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INTERVIEW

Japanese

MELiSSA

2020年08月号掲載

MELiSSA

Member:PARU BAYASHi MUTSUMi HANAMi AiNA MiSAKi YU-Ki

Interviewer:宮﨑 大樹

アイドル・グループ アイドルカレッジから派生したロック・ユニット、MELiSSA。3月にメンバーのAYUが卒業、5月にAiNA、MiSAKi、YU-Kiの3人を加えて7人体制となった新生MELiSSAが、1stアルバム『GATHERWAY』をリリースした。本作にはBiSHをはじめとするWACK所属アーティストに曲を提供していることで知られる、松隈ケンタ率いるSCRAMBLESによる作品など、ライヴで威力を発揮しそうなナンバーが揃った。今回Skream!初登場の彼女たちにインタビューを敢行。新体制になった現在のMELiSSAのモードや、1stアルバム『GATHERWAY』について訊いた。


MELiSSAはMELiSSAとして、私たちらしくやっていきたい


-Skream!初登場なので、おひとりずつ自己紹介をお願いします。それぞれ突っ込みたくなる担当があるようですが。

PARU:"ドSカウンセラー"担当、リーダーのPARUと申します。私はどうやらSっ気が強いらしく、私のファンはみんなドMなんですよ。"キモい"とか"帰れ"とか言っても喜んで帰っていく人が多いので、そういう人のカウンセリング担当という意味も込めて名付けられました。でも、このインタビューでは失礼のないようにします(笑)。

BAYASHi:"真面目"を担当しているBAYASHiです。この髪色なので"いやいやいや!"って言われるんですけど、中身は意外と真面目でして。

MUTSUMi:"こう見えて人見知り"担当のMUTSUMiです。私はパーソナル・スペースがなくて、"すごくフレンドリーだよね"って言われるんですよ。だけど、実は自分の中ですごく人見知りで、目も合わせられないので"こう見えて人見知り"担当にしました。なので今はすごく頑張って話してます(笑)。

HANAMi:"レジ打ち"担当のHANAMiです。スーパーのレジでバイトしていたときに、レジ打ちの速さが毎月1位だったんですよ。レジ打ちが得意だなと思って"レジ打ち"担当にしました。MELiSSAでレジ打ちを生かすことは今のところありません(笑)。

AiNA:"時速120㎞担当"担当のAiNAです。新メンバーとして入らせていただいたんですけど、新メンバーでも時速120キロぐらいの勢いがあるんだよという意味で付けました。

MiSAKi:新メンバーとして加入したMiSAKiです。"ピーマンの肉詰め"を担当しています。ロールキャベツみたいに、見た目は草食だけど中身は肉食っていうイメージの担当名をつけたくて、でも"ロールキャベツ担当"だとちょっと普通だったのでピーマンの肉詰めにしました。ちなみにピーマンの肉詰めっていうのはAiNAが出してくれたんですよ。

-"ロールキャベツ担当"も全然普通じゃないですけどね......(笑)。では最後にYU-Kiさんお願いします。

YU-Ki:"スイミー"担当ゆうきです。"スイミー"っていう物語があるじゃないですか? 私は昔から集団行動が得意じゃなくて、単独行動が多かったんですけど、そういうタイプの私が"スイミー"の物語のように一致団結して頑張る、みたいな。そういう意味を込めて"スイミー"担当にしました。

-MELiSSAはアイドルカレッジの派生ユニットとして2019年4月から活動をスタートしましたけど、音楽的にはアイドルカレッジからガラリと変わってロック色が強くなりましたよね。初期メンバー(PARU、BAYASHi、MUTSUMi、HANAMi)のみなさんはロック・ユニットとして1年ちょっとやってみての手応えはどうですか?

