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INTERVIEW

Japanese

B.R.T(Blue Rock Thrush)

 

B.R.T(Blue Rock Thrush)

Member:G1(Vo) GON(Gt) 8K(Ba) SAY(Dr) IKU(Key)

Interviewer:山口 哲生

-最新曲の「Forever」は美しいスロー・バラードですが、そういう曲を作ってみたいとG1さんは最初に思っていたと。

G1:はい。この曲を作ったのはもう2年ぐらい前で、日本に来て1年ぐらいの頃でした。その頃にコロナのことがあって、ライヴも少なくなって、メンバーと離れてひとりでいる時間が多かったんです。でも、僕と同じように、日本でもひとりで頑張っている人たちがいて。

-そうですよね。

G1:この歌詞は恋愛の話なんですけど、"永遠"って、永遠というものを信じないと無いと思います。でも、信じると永遠は生まれますよね。例えば恋愛が始まって、まだ付き合ったばかりなのに"結婚しよう!"って気持ちが強くなるときってあるじゃないですか。そういう気持ちを歌いたいなと思ったんです。人にとって愛は絶対に必要だと考えています。それは恋愛だけではなくて、友達にも家族にも愛の言葉を言いたくて。だから、君と付き合ったことで、僕は永遠のことを考えているんですよということを言いたかったんです。

IKU:これはG1さんの曲とか歌詞の本当にいいところだと思います。普通だったら、ライヴもなくなって、外で遊ぶことも難しくなって家にいなきゃいけなくなったら、家で考えるのは"あーしんどい"、"遊びたい"、"お酒飲みたい"ですけど、G1さんは"永遠ってなんだろう......"って考える。僕たちが思っていない、考えていないところを掴んで、"これどう?"って僕たちに見せてくれるから、それをみんなでブラッシュアップして、曲を作っています。

-IKUさんはこの曲をブラッシュアップするときにどんなことを考えていましたか?

IKU:この曲はG1さんじゃないと書けないなと感じたので、G1さんの弾き語りの音源をできるだけ生かすようなアレンジをしようと思って、みんなで一緒にやりました。G1さんだけが持っている感性が、僕らの武器だと思っているので。

-GONさんはいかがでしょうか。ブラッシュアップするときに考えていたことというと。

GON:その曲を聴いた瞬間に思い浮かぶ絵があって。それを自分の楽器で表現してみたいなと感じました。それで、なるべく遠い音を作って、"ここが空ですよ"というイメージを与えようと思って。ギターのパートはそういう表現ができたかなと。

-なるべくシンプルにしつつも、ギター・ソロは厚みを持たせてドラマチックな形にしていますね。

GON:この展開も、ヴォーカルが前で支えてくれないとやっぱりできないことなんですよ。なるべくそれを生かしつつ、みんなも目立つようにしたかったところはあります。

-SAYさんはブラッシュアップするときにどんなことを考えていましたか?

SAY:僕にとってこの曲は挑戦でした。ちょっとマーチングを叩いているところがあるんですけど、あの叩き方ってバラードには合わないんじゃないかと思っていたんです。でも、入れてみたら、あれがビルドアップに似合う感じがありました。僕は"これはダメ"と言われたらやってみる考えが出ないというか、"ダメなものはダメ"みたいな性格なんで、日本に来たのは結構挑戦でもあって。それに似た挑戦をしてみたのが、「Forever」の叩き方です。

-曲に合わないかもしれないと思ったけれど、一度挑戦してみようと思ったし、これまでダメと言われたらやめてしまっていたけど、やってみようと思う人間にもなりつつある、という感じなんですね。では、8Kさんはどうブラッシュアップしようと思っていました?

