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INTERVIEW

Japanese

WtB

2025年06月号掲載

WtB

Member:ehi(Vo/Gt) Nao★(Vo/Ba) mie(Dr/Cho)

Interviewer:フジジュン

2005年結成。今年で結成20周年を迎え、アニバーサリー・イヤーを爆走中のWtB(ex-Who the Bitch)が、実に約11年ぶりとなるオリジナル・アルバム『years』をリリースする。2023年にドラムのmieが加入し、バンド名をWtBへと改名。真正WtBと言える最強メンバー且つ高いモチベーションで臨んだ最新作は、これまで積み上げてきた歴史と支えてくれた人たちへの感謝、そしてこれからも走り続けていく覚悟と気概を込めた渾身の一枚だ。20周年を迎えての気持ち、そして今作に込めた想いを3人にたっぷり訊いた。

これまでストレートに言葉にすることがあまりなかったけど、20周年のアルバムでは正直な気持ちを書こうとすごく考えました


-現在、結成20周年イヤーを爆走中で、20周年記念盤とも言える最新アルバム『years』を完成させたWtB。1月5日にクアトロ(渋谷CLUB QUATTRO)ワンマン("20th Anniversary Oneman episode1")を成功させて、アルバム・リリースを含めた20周年の公約を掲げて自分たちに試練を与えて。さらに強くなるための年でもあるのかな? と思ったのですが、ehiさんは20周年を迎えた感想はいかがですか?

ehi:そうですね、20周年イヤーはお祝いムードで始まった感じじゃなくって。出会ってくれた人や支えてくれた人、対バンさんに対しての感謝の気持ちで進められています。体力的にはなかなか大変ですけど、自分たちが成長できる年でもあると思ってて、とにかくがむしゃらに頑張れてますし、大人だけど今また青春できてるって感じですね。

-20周年を迎えて、青春と言えるのは最高ですね! 20周年をほぼほぼ一緒に過ごしてきたNao★さんはいかがですか?

Nao★:たしかに20年の集大成になるかと思いきや、またここからエンジン入れ直してみたいな年にはなってると思います。嬉しい巡り合わせもあって、昔一緒にやってたバンドとライヴがやれたり、縁のある場所に行けたりしていて。クアトロの後もすごくいいライヴができてるし、それを積み重ねることができてるし。アルバムを録って新たに気合も入って、守りじゃなくて攻めの年になってるなという感じがしています。

-そして、2023年加入のmieさんは、2人と一緒に20周年を迎えていかがですか?

mie:私はサポートを含めて丸3年くらい経ったんですけど、15年くらい前、自分が前にやってたバンドの頃に出会って、"どうしたらWho the Bitchみたいなライヴができるんだろう?"みたいな話をメンバーとしてたくらい尊敬していた先輩で。そんなバンドに入って一緒に演奏してることが、今でもライヴ中に「Superstar」(2010年リリースの1stシングル表題曲)とか「Cherry」(2007年リリースの1stミニ・アルバム『Who the Bitch』収録)とか初期の曲を演奏してるときに、"これ私が叩いてるのヤバくない!?"とか思うくらい嬉しくて。そんな大好きなバンドの20周年にメンバーとして携われて、一緒に録音してアルバムが出せるのがすごく光栄なことだと思うんで、その事実をしっかり噛み締めながら、振り落とされないようにしようと必死になってます。

-でも、2023年にmieさんが加入してくれたからこそ、20周年を最高の状態で迎えられたってところもあるでしょう?

ehi:めちゃくちゃあります! ドラムが正式に入ったのが10年ぶりだったし、3人になったことで固めていかなきゃいけない部分や課題もたくさん見えてきたので。バンドという塊として、意識が同じメンバーと一緒にできるというのはすごく大きかったです。

-グルーヴや演奏面の変化もあったと思いますが、具体的に一番変わったのはどんなところでした?

ehi:mieちゃんは曲の細かい部分まできちんと煮詰めていくのが得意なので、お客さんに伝える上で曲の底上げをしてくれてるというか。楽曲の曖昧だった部分をクリアにして、きちんと組み立てていくっていうことができるようになったし、ライヴの主軸となる演奏の部分でリーダーシップを発揮してくれるから、すごくいいバランスが保てるようになったし。バンドとしてのモチベーションを維持していかなきゃいけないという気持ちの部分も、3人になったことでより高まったのはありますね。

