Japanese
チャットモンチー
Skream! マガジン 2015年08月号掲載
2015.07.01 @Zepp Tokyo
Writer 石角 友香
まぁあらゆる既成概念が粉々に打ち砕かれる痛快さに開いた口が塞がらない強烈な"対バン"だった。今回の"求愛ツアー"最終公演の対バンがGLAYであることがアナウンスされてからのチケット一般発売だったこともあり、当然、GLAYのファンはZepp Tokyoという激レアなキャパシティに殺到したことは言うまでもない。言うまでもないのだが、彼らの登場に狂喜したのはGLAYのファンだけじゃなかったのだ。
ステージを覆うスクリーンに"求愛ツアー"のおなじみキャラクターであるクマのアニメーションが投影され、GLAYの名前が投影され、一音鳴った瞬間の歓声の大きさは過去最高音量だったんじゃないか?しかもオープニングから「口唇」、そして「誘惑」「HOWEVER」などなど、コアファンじゃなくても知ってる名曲のオンパレード。つくづく強い曲を持ったバンドであることを再認識させられる。しかもメンバーはデビュー20年選手という意味を刷新するぐらいフレッシュな佇まいで、このステージを最大限楽しんでいるのが痛いほど伝わってくるのだ。そしてTERU(Vo)は"ファイナルに選んでくれて、戦友って感じで嬉しいです。このシーンの妹みたいに思ってるんで"という言葉のひとつひとつに人柄が滲み出る。彼らの不変の人気の理由を垣間見た思いだ。そして重いビートと特徴的なイントロに驚きの歓声が上がり、なんとチャットモンチーの「真夜中遊園地」をカバーするというサプライズまで!「彼女の"Modern..."」で魅せたTAKURO(Gt)のセクシーなロッカーっぷりは、どこかぐるっと一周してむしろ斬新なスタイルに見えたりもしたのだが、それもやはり曲の良さ、ヘヴィだがタイトでメロディアスな演奏のたしかさに裏づけられていることをシンプルなセットで十二分に堪能させ、あっという間に11曲を完走。すごいバンドというバカみたいな感想しか出てこない、歓喜に溢れたステージだった。
フロアの興奮が渦巻く中、転換中にはチャットモンチーの地元・徳島で開催された期間限定ショップ"チャット商店"の紹介が情報番組のスタイルで映し出される。デビュー前の自主企画時のフライヤーや昔の写真などの展示物から、10年にわたる活動において彼女たちはほんとに自分たちの手を動かし頭を使ってきたんだなぁと、マイペースに見える活動の大本にはチャットならではのヴィジョンがあったわけだ。改めてそう思った。
そして後半はいよいよチャットモンチーの登場。今回はニュー・アルバム『共鳴』リリース後でもあり、遂に男陣(恒岡章:Dr/Hi-STANDARD, CUBISMO GRAFICO FIVE/下村亮介:Key&Gt/the chef cooks me)と、乙女団(世武裕子:Pf/Syn/北野愛子:Dr/DQS, nelca, ex-your gold, my pink)が一堂に会することも大きな見どころ。アルバムではふたつのチームに分かれていた編成がライヴでどうフレキシブルに変化するのか?という点にも期待が高まる。そんな中、オープニングは全員が登場しての「変身」。ハンドマイクで"レペゼン・チャットモンチー"よろしく歌う橋本絵莉子と福岡晃子に自由度の高い今のチャットを見る。そしてそのままツイン・ドラムのカタルシスを放出する「きみがその気なら」へ突入。おなじみの「シャングリラ」では福岡&恒岡のタフなリズム隊、自在にエフェクトを飛ばす下村のシンセがこの曲をアップデートしていく。
祝祭感とパワーに満ちた演奏をしつつ、最初のMCでは橋本も福岡も先ほどのGLAYのステージに"夢みたい""もう今日、終わってもええかな"と感極まった様子。それでいてこの6人編成の要としてバンドを引っ張ってるのだから、やっぱりこのふたりは強力だ。その後、男陣の演奏で、今と上京時の"東京"にいることの意味や温度感をそれぞれに表現した「いたちごっこ」と「東京ハチミツオーケストラ」が続けて披露されたことも感慨深い。橋本が以前、シングル『こころとあたま / いたちごっこ』のインタビューで"東京にいるということは音楽をやるため、に限りなく近い"と話していたことを思い出した。しかしまぁこの日はお楽しみがてんこ盛り。"ラッパー・えりこ&あっこ"が登場しての「ぜんぶカン」では、リリックを手書きした四面の箱を自ら回しながら、ファンにも、"合法 go home 維持 easy~"とラップを促す。その間、ベースはシモリョー、世武はショルキーで、懐かしめなディスコ・テイストを演出。かと思えば、パンツルックの衣装の上にワンピースを着て"アイドル・橋本聖子ちゃん"として、80sのアイドル歌謡よろしく披露された「最後の果実」のインパクトたるや。その装束のままギターを演奏する姿とキャッチーなメロディと、歌い手としてのなりきりっぷりが破壊力抜群! ロック・ミュージシャン、橋本絵莉子のかっこよさは、ここまで来ちゃったか、10年って歳月は伊達じゃないねと、笑うどころか羨望の気持ちが上回ってしまった。
