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INTERVIEW

Japanese

26時のマスカレイド × 井上苑子

2022年06月号掲載

26時のマスカレイド × 井上苑子

26時のマスカレイド:江嶋 綾恵梨 吉井 美優 中村 果蓮
井上苑子
インタビュアー:宮﨑 大樹 Photo by 清水舞

-吉井さんからは、井上さんと言えば恋愛ソングとか、そういうイメージやリクエストはあったんですか?

吉井:私は恋愛ソングが好きなので、"好きな苑子ちゃんの曲はこういう歌です"と苑子ちゃんに先に伝えたんですけど、苑子ちゃんが書く曲ならどのテーマも嬉しかったですね。誕生日に掛けて、私の好きな失恋ソングにしてくださったので嬉しかったです。

-制作は、お互いにイメージを伝え合って進めたそうですね。

井上:そうですね。今言っていたような"失恋ソングが好き"とか、そういうのを聞いていった感じなんですけど、ただ、あの......本当に私がマシンガントークしていただけなんです(笑)。

吉井:(笑)"性格とか、過去にあったことを聞きたいからごはんに行こう"みたいな話だったんですけど、苑子ちゃんの話しかしてなくて。"私が歌詞を書くのかな?"とか思いました(笑)。本当に、歌詞を書けるくらいのロング・インタビューで(笑)。

井上:本当にあれは後悔した(笑)。申し訳ないなと思って(笑)。

吉井:苑子ちゃんのすべてを知りました(笑)。

井上:でも、いちおう喋りつつ吉井ちゃんの性格を見ていたつもりではあって。"あんまりわがままとか言うタイプじゃないんだろうな"とか、そういうことを思っていました。だから"主人公の子も、本当は言いたいけど言えないタイプの子にしよう"とか、そういうのは考えましたね。

-吉井さん本人ではないにせよ、人物を投影して作った。

井上:そうですね。曲を作るときはよく映像を思い浮かべるんですけど、その主人公は私の中で顔が見えない人が多くて。昔は少女漫画の好きなキャラがいたから、その子を思い浮かべたりしながら書いていたんですけど、だんだん少女漫画も遠くなっていって、曲を書くときに思い浮かべる人が後ろ姿になることが多くなったんです。でも、今回は吉井ちゃんという明確な人物像があったから、この子が演じているようなイメージができて。だから書いているときには、吉井ちゃんがずっといる感じではありましたね。

-初めて歌詞を読んだときはどうでした?

吉井:3個くらい候補曲があって。どれも良かったんですよ。捨てられなくて。

井上:"どれが良かった?"って連絡したんですよ。そうしたら"どれも良くて......"みたいなことを言ってくれたんです。でも"決めないといけないから!"って(笑)。

吉井:(笑)決めないといけないのはわかっているし、マネージャーさんからも"早く決めてください"みたいに言われたんですけど、"無理でしょ!"って(笑)。

-どれもいい曲だったんですね。

吉井:どれも苑子ちゃんが歌っているんですよ。もうそれが幸せすぎて、"これを世に出さないのか......"と。選ばせてもらった「今日だけ。」は、最初はギターの弾き語りで仮歌を送ってくださったんですけど、1番だけだったんです。"ここから2番はどうなるのかなぁ"とか、いろいろ想像しながら聴いたりして。これで良かったなと思います。

-中村さんと江嶋さんから見て、吉井さんを感じる歌詞だったりするんですか?

中村:"夜中の2時を回って"という歌詞が美優ちゃんぽいです。美優ちゃんは夜のイメージがあって。

江嶋:めっちゃわかる。

中村:そこが美優ちゃんっぽいと思いながら聴いていました。

江嶋:わがままを言わなそう、みたいなのはドンピシャ、絶対そうで。恋愛観は全然知らないけど、"会いたくても、相手に予定があったら言えないんだろうなぁ"みたいな。そういうのはこの歌詞にもあるから、(吉井のことを)わかっているのがすごいなと思いました。私は"星にふざけた名前つけてさ"のところが好きなんです。

井上:そういうの、いいなぁと思って(笑)。自分は恋愛ソングを書くときに、理想を書いちゃうんですよ。1回も経験したことはないですけど、"こういうことをしてくれる男性と出会えたら幸せそうだろうなぁ"と思って。幸せそうなことと、そうじゃないことを考えるのが、今回の自分の中でのテーマでした。

-そのほか、制作で大事にしていたことはありますか?

井上:情景が思い浮かべやすい曲が好きなので、みなさんも景色が思い浮かぶ曲でありたいと思って書きました。それこそ"星にふざけた名前つけてさ"のところとかは、私の中でも映像が浮かんでいたところだったから、好きだと言ってもらえて嬉しいです。

江嶋:どんな名前を付けたんだろうって。

吉井:そこからの、最後に"夜空は まだ見れない"ってところで、星とかを見て遊んでいて、それを思い出して夜空を見れないんだろうなぁ、とか想像できますね。大好きな歌詞はいっぱいあって、"君が決まって観てたテレビがはじまる/誰かと二人で観てるのかな"とか、思っちゃうじゃないですか? あとは"特別な日だけ/抱きしめさせて"とか、歌詞がかわいすぎて。なんて乙女な女の子なんだと思いました。

井上:さっき男って言ってたのに(笑)!

