲を"(AMI)と、「オレンジ」で後半へと突入する。一段と観客の熱量が上がったのは、『HAPPINESS IS』を幕開ける「CLOVER」。各パートで紡ぎ上げるアンセミックなメロディに観客の手が上がり、"2026年もいろんなところでブラス・ロックを届けていくので。今年もよろしくお願いします"(Lotta)という晴れやかな宣言に歓声が湧く。
M.O.Bのセッションから「Do」へとなだれ込むと、ここからはラストまで一気に全速力で駆け抜けていった。"ここにいる全員がMOSだと思ってます。今年も挑戦していきますからね、どうぞよろしく......なめんなよ!"というLottaの威勢のいい言葉と共に、「もだけでいいから」でフロアはタオルを振りながらエンドレスとも言える"も"の大合唱を起こす。会場の温度も一体感も最高潮に達したところで迎えたラストは、全員でピースサインを掲げる「PEACE!」へ。軽快なスカ・ビートにAMIやLottaは軽やかにステップを踏んで、観客も体を揺らす。たとえ初めて曲を聴いたとしても、パッと笑顔になったり、自然と体がリズムを刻むような、陽性のエネルギッシュなナンバーだ。アンコールのときに、このライヴ(と打ち上げ)の後にはその足でLottaの出身地である山梨へと向かい、成人式のステージで演奏することになっていると言っていたが、この問答無用のMOSサウンド、MOSライヴの楽しさは、ロック・フェスやイベントにも抜群に合うはずだ。今年はそんな活躍にも期待したいし、多くの人にこのパワーが届くことを願いたい。そんな思いが膨らんだツアー・ファイナルとなった。
アンコールではメンバーそれぞれからこのツアーを走ってきた感想や感謝、ここから先への想いが語られ、さらに新たな全国ツアー"BRASS PIT TOUR"が6月からスタートすることが発表された。また近々の予定としてはLottaとMiyuが3月1日開催の"東京マラソン2026"出場が決定し(ErnaとAMIはボランティアに参加)、このツアー中にも走り込みをしながらライヴをしてきたというから、本当にタフである。アンコールでは、会場が一体となるライヴ定番曲の「cocococo」と、この日2回目の演奏となる最新作からの晴れやかなアンセム「CLOVER」で、ツアー・ファイナルと2026年のキックオフを祝した。新たなツアーの成功を含め、MOSの名前が大きく轟いていくことを期待したい。
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