Japanese
popoq
2021年07月号掲載
Member:上條 渉(Vo/Gt) オグラユウキ(Ba/Cho) 右京(Dr/Cho)
Interviewer:吉羽 さおり
昨年夏に2ndミニ・アルバム『Crystallize』をリリースし、ロック、ニュー・ウェーヴ、シューゲイザーやエレクトロなど吸収したエッセンスでカラフルにバンドの想像力を塗り上げていったpopoq。待望と言える初のフル・アルバム『00』(読み:リンリン)では、そのとどまることのない創作欲を露わに、そして繊細で小さなパーツから丁寧に作り上げていった、美しく生命力溢れる音楽が鳴り響く。コロナ禍での制作、曲作りということで、セッション的な要素は減ったものの、そのぶん個々で音楽や、自身のルーツを突き詰めていく時間、それをいかにして新たなサウンドへと昇華していくかという時間が増えたという。閉塞感のある日常の中で、いかにクリエイティヴを失わずにいるか。その高揚する鼓動や足取りが感じられる。とても美しいアルバムだ。
-力の入った1stアルバムでpopoqのサウンド世界を丁寧に作り上げていったことが伝わる作品です。昨年の後半はこのアルバムの作業が中心の活動ですか。
右京:昨年8月にミニ・アルバム『Crystallize』をリリースしたときには、もう制作は始まっていました。コロナ禍になってツアーなどがなくなってしまったので、とにかく制作に時間をあてていましたね。
-何か思い描いていたアルバムのヴィジョンはありましたか。
右京:一曲一曲ちがうものを作ろうと思っていました。ただ、それぞれアレンジなどのアプローチの仕方はちがうんですけど、基盤となるものは一緒で。メロディとかは自分の中から出てきたものをストレートに表現しているので。
上條:歌が入ることで、ある意味作品としての一貫性というのができたかなと思います。
-コロナ禍で制作の仕方として、これまでの作品とのちがいはありますか。
右京:これまでは曲作りの段階でもバンドでスタジオに入ることが多くて、そこで新たな着想を得て、持ち帰って作業をするというのがあったんですけど。今回はそういうスタジオ作業が減って。自分の音楽についてとか、自分と向き合って作るということがより強くなりましたね。
オグラ:スタジオに入ると、やっぱりセッション的な感覚でできることが多いよね。
右京:1stミニ・アルバム『Essence』(2019年リリース)とかはそうだったよね。
-それとはちがったディテールの詰め方というのができた。
上條:今回は、いい意味での精密さがあったと思います。
-そうですね。popoqの音の小宇宙ができあがっているという感じで、且つそれがちゃんと外にも向いたものになっている。サウンドへのこだわりは存分に感じますが、言葉の強さ、歌の強さ、うちにこもるだけではないメッセージ性がある歌というのが強いなと思いました。歌詞は、今の日常感というのが表れたものが多いですか。
上條:日々くすぶっている気持ちだったりとか、コロナ禍で今まで以上に自分のことを考えたり、見つめ直したりという時間が増えたので。そのなかで滲み出る人間味みたいなものは、知らぬ間に歌詞に入ってきたりしているのかなと思います。
-そういうことでは、アルバムを幕開ける「canvas」の高揚感というのがグッときます。
右京:これはアルバム制作の初期に作っていた曲で、前作『Crystallize』を通してもっと伸ばしたいことが一番反映された曲ですね。絵本のような世界観で、始まりに相応しいというか、開きのある、始まるなっていうメロディだったんです。不自由なことが多かった時期だったから、自由というものを見つめ直すことでできた曲で。僕の中でも思い入れの強い曲になりましたね。
-3拍子でビート感のあるサウンドに、ゆったりと広がりのあるメロディが乗っている。今回は全体的にBPMが高めだと思うんですが、上に乗るメロディで様々な緩急がついた曲が多いですね。
右京:最初にビートを固めてそこにメロディを乗せて、これ気持ちいいねっていうのでまず作っていくんです。今回はそういう作業も、長い時間をかけることができて。ずっと曲に取り掛かっていられるというか......ただそこに没頭してしまうから、精神的には不安定にもなりますよね。だから制作中は、結構気分の浮き沈みがあって。いいメロディが浮かんだときや、たまにバンドでスタジオに入れると気分が持ち直したりもできたので。そういう面では、バンドをやっていること、音楽を続けることの意識っていうのも、再認識した感覚があって。
-ひとりでの作業はしんどくなっちゃうこともある?