8K:僕が心に一番響いたのが"愛を叫んであげる"のところで、僕はベースでどういうふうに愛を叫んであげられるかを考えました。最初に"君のコト 愛してるよ"という歌詞がありますけど、それってドキドキする言葉ですよね。それを言う前も言ったあとも言う瞬間もドキドキする。それで"ドクンドクン"っていう心臓の音みたいなベースを弾こうと思いました。それがどんどん強くなって、叫んで爆発するみたいに表現してみました。

G1:8Kはダンサーだったので、身体を使った表現がすごいから、ライヴに来てくれるともっと魅力が感じられるタイプなんですよ。もちろんベースも面白くて、編曲するときもバイクみたいなことをするとか。

8K:この前「全力疾走」という曲のアレンジをしたんですけど、僕はバイクに乗るのが好きで。走る前にエンジンを"ブルルルン"ってするじゃないですか。そういうベースを入れてみようかなと思って弾いてました。

-面白い発想ですね。あと、この曲でG1さんはすごくきれいな声で歌われていますけども、YouTubeでライヴ映像を拝見したら、シャウト交じりで歌うときもあって。歌い方の振り幅がすごくありますよね。

G1:ミュージカル俳優として長年活動してきたんですけど、バンドをやろうと思ってから、頑張って発声を変えようとしたんです。最初は半年ぐらい喉がつらいときもあったんですけど、この人はどうやって発声しているんだろうってYouTubeを観たり、いろんな曲を聴いたりして、今もずっと勉強しています。そしたらいろんな発声ができるようになってきたんですけど、今度はミュージカルの発声に戻すのが難しいなって思うときもありますね(笑)。本当に発声が全然違うので。

-ここからも様々な楽曲を発表されていくと思いますが、みなさんが日本で活動するにあたって、夢や目標はあったんですか?

G1:目標は"東京ドームに行きたい"です。それはいつも言っているんですけど、もうひとつ大事にしたいのは、みんなで音楽しているときは、いつも楽しい時間にしたいですね。練習をしているときも、ライヴをしているときも、全部楽しくなったらいいなと思っていて。それが一番大事なのかなって最近は考えています。

IKU:G1さんが話していたのは、今みたいに楽しく音楽ができたらいいなってことだと思います。なんか、今は楽しくないけどみたいになってたから、すごい言い方だなと思った(笑)。

G1:違う違う(笑)。今みたいに楽しくできたら、東京ドームまで行けるんじゃないかなと思っています。

-G1さん個人として、こういうヴォーカリストになりたい、こういう曲を書いてみたいという夢や目標はありますか?

G1:きれいな声と言っていただけたんですけど、ヴォーカルとして、これを頑張って守って維持して、長く歌っていきたいです。80代になっても歌っていたい。正直言うと、45歳までが喉の調子がマックスらしいんですけど、一生懸命管理して、もしマックスじゃなくなったとしても、楽しくできるように、楽しい気持ちをみんなに伝えることができるようなヴォーカルになりたいです。

-長く歌い続けられるように頑張りたいと。

G1:そうです! 通訳ありがとうございます。すごく短くしてくれた(笑)。

IKU:あんなに長かったのがこんなに短くできる。

-いやいや。その長さにG1さんの思いが込められているわけですから。

G1:おぉー!

8K:一緒です。今日、YouTubeの編集をしてきたんですけど、G1さんが長く話していたことを短くしてきました(笑)。

IKU:ちなみに、これは日本語の実力が足りないから長いんじゃなくて、G1さんは韓国語で話すときも長いです(笑)。

-(笑)そうなんですね。

G1:僕はあんまり喋らないタイプです、本当は。

8K:えっ(笑)!?

G1:本当はひとりでいる時間が好きなので、喋り方があんまり上手じゃないんです。子供の頃から俳優をやっていると、いろんな新しい人と会うじゃないですか。そのときの雰囲気を明るくするために頑張るんですけど、本当はあんまり人と会わないタイプなので、喋るのが上手じゃないです。人と会ったら頑張ります。

-頑張って盛り上げるんですね。8Kさんは個人としての目標や夢はありますか?