そして、乙女団の本領発揮な「ときめき」。女性ならではの業や切なさを含んだこの曲を、大きなグルーヴと凛とした響きで表現する、この4人の出会いの必然を見た思いだ。そして通底する思いを新たにマス・ロック的なアプローチも取り入れた「Last Love Letter」でも聴かせ、ミュージシャン/女性としての経験による変化と、同時に歳月に左右されない核心を同時に体現していたようにも思う。再び男陣も参加して、チェンバー・ポップ風にアレンジした「例えば、」は、たくさんの音楽やたくさんのインスピレーションをモリモリ食べてきた結果としての今があった。やはり音楽家/表現者としてチャットモンチーの壁のなさと、壁を超える勇気やパワーは計り知れない。お祭り感もあれば、女性の内面の深いところも13曲の本編に詰め込むというのは若干、荒業ではあったけれども......。
アンコールにはTERUがチャットTシャツを着用して登場。GLAYへの返礼なのだが"本人が歌ったらカバーじゃないよね?"と福岡が笑いと歓声を集める中、GLAYの「グロリアス」を7人で演奏。橋本に続いてTERUがヴォーカルをとり、あまりにもレアなコラボにフロアは沸きに沸いた。1番興奮しているのは当のチャットのふたりという状況の中で、"チャットモンチーのお客さんにも観てもらいたいツアーやったんです。私たち、口下手なんでそういう気持ちはライヴや音楽で伝えていきます"と福岡。10年のあいだで最も大きな出来事は今のふたりになったことと話し、そのときに作ったという「ドライブ」を最後に披露。いろいろな意味を込めながらも軽快に一歩踏み出すチャットモンチーの在り方を示し、ツアーを終了したのだった。
- 1
LIVE INFO
- 2025.10.08
-
THE ORAL CIGARETTES
TOKYOてふてふ
FOO FIGHTERS
Re:name × Enfants
JON SPENCER
MONO NO AWARE
ORCALAND × Gum-9
- 2025.10.09
-
キュウソネコカミ
Rei
OKAMOTO'S
終活クラブ
JON SPENCER
DOES
アイナ・ジ・エンド
感覚ピエロ
Hedigan's
Plastic Tree
羊文学
Kroi
- 2025.10.10
-
ENTH × SPARK!!SOUND!!SHOW!!
暴動クラブ × 大江慎也
Rei
SUPER BEAVER
ザ・シスターズハイ
KING BROTHERS
PEDRO
YOASOBI
moon drop
オレンジスパイニクラブ
OKAMOTO'S
the cabs
WHISPER OUT LOUD
FRONTIER BACKYARD
LEGO BIG MORL
JON SPENCER
NOMELON NOLEMON
a flood of circle
DOES
水曜日のカンパネラ
FOO FIGHTERS
キタニタツヤ
たかはしほのか(リーガルリリー)
ExWHYZ
MONOEYES
藤森元生(SAKANAMON)
大塚紗英
感覚ピエロ
ZAZEN BOYS×サニーデイ・サービス
East Of Eden
アーバンギャルド
JYOCHO
羊文学
小林私
THE SPELLBOUND
- 2025.10.11
-
終活クラブ
キュウソネコカミ
トンボコープ
Appare!
cinema staff
秋山黄色
YOASOBI
moon drop
コレサワ
OKAMOTO'S
"FM802 MINAMI WHEEL 2025"
KNOCK OUT MONKEY
INORAN
WtB
阿部真央
I Don't Like Mondays.
"京都音楽博覧会2025 in 梅小路公園"
KANA-BOON
ExWHYZ
FRONTIER BACKYARD
androp
カミナリグモ
brainchild's
フレデリック
envy × world's end girlfriend × bacho
"JUNE ROCK FESTIVAL 2025"
East Of Eden
Official髭男dism
藤沢アユミ
豆柴の大群
"TOKYO ISLAND 2025"
- 2025.10.12
-
a flood of circle
キュウソネコカミ
SUPER BEAVER
WtB
キタニタツヤ
セックスマシーン!!
WESSION FESTIVAL 2025
"FM802 MINAMI WHEEL 2025"
INORAN
"京都音楽博覧会2025 in 梅小路公園"
Omoinotake
Bimi
ART-SCHOOL
Official髭男dism
eastern youth
なきごと
"TOKYO ISLAND 2025"
- 2025.10.13
-
WtB
阿部真央
I Don't Like Mondays.
