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INTERVIEW

Japanese

Who the Bitch

2018年04月号掲載

Who the Bitch

Member:ehi(Vo/Gt) Nao★(Vo/Ba)

Interviewer:山口 智男

バンド名に使った"Bitch"という言葉に相応しい、とあるコンセプトを持ったパーティー・バンドとしてスタートしてから13年。様々な経験をしながら、Who the Bitchはエモーショナルな楽曲と等身大のメッセージを大事にするバンドへと進化を遂げてきた。2年の充電期間を経て、2017年2月に復活した彼女たちが全国流通盤としておよそ4年ぶりにリリースする4thミニ・アルバム『Unlimited』では、そんな進化の延長線上で、新たなスタートを切るという手応えもあるという。これまでのキャリアを振り返りながら、バンドが今回どんなふうに生まれ変わったのか、ehiとNao★に訊いた。

-今回、Who the Bitchの音源を初めて聴かせてもらったのですが、勝手な思い込みと先入観があったせいか、意表を突かれてびっくりしました。Who the Bitchの"Bitch"から、もうちょっと違う音楽をやっている人たちなのかなって。

ehi:昔はガレージ要素が結構あって......というか、それで始まっているんです。

-そうですよね。慌ててYouTubeで過去のMVをいくつかチェックしたら、以前の見た目はいかにもロックンロール・ビッチ風で(笑)。

ehi:そうそうそう(笑)。最初は、売れないキャバ嬢がバンドを始めたっていうコンセプトだったんですよ。他愛もない内容の歌ばかり歌っていました(笑)。でも、私が身内を病気で亡くしたり、そのあと、東日本大震災があったりっていう経験がきっかけで、(楽曲を通して)伝えたいことが大きくなってきたので、必然的に歌詞もそういうところを大事にしていきたいと思うようになって、徐々にスタイルが変わってきたんです。ドラムが抜けて、ふたりになって、音楽性も若干変わったところはあるんですけど、メッセージを大事にした歌詞を書きたいと思うようになったことが大きな転機でしたね。

-そんなふうに徐々に変化してきた延長上に今回の作品がある、と。

ehi:前回、2014年10月に出した『MUSIC』ってアルバムも歌モノだし、歌詞もほとんど日本語だし、冗談とか、言葉遊びとかで歌詞を書いていた時期からはその時点で完全に脱皮していましたね。長くやってきたし、それなりに人生、山あり谷ありだったから、そこをやっぱりエモーショナルに出したいという想いは、どんどん強くなってきています。

-結成10周年を迎えた2015年2月から2017年2月まで、2年間活動休止したのはなぜだったんですか?

ehi:本当はやりたかったんですけど、様々な事情で、休まざるを得なかったんですよ。でも、ずっとやりたくて、精神が崩壊しそうでした(笑)。

Nao★:ハハハハ(笑)。待っている立場の私も苦しかったですけど、(ehiは)それ以上に苦しんでいて。だから、とりあえずWho the Bitchを忘れてほしくないと思って、アコースティックでWho the Bitchの曲を歌ったりしながら、活動再開するときには前よりもレベルアップしていたいと思って、そこは病みながらも前向きではいたんですよ。

ehi:Twitterが暗いっていうか、"Nao★ちゃん、大丈夫?"って結構周りから言われてたんですよ。だから、復活のライヴのとき、MCで"これでNao★ちゃんの暗いTwitterも直るでしょう"って言ったら、どっとウケてましたけど、みんなそう思ってたんだって(笑)。

Nao★:でもまぁ、自分なりにはやってたつもりだったんですけど(笑)。

ehi:お互いにな。その間、私も曲は作っていましたし。

-じゃあ、活動を再開したときには、2年間休んだぶん、取り戻そうという想いで?

ehi:新たなスタート感が強いですね。新作でもそう言っているんですけど、自分たちがこれまで経験したこととか、Who the Bitchが活動してきたこととかっていうのはもちろん糧にしながら、2年間の空白があったからこそ、新鮮な気持ちで取り組んで、曲も作れたし、復活してから会場限定シングルを2枚(2017年7月リリースの『リアライズ』、11月リリースの『Bridge』)出しているんですけど、2枚目からサポート・ドラマーが元つしまみれのMIZUEちゃんに変わって、そこも新たな気持ちに切り替えるタイミングで。そういう風が吹いているなって思います。

-音楽的にも新たにってところはあるんですか?

ehi:あるかもしれないですね。前作よりもエモーショナルさがより増していると思います。ドスンと構えて、しっかり地に足を着けて歌いたいという気持ちが強くなってきて、人間の様、生きている様を、しっかりと表現したいんです。お客さんにどういうふうに聴いてもらってもいいんですけど、楽しいだけじゃいやだなって思っているんですよ。私はライヴハウスに行ったとき、自分がお客さんだったら泣きたいんです。涙が本当に出る出ないは別として、かきむしられるような衝動が大事だと思っているから、それをエナジーとして伝えていくことが目標なんです。そういうバンドでいたいって、すごく思うようになってきました。昔は、"ハーイ! ハーイ! ハーイ! いいね!"ってやってたんですよ(笑)。今もたまにやってますけど、それが主軸じゃない。それはやっぱり、身内が亡くなって、そのあとに震災があって、いろいろ感じながら、いろいろなことを考えて曲を作るなかで、もがいていたところであって。それは昔の曲と、新たに作っていきたい方向性のせめぎ合いみたいなところでだったんですけど、今回はそれを全然意識せずに、今やりたいことをやったっていう素直な感じがあります。それはNao★ちゃんも、一緒に作りながら、同じ感覚でいてくれたと思うんですよ。