8K:ベーシストとしては、僕だけにしか弾けないベースが弾けたらいいなと思っていて、それが夢です。心臓の音とかバイクの音とか、他のベーシストが考えるかわからないので。

G1:そしたらそれはもうできてることにならない?

8K:ははははは(笑)。

-ここからより突き詰めていきたいというところですよね。SAYさんはいかがでしょうか。

SAY:やっぱりドラマーはリズム的にズレなく、安定感が一番大事だと思っています。いつもライヴハウスでは一番後ろですけど、メンバーやお客さん、全部を見られるところにいて。そこからみんなの背中を押してあげる気持ちが最近出てきて、なんていうか......考えすぎてわからなくなってきた。

-ゆっくりで全然大丈夫ですよ。

SAY:指揮者みたいに、メンバーと一緒にひとつの作品を作って、そのライヴの瞬間をひとつの作品としてうまく作りたいです。

-ドラマーとして大事なことですもんね。全体を見ながらという意味ではそれこそ指揮者ですし、みんなを支えるポジションですし。

SAY:とりあえずメンバーがライヴの今この瞬間を楽しんでくれていたら、お客さんも一緒に楽しめると思うので、とりあえず僕たちがその瞬間を楽しく演奏したり、ライヴしたりするのが一番大事だなと思っています。

G1:正直聞いてもいいですか?

-どうしました?

G1:(※自分とSAYを指差しながら)どっちが日本語下手ですか?

8K:はははははは!

G1:(SAYは)僕よりレベルが低い(笑)。

-どうでしょうね......。

8K:正直に! 正直に!

SAY:次の質問に行ってください(笑)。

-(笑)でも、タイプが違いますよね。G1さんは一気にバーっと喋るタイプで、SAYさんは考えながら喋るタイプだから、上手い下手というよりは、喋り方の違いも大きいかなと思いますけど。

SAY:ふたりとも下手くそっていう意味ですか?

一同:はははははは(笑)!

-違いますって(笑)! お世辞じゃなくて、みなさん日本語かなりお上手ですよ! 本当にびっくりしてますから。

G1:ありがとうございます!

-では、IKUさん。夢や目標を教えてください。

IKU:バンドでキーボードっていうポジションは、RPGのヒーラーみたいなポジションだと思うんです。あんまりやりたくない、でもすごく需要はあるっていう。せっかくキーボーディストとしてバンドをやっているから、"このキーボードはB.R.Tのキーボードだ!"みたいに、聴いたらすぐにわかるような人になりたいです。

-初めてです。キーボーディストをヒーラーで例えた人。めちゃくちゃ面白い(笑)。

IKU:バンドやりたい! と思ってキーボードを始める人はいないですよね。キーボードが弾けて、バンドやろうかなっていう人がほとんどだから。

-たしかに。だけど大事なポジションですからね。GONさんの夢や目標というと?

GON:親しいギタリストになりたいです。

-親しい?

GON:はい。"あ、これ弾いてみたい"って思う曲を作るギタリストになりたいです。

-あぁ! なるほど。

GON:まさにソロとかそうですけど、"これいいな"と思ったら弾く方がたまにいて。そうやって自分の作った曲を弾いてくれる方がたくさん増えるように、そういう人になりたいです。

-ありがとうございました。では最後に、読んでいる方に向けてメッセージを、代表してG1さんからお願いします。

G1:日本に住みながらバンド活動をしている韓国人はあまりいないと思うんですけど、そのなかでも日本のメディアに載ることはほとんどないことだと思うので、こうやって載せてもらえて本当に嬉しいです。これからも、小さいことでも大きいことでも、嬉しい気持ちをみなさんと一緒に共有したいので、もしB.R.Tの名前を見たら、"特別だよ!"っていう感じではなくて、普通の気持ちで聴いてもらえるといいなと思います。僕たちは日本にいるので、どこかで会うことができたら、一度僕たちの名前を呼んでもらえたら嬉しいです。