吉井:中身はね(笑)。さっき私がインタビュアーになっていたと言ったんですけど、"あの時間でわかってくださっていたんだ。私も恋愛したらこうなるのかなぁ"とか思って。好きな歌詞が詰まっています。

-最初はギターの弾き語りだったそうですけど、そこから編曲が入ることによってガラッと印象が変わったんじゃないかなと思います。編曲後の仕上がりはどんな印象でしたか?

吉井:最初はギターだけだったので、今よりももっとバラードになると思っていたんですけど、(編曲後の)曲を聴いたときにもっとかわいらしい曲になっていて。生誕祭でファンの人が盛り上がってくれたし、共感してくれる歌詞もいっぱいあったので、私らしい曲になったなと思います。披露してからも"吉井ちゃんっぽい楽曲だったね"と言ってもらうことがありました。"ファンの人は推しに似る"と言うんですけど、私のファンは全員と言っていいほど苑子ちゃんが好きで。初披露したあとに、特典会でファンの人とお話する機会があったんですけど、"私も苑子ちゃんのファンで"という人がほとんど全員でした。

井上:嬉しい。あの日、吉井美優ちゃんファンからフォローされて、めっちゃ嬉しかった。"やったー!"と思って(笑)。

吉井:みんなが好きな曲です。まだ1回しか披露していないので、"もっと聴きたい"と言ってくれて、みんなも愛してくださる曲で良かったです。

-井上さんはクボナオキさんとどんなやりとりをしたんですか?

井上:弾き語りを送って、リモートで打ち合わせをして。"井上さん的に、どんな感じにしたいんですか?"みたいな話も聞かれたんですけど、そもそもアイドルさんの曲ってどういうふうに仕上げたらいいのかわからなかったし、私はクボさんの曲がそもそも好きだし、ニジマスさんの曲もいい曲が多いから、そこの信頼はあったんです。お任せしたいくらいだったので、"かわいい感じの曲にしてもらえたらなんでもいいです"みたいな(笑)。

-信頼しているからこそのオーダーですね。

井上:でも、曲の構成とかは一緒に考えました、自分の曲は、最近2番のAメロにいかない曲とかも多いんです。Aメロ→Bメロ→サビ→Aメロ→Bメロ→サビ→落ちサビ→大サビみたいなオーソドックスな流れがあると思うんですけど、あぁいうものにマンネリを感じていて。何か遊びたいなぁというのは、クボさんも同じ気持ちでいてくださったので、"2Aとかは崩してみてもいいですよね"とか話して、違うリズムとか、語るとか、物語を広げる展開を作ろうとしました。その雰囲気を汲み取って作っていただいた感じですね。

-バラードだけど、上物のキラキラしたあの感じとかは、クボさんらしさを感じました。

井上:うん。イントロ、めっちゃ好きなんですよ。あれが入っているだけで"私が書いた曲じゃない"みたいな。すごく素敵だなと思いました。

-井上さん、クボさん、ニジマス、3アーティストの化学変化が起きたから生まれた曲だと思いましたね。初披露の生誕イベントは、井上さんも来ていたそうで。

井上:すごく良かったです。振付も良くて、みなさんがきれいでした。自分の曲では振付なんてないので、ダンスがつくってすごく新鮮で。吉井ちゃんがセンターとして、ひとりが際立っている感じが振付にもあったから、"いいなぁ、生誕祭だー!"とひとりで思っていました(笑)。

-そのときに、サプライズで花束を渡したそうですね。

井上:きょどっちゃった(笑)。初めてお邪魔する感じだったので、"井上苑子です"と言っても"誰やねん"ってなるかなぁとか。

江嶋:ならんて(笑)!

吉井:みんな驚いていたもん。"なんで出てくれたの?"みたいな。

-(笑)今度はサプライズ登場だけでなく、10月までに対バンも実現してほしいですね。

吉井:えー! そんな豪華なこと!

井上:すごく楽しそう。私、カラオケでニジマスを歌ったりしますもん。このあいだは「ダンデライオン(ダンデライオンに恋を)」(2021年6月配信リリースのシングル)を歌ったかな。

吉井:ヤバい! 苑子ちゃんソロで聴きたい!

中村:録音したい。

江嶋:絶対にいい。「ダンデライオン」、めっちゃ合いそう。

井上:やりたいですよね、対バン。

-なんならコラボとか、曲交換とか。

江嶋:苑子ちゃん、踊ろう(笑)?

井上:頑張りたい!