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INTERVIEW

Japanese

AKUMATICA

2024年01月号掲載

AKUMATICA

Member:映由月 弘乃 紗藍 翠那 唯

Interviewer:山口 哲生

-その楽曲も収録されるアルバムを1月にリリースされます。すでにライヴでも披露されている曲が多いと思うんですが、改めて並んでいる曲を見てどんなことを感じますか?

映由月:曲順に関しては"どういうのがいいかな?"って私たちにも聞いていただけたので、それぞれで考えたんです。それがそのまま反映されているわけではないんですけど、私は結構思っていた感じの曲順でしたね。私が組んで出したのは、それこそ渋谷WWWもそうですけど、大きい会場でやったときのセットリストみたいなものをちょっと考えていたんです。例えば「月虹シンドローム」はメンバーで振付を考えたんですけど、結構落ち着いた曲でエモい感じがあるから、ライヴの終盤にその曲が来て、最後にみんなが知っている「瞬間アンビシャス」の明るい感じで終わろうっていう流れになっているのかなって。だから、ひとつのセットリストみたいな感じになっている気がしました。

-翠那さんはアルバムの曲順に関して、ご自身の中でどんなことを考えました?

翠那:私は2パターン考えたんですけど、結構いろいろ考えすぎてしまったというか。今の曲順で「ふたつ星。」と「月虹シンドローム」のところって、ちょっと落ち着いているゾーンというか。一回しんみりさせてからの、最後に「瞬間アンビシャス」でドーン! みたいな感じだと思うんですけど、そういう波をふたつ作ったほうがいいんじゃないかなと思ったので、ここが分散している感じでしたね。「月虹シンドローム」はそれこそエモくて終盤に、みたいなイメージが強いんですけど、それやからあえて真ん中に入れちゃう感じにしたりとか。「瞬間アンビシャス」はライヴでたくさんやっている楽曲やから、AKUMATICAの名刺代わりというか。

映由月:代表曲みたいな。

翠那:そうそう。そういう感じなので、これは最初か最後かなっていうところをあえての真ん中に入れちゃえ! とか(笑)。

-代表曲を真ん中にというのは、だいぶ長い時間考えた感じが出てますね(笑)。

翠那:ははははは(笑)。でも今の曲順を見たときに、いい意味ですごく王道というか。"初めまして! どうぞ、AKUMATICAです!"っていうときに、一番わかりやすくて流れがきれいだなと。やっぱり初めてのアルバムやから、こういうのが一番いいなって。だから考えすぎてたんやろうなぁって(苦笑)、思ったりもしました。

-弘乃さんはどんな流れを考えたんです?

弘乃:私はとりあえず自分が思った順番を書いて、こことここを入れ替えてもいいんじゃないかっていうのをずっとやっていたんですけど、自分の中でこれだ! っていうのがなかなか来なくて。なので、自分の中で期限を決めて"もうここまでにしよう!"っていうのを送ったんですけど、そのときは「ギィーク セット ガニナ?」を最後に置いてました。ライヴが「ギィーク セット ガニナ?」で終わることがわりと多いんですが、「瞬間アンビシャス」と「ギィーク セット ガニナ?」はアガれる曲なんだけど対極というか。「瞬間アンビシャス」は明るいんだけど、「ギィーク セット ガニナ?」はロー強めのドカドカで、でもみんな踊れるし楽しいっていう。それですごい悩んじゃって、そのときは「ギィーク セット ガニナ?」終わりのほうが自分的には好きだなと思って送ったんですけど、今の曲順を見てこれが正解だ! って思いました。

-先ほど映由月さんが、「月虹シンドローム」の振付はみんなで考えたとおっしゃっていましたけど。

翠那:ここ(映由月、翠那)で一緒にっていう感じでした。

映由月:間奏はすいちゃん(翠那)にやってもらって、大枠は私が考えました。

翠那:それぞれが考えたものを持ち寄って、ここはこういうのがいいんちゃうかなぁっていうのを擦り合わせたりとか。あと、映由月がこういうイメージにしたいって言ってくれたりもしていたので、それも落とし込みつつ......っていう感じでしたね。

-映由月さんはどんなイメージをしていたんです?