右京:コロナ禍でそういうひとりでの作業は増えるだろうなというのは頭ではわかっていましたけど、いざ本当に外に出られない、ライヴもあまりできませんとなったときに、リセットされるような感覚がずっと続いていましたね。でも、それでも残っていくものとか、残したいものってなんだろうって、きっとみんな考えたと思うんです。僕もすごく考えたし。そこで、バンドを続けない選択をしたり、立ち止まる選択をしたりする人もいたし──
上條:活動休止や解散を選んだアーティストもいましたしね。
右京:自分の心の健康のためには、作らないと不安になるし、作ることで不安が払拭されていって。だから、作らないと前に進めないなって(笑)。
-新しい曲を作っても、ライヴという場がないことでリスナーとのキャッチーボールができないことは不安なことも増えそうですよね。制作では、曲ができるたびにふたりに送られてきていたんですか。
オグラ:そうですね。送られてくるデモはいつもいいなって思いましたね、どの曲を聴いてもメロディがすごく良くて、しかも新しい感じだったので。じゃあそこに自分はどういうベースをつけようかなって、5個くらいのパターンを用意して、一番合うなっていうものを入れていますね。最初のデモにもベースの基盤となるものが入ったものが送られてくるんですけど、さらに自分がどう楽曲に味を出そうかというのは、聴きながら考えています。
右京:そういうことを直接言ってこないから。今知れて嬉しいです(笑)。
オグラ:そうですよね、僕もあまり口に出さないタイプだから(笑)。
上條:毎回、毎回、更新してくるんだよね、それまでの曲を。だから、いいものがくるっていうのが当たり前になっちゃっていて。いいと言わずとも暗黙の了解みたいなものでお互いに通じているっていうのをなんとなく作っちゃったところがあるかもしれない。
右京:そうか(笑)。あとは、今回データでやりとりができたのは成長ポイントというか。
オグラ:そうですね。これまで自分がアナログなタイプだったので、デモを貰って耳で聴いて弾くっていう感じでやっていたんですけど。今回はMIDIで送ってもらって、細かくフレーズを分析していって自分で研究して、改めてフレーズをつけるという感じだったんです。
右京:それをすごく細かくやってくれたんですよね。総体的に曲のことを見ているんだなって思えたので。
-ライヴができない点はあったけど、時間が生まれたことで新たな取り組みや、自分を再確認するようなこともできた感じですかね。
オグラ:そうですね。それこそリセットして、ゼロに戻ってみて、今の自分をもう1回再構築するという時間になったなって思いますね。
右京:逆に、できないことがいっぱい見えてきた時間でもありましたね。力量的な面でもそうだし。そういうのを日々気づきながら、進めていって。でも自分の一番の良さというのを伸ばしていこうというのがあって。
-ベースの話では、特に「planet」ではこのベースが入るからこそ、メロディを押し上げる役割をしている感じがありました。美しい曲ですしね。
右京:ありがとうございます。シンセもたくさん使って、星が流れるようなイメージで作っていたので、仮のタイトルを"planet"にしていたんです。
上條:その仮タイトルから、自分は夜をイメージして、そこに星があって、その星に向かっていくイメージ、新たな星に向かっていくイメージで書いた歌詞でした。
-リズムがトライバルな感じがあるのは、新たなところに向かう躍動感が反映されているんですかね。
右京:今作のアルバムが"00"と書いて"リンリン"というタイトルなんですけど、それは何度もリセットされて、リセットすることの連続だったからという意味合いもあるんですけど、同時にいろんな振り返りをするなかで特に自分が多感に過ごしてきた"00年代"も意識するようになって。あの頃は、すごく元気があったなというイメージがあって。
オグラ:たしかに、00年代は活気があったよね。
右京:これは関係ないかもしれないけど、ノストラダムスの大予言があって、そこを経て1から始まるみたいな流れがあったから。それは今の感じにも近いような感覚があるんですよね。そういう00年代のエネルギーを貰ったので。曲のリファレンスとかもそういったところからというのはありました。
-新しく生まれていく、新しいことを起こしていくその胎動感だったんですね。この「planet」を含め、今作の歌詞は右京さんと上條さんのふたりのクレジットの曲が多いですが、どういうやりとりになっていたんですか。
右京:最初に仮タイトルも付けてざっと書いて、書ききれてないところを改めて言葉選びをしていった感じですね。
上條:今回はより密に歌詞についての話をしています。お互い、このワードはどうだろうとか、僕が行き詰まっている部分を右京が補足したり、直したりしたことが多かったですね。
-シンプルな言葉が多いように思うし、伝えようという意識も感じます。
上條:伝えやすくするというよりは、どうやれば伝わるかなって考えて構築していったという感じですかね。
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