-公式YouTubeで"WtBの控え室"って3人で仲良く雑談してる動画も配信してますけど、ああいうのもすごくいいなと思って。

ehi:あはは(笑)。最近はスケジュール一本一本をこなすんじゃなくて、地に足つけて活動できてるなっていうのを実感していて。疲れたなと思っても、"うちらめっちゃ頑張ってるよね!?"とか励まし合いながら3人で乗り越えていけるのがすごく大きいんです。
昨日(※取材は5月11日)も急遽大阪で友達のピンチ・ヒッターとしてライヴをやってきて([ZORRO presents"COLT DRAGON"])。今日取材もライヴ([WtB pre. Disital Single "yard birds" Release Tour 2025 -EP4- at Marble])もあるから、夜走りで東京に戻ってきて、大変だったんですけど、"友達が困ってるならうちらが出ようよ!"って即決できるのは、今のWtBのグルーヴがめっちゃいいからだと思うし。3人が同じ方向を向いて、ライヴに対して前向きな思いがあって、曲を伝えたいって気持ちがあってというところでしっかり合致してるのを感じてるから、同じ想いで一つ一つの課題に挑めてるのがすごくいいなと感じます。

-そんな充実した20周年イヤーに完成したアルバムですが、フル・アルバムとしては『MUSIC』(2014年リリースの2ndアルバム)以来、実に約11年ぶりの作品となります。完成しての感想はいかがですか?

ehi:しんどかったですね(笑)。アルバムのために全部新曲を書き下ろしたから、長い戦いになりました。去年の2月にミニ・アルバム『Stories』をリリースして、お披露目パーティー("Your My Stories Tour 2024")の時点から曲作りが始まってて......。

-去年の段階で20周年イヤーを見据えて士気が高まってましたよね。

ehi:そうですね。アルバム制作と同時に"10時間81曲ライヴ(三女の礼行脚2024 [10時間全曲ライブ])"とか、自分たちを痛めつけるような企画もやったり(笑)。大変ではありましたけど精神的な成長もできたし、めちゃくちゃいいアルバムができたなという自信はあって。20年前に作った曲もライヴでやるけど、今作ではいろんなことを経て成長してきた自分たちを見せるってところで、しっかり聴かせる曲もあれば、みんなで拳を上げる曲もあって、バラエティに富んだ曲を入れ込めたと思います。

Nao★:約11年前に出した『MUSIC』のときも今の自分たちを出せてると思ってたんですが、完成した『years』を聴いて、今の自分たちをしっかり出せてるし、20年を経てここに辿り着けてるっていうのが、ストンと腑に落ちるアルバムになったなと感じてて。これまでの歴史も新しい部分も全部含めて、20周年に相応しいアルバムになったと思います。

-うん。ここまでの歴史を噛み締めた上で、これからをしっかり見据えて覚悟を決めてという楽曲たちだと思うし、だからこその説得力がものすごくあります。

ehi:そこは自分たちの過去の経験が栄養になって、自然とそうなった部分も大きいけど、ライヴを観に来てくれるお客さんの顔を見て書けていった部分もすごく大きくて。"結局、私はなんでステージに立ってんねや?"と考えたときに、バンドが大好き、演奏が大好きというのももちろんあるんですけど、観に来てくれてる人たちの人生を応援したいという気持ちがものすごくあって、綺麗事抜きで結局それやなとすごく思ったんです。だから、このアルバムを作るとき、誰かの心の隙間に入って、元気になってもらえるような曲を作りたかったし、私の原点はそこなんだということを改めて確信しました。

-WtBの楽曲には"生きるということ"という普遍的なテーマがあって、生きるってことはしんどさや苦労もあるけど、大変さも含めた美しさがあったりして。そんなテーマが根幹にありつつここからの希望もしっかり表現できているし、そう感じるのは今の正直な気持ちがしっかり書けているからだと思いました。

ehi:これまでストレートに言葉にすることがあまりなかったんですけど、うちらの演奏を観て元気になってほしいし、絶対にお土産を持って帰ってほしいし、落ち込んだときに聴いてもらえるアルバムにしたかったので。20周年のアルバムを作ろうと思ったとき、正直な気持ちを書こうというのはすごく考えました。