PARU:私自身はアイドルカレッジとしても5年くらいやってきているんですけど、もともとは王道のアイドルが好きだったんです。MELiSSAが始まるくらいのときには、BiSHさんとかロック系のアイドルが流行っていた時期だったので、興味はあるかなっていうくらいで。だからロック・バンドのライヴとか、バンドが好きとかっていうことは正直なかったので"アイドルカレッジからチームを分けます。あなたはロックをやります"って言われたときには"できるかな?"っていう気持ちはありましたね。

-やはり不安があったと。

PARU:実際に始めてみると、レコーディングの仕方とかもまるで違いました。アイカレ(アイドルカレッジ)ではユニゾンをよくやるんですけど、MELiSSAでは個性を出すようにしています。例えば私だったら"エロく歌って"と言われて、ひたすらエロい妄想をしながらレコーディングをしていたりするんです(笑)。同じアイドルという括りの中でも、すべてが新鮮だったし、毎回が発見と驚きという感じでした。MELiSSAとして1年やってきて、もうひとりの自分が生まれたような気がしています。それに新メンバー3人が入って雰囲気がガラッと変わって、まったく別の場所になりました。前までは派生グループという気持ちでやっていたんですけど、MELiSSAはMELiSSAとして、私たちらしくやっていきたいですね。

-BAYASHiさん、MUTSUMiさん、HANAMiさんは、MELiSSAとして活動してきての手応えはどうですか?

BAYASHi:アイドルカレッジでは髪も染めちゃいけないとか結構厳しかったんです。でもこのMELiSSAをやることになって、ヴィジュアルを変えたりして、自分の個性を出せるようになってきました。もともとアイドルカレッジのメンバーだけでMELiSSAをやっていたので、区別をつけるのが難しかったんです。でも今は新メンバー3人が入ってきてくれて、グループとしても自分としても第2章みたいな気分でやれていますね。

HANAMi:私はアイドルカレッジの前にもロックな感じのグループをやっていて、だからMELiSSAに選ばれたときも"またロックができるんだ"ってすごく嬉しかったです。MELiSSAに入って"ロックをずっとやっていきたい"って感じました。新メンバーからは私たちも見習う部分があったし、これからこの7人でお互いに高めていけたらいいなと思います。

MUTSUMi:アイドルカレッジからロック系とかわいい系で分かれると聞いたんですけど、私はロックな様子もないし"オラオラ"ってできないので、かわいい系だろうなって思っていたんですよ。そうしたら"ロックです"って言われてびっくりしました。そこからロックの歌い方を勉強したんですけど、そうしたらすごく奥が深くて、頑張ろうって思えたのがMELiSSAでのスタートで。MELiSSAとしてやっていくにつれて、今まで自分がしてこなかったような表情とか歌い方とか、パフォーマンスの仕方とかを見つけることができて、とてもいい人生だったなって感じです。

一同:(笑)

-まだまだ人生は長いと思いますよ(笑)。AiNAさん、MiSAKiさん、YU-Kiさんはオーディションで2020年5月28日に加入していますけど、なぜMELiSSAのオーディションを受けようと思ったんですか?

AiNA:もともと私はアイドルをやっていたんですけど、どこのグループにいても長く続けることができなかったんです。それは結局全部自分が悪くて、そういう自分を変えたいなと思いながらオーディションを探していたものの、めちゃくちゃ落ちまくっていて。私は愛知県出身なんですけど、本当にお金もなしに東京に飛び出してきたんです。東京に飛び出したけど、職もないニートみたいな感じで。それでも自分の好きな歌を歌いたいなって思ってオーディションを探していたら、ちょうどMELiSSAの募集を見つけました。BiSHさんとかBiSさんとか、歌に魂を込めている人たちがすごく好きだったんですけど、MELiSSAの音楽だったら自分の人生を変えられるし、自分のやりたいことをできるグループだと思ったから、オーディションを受けてみようと。それで合格した感じです。今は人生がやっと楽しくなりました。

MiSAKi:私は音楽がすごく好きで、軽音楽部に入っていたこともあるし、吹奏楽も歌もやっていたんですよ。かわいいアイドルよりカッコいいロックな感じが好きだったので、そういうグループを探していました。でもアイドルはかわいいグループばっかりで、なかなか受けたいオーディションが見つけられなかったんです。なので今年の4月から就職して働く予定だったんですけど、3月にMELiSSAのオーディションを見つけて、SoundCloudで楽曲を聴いてみたらすごくタイプだったんですよ。ここだったら自分のやりたいことができると思って、最後の賭けとしてオーディションを受けて、そうして今に至る感じです。

PARU:それって内定を貰ってたってこと?

