Japanese
水中スピカ
2025年01月号掲載
Member:千愛(Gt/Vo) 野口 岳寿(Gt) 内田 潤(Ba) しおのむすび(Dr)
Interviewer:山口 哲生
京都発の4人組バンド 水中スピカ。ギター・ヴォーカルの千愛がタッピングしながら紡いでいくポップ且つ美麗なメロディや、ポストロック/マス・ロックを土台にしたバンド・サウンドが話題を集め、完全自主で活動しているなか、日本はもちろん海外公演も開催。昨年行った中国ツアーは全8公演ソールド・アウトとなった。2025年は3rdアルバム『Lux』のリリースやワールド・ツアーを予定しており、さらに多くの音楽ファンの支持を集める飛躍の1年になるだろう。バンドの結成から最新作までじっくりと話を訊いた。
-まずは、水中スピカが始まった経緯からお聞きできればと思います。
千愛:私と元ドラマーの大橋(諒一)が京都の音楽スタジオでバイトしていて。大橋が"バンド一緒にやらない?"って声を掛けてくれて始まったのが水中スピカですね。そこから大橋が当時入っていた軽音楽部から潤ちゃんを連れてきて。その半年後ぐらいに、私が同じ大学の軽音部だった野口を連れてきて4人で活動していたんですけど、最近大橋がやめて、しおのむすびが入りました。
-千愛さんが声を掛けられたとき、こういうバンドをやろうという話をいろいろとされていたんですか?
千愛:全くしてなかったです。"ちょっと音源送ってみてよ"って言われて、今まで作っていた曲を聴かせたら、"いいじゃん、そういう感じの音楽やろうよ"というところから始まったので、"こういうバンドっぽい音楽をしよう"みたいな方向性を決めて始まったわけではなかったですね。
-当時千愛さんが作っていた曲は、例えばマス・ロック的なアプローチとか、タッピングを多用されていたり、透明感があるようなものだったり、今に通じるものもあったりしました?
千愛:違い......ますよね(笑)?
野口:当時はまだピック持ってたもんね?
千愛:うん。まだタッピングはしてなくて。ただ、テクニカルなギターを弾きながら歌うという点では同じでした。メロディ・ラインの雰囲気とかも同じだと思うんですけど、バンド全体の空気感としては全く違うものだったと思います。
野口:あんまりマス・ロックっていう感じではなかったよね。
千愛:当時はマス・ロックもロックもポストロックもよく分かってなくて、本当に自由に作っていただけだったんです。バンドをやっていくうちにその分類を学んで、いろんなことを知って作曲するようになって今の音楽性ができあがっているので、最初は本当に赤ちゃんみたいな(笑)。何も知らないツルツルの状態で、若い女の子が作った曲というのが最初の水中スピカでした。
-ツルツルの状態ではあったけれども、テクニカルなギターを弾きながら歌うのは共通してあったんですね。
千愛:たぶんそれはゲスの極み乙女の川谷絵音(Vo/Gt)さんとか、tricotの影響だと思います。そういう音楽を大学の軽音部でコピーしていたので、その影響がちょっと出てたのかな。
野口:あとはUNCHAINとか。
千愛:そうだね。あとACIDMANも。
野口:"ギター・ヴォーカルなのに、そのフレーズ弾いちゃうの!?"みたいなものに憧れてたんでしょ?
千愛:うん、憧れてた。
野口:僕以外の3人でやっているライヴを観に行ったことがあったんですけど、その頃の曲が、1stアルバム(2021年リリースの『mEq』)に入っている「青い惑星」とか「Chamber」とかで。そこに僕がギターを無理矢理足して、あの形になっているんですけど。だから最初は音数もかなり少なかったし、ギターもリードとバッキングっていう感じじゃなくて、リードとベースとドラムみたいな感じで。
千愛:うん。バッキングがいないバンドって感じでした。
-ひたすら忙しいというか。まぁ、そこは今もそうですけど(笑)。
千愛:そうですね(笑)。
野口:忙しさのベクトルがまた違ってたね。
-潤さんとしては、大橋さんから声を掛けられて、千愛さんが当時作った音源を聴いたときにどう思われました?
内田:当時はそれこそtricotとか、ああいう影響が見える曲だったんで、めっちゃ流行りに乗ってるいい感じの曲だなと思って。で、僕としてはオリジナルのバンドをやりたかったので参加を決めたんですけど、いつの間にかどんどん方向性が変わっていって......いつから変わったのかね?
千愛:思い出せない(笑)。
内田:ほんとに急に今の方向性になったので。
-何か目覚めがあったんですか?