Awesome City Club
ExWHYZ
Appare!
The Biscats
brainchild's
Rei
OKAMOTO'S
秋山黄色
Age Factory
トンボコープ
CYNHN × タイトル未定 × fishbowl
"WESSION FESTIVAL 2025"
岡崎体育
"FM802 MINAMI WHEEL 2025"
シド
SCANDAL
cinema staff
Cody・Lee(李)
コレサワ
ネクライトーキー×ポップしなないで
リュックと添い寝ごはん
eastern youth
hockrockb
Omoinotake
Kroi
PIGGS
清 竜人25
Plastic Tree
ぜんぶ君のせいだ。
LiSA
"TOKYO ISLAND 2025"
- 2025.10.14
-
ASIAN KUNG-FU GENERATION × ASH
ドミコ
THE ORAL CIGARETTES
Hump Back
Survive Said The Prophet × NEE
MONOEYES
ぜんぶ君のせいだ。
超☆社会的サンダル
go!go!vanillas
武瑠 × MAQIA
- 2025.10.15
-
ドミコ
LONGMAN
PEDRO
キュウソネコカミ
MONOEYES
打首獄門同好会
アカシック
HY × マカロニえんぴつ
ポルカドットスティングレイ
藤巻亮太
- 2025.10.16
-
ENTH × SPARK!!SOUND!!SHOW!!
YOASOBI
PEDRO
ASIAN KUNG-FU GENERATION × ASH
"Shimokitazawa SOUND CRUISING presents. サウクルラボ vol.1"
SCANDAL
SIX LOUNGE
brainchild's
- 2025.10.17
-
挫・人間
キュウソネコカミ
打首獄門同好会
アイナ・ジ・エンド
YOASOBI
a flood of circle
ズーカラデル
LONGMAN
chilldspot
otsumami feat.mikan
リュックと添い寝ごはん
コレサワ
神聖かまってちゃん
終活クラブ
NOMELON NOLEMON
ASIAN KUNG-FU GENERATION × ASH
フラワーカンパニーズ
SUPER BEAVER
東京スカパラダイスオーケストラ
BIGMAMA
Bimi
- 2025.10.18
-
TOKYOてふてふ
伊東歌詞太郎
挫・人間
シド
OKAMOTO'S
YONA YONA WEEKENDERS
ENTH × SPARK!!SOUND!!SHOW!!
アイナ・ジ・エンド
moon drop
RADWIMPS
キュウソネコカミ
ぜんぶ君のせいだ。
bokula.
the cabs
SWANKY DOGS
amazarashi
INORAN
WtB
osage
"LIVE AZUMA 2025"
カミナリグモ
Cody・Lee(李)
阿部真央
Newspeak
センチミリメンタル
東京スカパラダイスオーケストラ
Keishi Tanaka × 村松 拓
"ASAGIRI JAM'25"
ズーカラデル
I Don't Like Mondays.
Victoria(MÅNESKIN) ※振替公演
ロザリーナ
the paddles
神聖かまってちゃん
LACCO TOWER
星野源
- 2025.10.19
-
DYGL
リュックと添い寝ごはん
OKAMOTO'S
Age Factory
bokula.
ぜんぶ君のせいだ。
moon drop
コレサワ
TOKYOてふてふ
RADWIMPS
SIX LOUNGE
リリカル / みじんこらっく / とにもかくにも / ティプシーズ / 台所きっちん
SUPER BEAVER
Laura day romance
WtB
Omoinotake
"LIVE AZUMA 2025"
Cody・Lee(李)
ビレッジマンズストア
SPRISE
伊東歌詞太郎
浪漫革命
LUCKY TAPES
ハンブレッダーズ / KANA-BOON / キュウソネコカミ / マカロニえんぴつ ほか
ネクライトーキー×ポップしなないで
Keishi Tanaka × 村松 拓
ナナヲアカリ
"ASAGIRI JAM'25"
高岩 遼
Sou
森 翼
SCANDAL
パピプペポは難しい
osage
星野源
PIGGS
- 2025.10.20
-
打首獄門同好会
ASIAN KUNG-FU GENERATION × ASH
TOKYOてふてふ
TenTwenty
- 2025.10.21
-
The fin.
神聖かまってちゃん
ASIAN KUNG-FU GENERATION × ASH
RELEASE INFO
- 2025.10.08
- 2025.10.10
- 2025.10.11
- 2025.10.12
- 2025.10.13
- 2025.10.14
- 2025.10.15
- 2025.10.17
- 2025.10.19
- 2025.10.22
- 2025.10.24
- 2025.10.26
- 2025.10.29
- 2025.10.30
- 2025.10.31
- 2025.11.05
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
OASIS
Skream! 2025年09月号