MiSAKi:貰ってました。3月末ぐらいに電話して"すみません辞退します"って。

PARU:ヤバ! それは嬉しい。

YU-Ki:私は中学生のころから音楽をやっていて、小学校から中学校に上がるときには歌手になりたいっていう夢がありました。中学から大学4年まで音楽の学校にも通っていて、大学卒業と同時に東京に出てきたんですけど、正直うまくいかなくて。もう無理だな、芸能界を諦めようと思ってレーベルで仕事を始めたんです。そうしてこういう取材とかを横で見ているうちに、やっぱりやりたいなっていう気持ちが出てきて、そのときにたまたまMELiSSAのオーディションを見つけました。歌を重視して見てくれるって書いてあって、ここで無理だったら諦めようと思って受けた感じで。合格して、入ろうか迷っていたんですけど、レコード会社の先輩方が"行っておいで"って言ってくれて、今ここにいます。

-みなさん覚悟と決意を持ってMELiSSAに入っていることがわかりました。新体制のお披露目は無観客ライヴ("IDOL CONTENT EXPO ~ STAY HOME with 無観客LIVE Vol.1")でしたよね? この時期に新体制でスタートするということで、先行きが見えないなか不安も緊張もあったと思うんですけど、お披露目にあたってはどんな気持ちでした?

PARU:新型コロナウイルスの影響で、レッスンを以前からできていたわけではなくて、お披露目日が決まって1週間くらい前から詰め込んだんですけど、みんな本当に物覚えが良くて。新しくメンバーが入るときって正直どうなるかわからないじゃないですか? 微妙になるときもあるし、良くなるときもあるし、不安になることもあったんですけど、今回はそんなものは全然なくて。むしろ早く観てほしいというか、自信を持ってお披露目に臨めました。

MiSAKi:ライヴ自体はすごく楽しみだったし、楽しんでやろうという気持ちで臨めたんですけど、ファンの人の反応がどうなのかなっていうのは一番不安に思っていて。今まではAYU(※2020年3月脱退)さんがいた5人のMELiSSAに働き蜂(※MELiSSAファンの総称)のみなさんがついていたのに、全然違う3人が来て受け入れてもらえるのかなっていう不安がそのときは強かったなと。AYUさんがいるMELiSSAじゃないと嫌だとか、これじゃ受け入れられないとか、そういう否定的な言葉を言われるんじゃないかっていう不安が私の中ではありました。

-実際にお披露目してみての反応はどうでした?

MiSAKi:ライヴのあとにTwitterを開設して、"新メンバーのMiSAKiです"って言ったらコメントがすごく来たんです。"期待できる"とか"頑張って"というリプがいっぱい並んでいて、"いいね"も拡散もしてくださったので、受け入れられてるのかなと思いました。

-いい結果になったということですね。MELiSSAが新体制になって、ここが一番変わったなと思うところはどこですか?

MUTSUMi:はい! 見た目です(笑)! 人数が多くなって、髪色のバリエーションが増えました(笑)。

PARU:集合場所でめっちゃ見つけやすいんですよ(笑)。見た目もそうですけど、ライヴをしているときの厚みというか、3人とも個性的でいい声をしているので、ライヴをしていても変わった感じがします。

-たしかに今回のアルバムの"RED盤"と"BLUE盤"でそれぞれ同じ曲の5人体制バージョンと新体制の7人バージョンの2パターンが収録されている曲がありますけど、新体制バージョンは個性が際立っている感じがしました。個性で言うと、プロデューサーの古川朋久さんは松隈ケンタ氏に影響を受けていることも公言していて、ロック・サウンドでユニゾンを使わなくて、という共通点もあります。その中でMELiSSAならではの魅力、個性はどんなところにあると思いますか?

AiNA:めちゃくちゃ仲がいいと思います。今までにないくらい仲のいいグループだなって。ここにいるのが申し訳なくなるくらい先輩方もすごく優しいんですよ。私たちがわからないところも1から丁寧に教えてくれたりとかして、ちゃんとコミュニケーションもメンバー間で取れているので、そのぶんパフォーマンスも団結していると思います。そういうところはMELiSSAのいいところだなと。

MUTSUMi:私は、全員の声が個性的なところじゃないかなって思います。かわいい歌声の人もいれば、妖艶な歌声の人も、力強い歌声の人もいて、みんなカラーが出ていて誰が歌っているのかしっかりわかる感じです。それがロックのサウンドに乗って、7人にしか出せないロックになってるので、そこがMELiSSAの魅力じゃないかなって思います。