千愛:なんか急に目覚めたんですよ。それまではギターも本当に下手くそで。野口からもそうだし、いろんな人から"ギター下手くそ、ギター下手くそ"ってずっと言われていて、もっとギター頑張ろうと思ってやっていたんですけど、何かを境に急に弾けるようになって(笑)。
内田:送ってきてくれたデモでいきなりタッピングしてて、"え、なんで!?"みたいな感じだった。
野口:「Triage」(『mEq』収録)っていう曲があるんですけど、たぶん僕が入ってから3、4曲目ぐらいにできた曲だったのかな。そこからタッピングが入ってきた感じです。
千愛:今思い出したんですけど、「Triage」を作るタイミングでルーパーにハマってたんですよ。タッピングのリフを弾いて、流して、その上から重ねて、調和の取れたきれいなメロディを作るみたいなことを、朝から晩までひたすらやっていた時期があったんです。それが目覚めだったのかなぁ。
野口:憧れのバンドが急に現れたってわけではないもんね?
千愛:うん。重ねるの面白いなと思って。そのときに遊んで作ったものをSNSに上げてみたらバズったんです。メロディ・ラインを弾いてるギターを2本重ねて、タッピングしてるっていう。それでちょっとハマっちゃったっていうのもあったかもしれない。
-これは自分にとって武器になるかもしれないというのを、朧げながらも少し思ったというか。
千愛:でも、最初はそれがすごいのかどうかもよく分かってなかったんです。それでタッピングしてるところに歌を重ねてみたら、なんかみんなが"すごいすごい!"って言ってくれて、"これ、すごいんだ......?"みたいな(笑)。女性がタッピングすることも、そこに歌が重なることも珍しくて、結構注目されそうなことをしてるっていうことに全然気付いてなかったんです。好きなようにやってたら見てくれる人が増えていったという感じでした。
-特に何かを狙っていたわけではなく、ある種天然でやっていた感じなんですね。しおのさんは最近加入されたわけですが、もともと水中スピカを観ていたんですよね。
しおの:そうですね。私が別でやっているyu'reっていうバンドがあって、去年の初めくらいにそれのレコ発イベントで水中スピカを呼ばせてもらったんです。私は水中スピカいいなと思って誘ったし、そのときに皆さんも知ってくれて、今回千愛さんからお話をいただいた感じです。
野口:大橋がやめた後、僕等としてはどうしよう......って結構なっていて。
千愛:絶望でしたね。
野口:うん。音楽性的にちょっと変わってるので、誰でも叩けるかと言ったらそういうわけでもないというか。水中スピカらしいドラムを叩ける人があんまり思い浮かばなかったんですけど、そのなかでしおのちゃんが挙がってきて。しおのちゃんがやってるyu'reも結構変態な音楽だったんですよ。
しおの:(笑)マス・ロック的な、ずっと変拍子でテクニカルな感じです。
野口:それを叩いてるし、マス・ロックとかポストロックとか、そういうジャンルのドラムをめっちゃコピーしてSNSに上げてて。それも観て、この子以上に合う人はいないんじゃない? ってことで連絡して、一緒にスタジオに入って、最初はサポートからみたいな感じだったんですけど、すぐに"加入します"って言ってくれて。想像以上に早かったよね?
千愛:早かった。ドラマーの知り合いが本当にいなかったから、SNSで募集をかけようかなとも思ってたんですよ。で、見つかるまでは知り合いのサポートで繋いでいこうみたいな感じだったんですけど、やっぱりサポートじゃなくてメンバーとして活動してもらいたいという気持ちがすごくあって。そういう話をしおのちゃんにしてたら"入ります"って言ってくれて、スルッと決まってめでたしめでたし。
野口:テクニック的に申し分ないですし、逆にしおのちゃんのドラムから学ぶことがたくさんある状況になっていて。僕等も頑張っていかなきゃいけないなと。
千愛:お世話になってます。
野口:ありがとうございます。
しおの:(笑)初めてスタジオに一緒に入らせてもらったときに、すごくやりやすくて。音楽性とか好みもすごく似てるし、自分のドラムは(水中)スピカにすごく合うんじゃないかなって自分でも思ったので、スタジオに入った日の夜にLINEで"入らせてください"って送ったんです。最初はあんなに渋ってたのに(笑)。
野口:そうそう(笑)。スタジオ入った後に"自分の中でしっかり考えてから決断させてください"って。
千愛:だから"これは無理やろうなぁ......"って思ってたんです。
野口:どうする? SNSで募集かける? っていう話をしていたら、その5~6時間後ぐらいに"入ります"って。
しおの:本当は即答したかったんですけど、自分がまだ学生なのもあって、両立できるか心配だったし、ちょっといろいろ考えなきゃいけないなと思って。それで"一旦保留で"と表面上では言っていたんですけど、本当は入りたいなって思ってました(笑)。
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