映由月:あまり踊ろうと思っていなかったので、Aメロは全部移動にしていて。それでまぁ、さっきの移動位置の話なんですけど(笑)。

-あぁ(笑)。立ち位置を間違えられすぎて......という。

映由月:正直、1回間違えるとヤバいやつなんです。まぁ、そういうのを自分で作っちゃったんですけど(苦笑)。あと、サビは手振りだけにしたかったので、手話から引っ張ってきたりとか。現場によりますけど、お客さんには振付を真似してくださる方が多いですし、とにかくみんなでエモーショナルな雰囲気を作りたかったので、初見の人でもできるものにしようと思って考えてました。で、間奏はがっつり踊るっていう。

-弘乃さんはふたりが考えた振付を踊ってみていかがでした?

弘乃:振付師さんから貰う振付とはまた違った雰囲気というか、特徴があって。ふたりもそれぞれ得意なジャンルというか、やっていたダンスが違うので、1曲の中でも振付の雰囲気が違うんですよ。間奏は......バレエみたいな?

翠那:コンテンポラリーに近いようなイメージ。

弘乃:最初はそれが私にはちょっと難しくて。しなやかというか、それこそバレエみたいな動きがすごく難しかったんですけど、いざ踊れると3人がきれいに見えるし。はゆちゃんの振付は移動なんですけど、振りを下ろしてくれる日に紙を持ってきてくれて。何時間考えてたんだっけ?

映由月:もう覚えてない......。

弘乃:結構衝撃的な時間の長さだったんですよね。3人が絶対にぶつからない形になってるんですけど、もう誰がどれなのかわからないぐらい書き込まれたメモを最初に見せてくれて。

映由月:とにかくもうパズルなんですよ。右、上、下とか、昔のゲームの裏技のコマンドみたいな感じで、3人が絶対にぶつからないように組んだんですけど。なんで移動にしたかというと、やっぱりこういう落ち着いた曲って、他のインパクトのある曲と比べてしまうと埋もれがちになっちゃうじゃないですか。ピークに行くまでが長かったりするので。それもあって、最近は主催とか単独でしかやらないというか、対バンのときに埋もれちゃいそうだなと思って。そのなかでもやっぱりインパクトが欲しかったので、全部移動にしました。

-「AKUMATIC RESISTANCE」の振付も映由月さんが考えたそうですが、曲調や歌詞から閃くことが多いんですか?

映由月:振りは自分の中でストーリーを考えてから下ろすことが多いんですけど、「AKUMATIC RESISTANCE」に関しては"自我を持ったAIの暴走"みたいな。それこそ最近(AIに)仕事が取られるとかいろいろありますけど、"RESISTANCE"は反抗っていう意味ですし、歌詞にも"抗う"っていうのがあって。今ってあっちが何を思っているのか、私たちにはちょっとわからないじゃないですか。

-あぁ。AI側が人間側をどう思っているのか。

映由月:そうです。曲の途中にサイレンが聞こえる振りがあるんですけど、あれは自我を持って逃げている感じで。あとは車を運転している振りとかもあって、"3.2.1 Go!"のところがそうなんですけど。で、サビで大暴走するっていう。

-本当にストーリーになっているんですね。

映由月:はい。でもわりとイメージだけ作って、ふたりに話しながら深夜にスタジオで"こういう感じかも"って、ポンポンポンと決めていって。この曲はわりかし早かったです。

-翠那さんは"この振付、自我を持ったAIが暴走するんだけど"という話を最初に聞いて、どう思いました?

翠那:映由月らしいなって思いました。いつも面白いアイディアを出してくれるので、振付に関しても"そうきたか!"と思って、聞いているのがすごい楽しかったです。それこそ深夜練のときに、ちょっとずつ細かい部分が組まれていったんですけど、自分やったらできひんなぁっていうのを感じて楽しかったですし、自分はきれいにまとめちゃう感じなので、そこがすごくいいし。めっちゃ楽しくて、感動で、尊敬しております!

映由月:今のは絶対思ってないですね。

翠那:思ってなかったらわざわざ言わへんから!

-(笑)弘乃さんはいかがでした?

弘乃:テーマを聞いたときに、一瞬ポカンとしました(笑)。はゆちゃんは物事をまっすぐ見るだけじゃなくて、いろんなところから見ていろんな発想を出してくれるので、そういう見方ができるんだって思って。振付としても、それこそちょっと機械的というかカクカクしていて、サビで爆発みたいな。「月虹シンドローム」とはまた違うものになっているので、なんでもできるんです。

映由月:......。

弘乃:信じてないでしょ?

映由月:まぁ、だいたい私は人を疑って生きてるんで。褒められても、なんか企んでるんじゃないかなとか思っちゃう。

翠那:ここはそんなんじゃないから大丈夫よ。

弘乃:何もたからないから安心して(笑)?