Japanese
MOSHIMO
2020年03月号掲載
Member:岩淵 紗貴(Vo/Gt) 一瀬 貴之(Gt)
Interviewer:三木 あゆみ
-また、「TOKYO」は前の2曲と雰囲気が変わり、終電間際の渋谷で、都会のごちゃごちゃしてる感じとか、喧騒の中でふと感じる孤独みたいなものが、感じられました。これは誰か違う主人公がいるのかなとも思いましたが、実際にはいかがですか。
岩淵:これは、メンバーが抜けるってなって、自分がいろんなところに挨拶しにいってたときのことを書いたもので。良くしてくれていた方に、現状を説明して、前向きに進んでいくので、今後もよろしくお願いしますっていう話をしたのが、渋谷のビルの27階だったんです。パッと窓のほうを見たら、人がすごく小さく見えて、ゴミみたいだなって思って。私もこのゴミみたいなのの一部なのかなって思ったら、こんなこと対したことじゃない、乗り越えられるでしょ! っていうポジティヴな気持ちに変わったんです。そのときの自分の心情を書いた曲ですね。
-ご自身のことを書かれていたんですね。続く「シンクロ」では、前作の「美女と野獣の逆はないよね」でも出てきた、"コラム"という歌詞が出てくると思うんですけど、あまり歌詞で使われない言葉な気がして、新鮮で引っ掛かっていたんです。歌詞になる言葉はどこから出てきているのでしょうか。
岩淵:いやぁ、これバカな考えかもしれないんですけど、好きな人ができたら、"こういう態度をしたら男は落ちる"みたいなコラムを読んじゃうんですよ(笑)。ネットで出てるやつとかで"男ウケのいい服"とか、あるじゃないですか! で、それを見るたびに自信もなくなるし、こんなんは顔面偏差値高い人にしかできないし、こんなの通用するかよ! って思うんですよね。でも、ちょっと真似してみようとか、星占いで"彼は運命の人!?"みたいなのがあったらしちゃうじゃないですか(笑)。
-わかります(笑)。
岩淵:私がやってるってことは、他にも見てる女の子は少なからずいるって思っていて(笑)。
一瀬:意外と好きだよね、占いとかも。
岩淵:そう(笑)。でも、やってるうちに自分らしくないなって感じたりして。"こういうのは男に嫌われる"とか見ると"うるせぇ!"みたいに思うんですよね(笑)。
一瀬:でも、いいことは信じるじゃん(笑)。
岩淵:(笑)文句言いながらも、やっぱりそういうのが好きだから見ちゃうんですよ。だけど、ちょっとでも彼に良く思われたいから、参考にしようとする自分もいちゃったりして。だから歌詞には、本当に実際に自分がしてること、あったことを入れてる感じで、素直に書いてるだけなんです。
-ちなみに、一瀬さんは占いとか好きじゃないんですか?
一瀬:この前行ったよね。お酒飲んだあとに友達みんなで、ノリで行ったんですよ。あれは面白かったですね。
岩淵:自分ブースに行ってないじゃん! 友達が占ってもらっているのを盗み聞きして、笑ってた(笑)。
一瀬:そう、俺は聞いてただけで。でも、すっごく楽しかったです。
岩淵:意外に気になるやろ?
一瀬:たしかにそう言われると、ちょっと気になる(笑)。
-(笑)歌詞の話に戻りますが、気になった言葉は普段から書き留めたりするんですか。
岩淵:ふとした瞬間に浮かんだ言葉とか、本で出てきた言葉とかは録音したり、ノートに書いたりしてますね。結構本から影響受けることも多くて。私、夏目漱石とか、天体ものの本とかが大好きで。星座とか、宇宙とか、ミステリアスな感じのものが好きなんです。神話を織り交ぜて作るとかもしますね。
一瀬:僕は本とかはあんまり読まないんですけど、曲は浮かんだらすぐにボイスメモに録ってますね。あとは人の話を聞いたりとかして――
岩淵:イッチー(一瀬)って、女の子のだらだらしたオチのない話とか、ずっと聞けるよね。それが曲になったりするし。
一瀬:それをエサにして。
岩淵:エサとか言ったらだめでしょ(笑)。
-自分の経験だけでなく、人から聞いた話も織り交ぜているんですね。
一瀬:曲の0~1のフックは僕が作ることが多いんですけど、そういうところから作ってみたりしますね。そのあとは岩淵に任せて、実体験をもとに作っていくみたいな。それで、岩淵が納得する形になるように肉づけしていく感じが多いです。だから、ほぼ実体験が多いよね。
岩淵:いや......違うよ。(仮)だよ。
一瀬:認めたくない(笑)。
-ということは、「バンドマン」での、バンドマンへの想いも実際に思っていることから来ていますか?
岩淵:(笑)そうです、私ギタリストを好きになりがちで。魅力的なフレーズとか、自分の好きな音とかを出されると、全然タイプじゃないのに、"あぁなんかかっこいい! 王子~!"ってなっちゃうんですよ(笑)。マジックがかかって。ありますよね?
-ステージに上がるとなぜかかっこ良く見えるとかってありますよね(笑)。
岩淵:そうですよね! ステージから降りてきても、そのマジックにかかってるから、"あの音出してた人だ、素敵~!"って思っちゃう。
-一瀬さんも素敵なギタリストですよ。
岩淵:イッチーはまぁ、素敵だとは思うけど......ごめんね。
一瀬:こちらこそ。
-(笑)最後の叫んでいる部分、"カッティングが上手なギタリストが好き"って言っています? 歌詞には書いてなかったのですが、アドリブで入れたんですか?
岩淵:そうです(笑)。あれはテンションがぶち上がって、おりゃ! って叫んだテイクをそのまま使いました。私の本心はなんだろうと考えてみて、パーン! と(笑)。
-想いが溢れてますね(笑)。「バンドマン」はこれぞライヴ・チューンと言えるナンバーで、ライヴで人気の出そうな曲だなと思いました。コール&レスポンスの場面などもありましたが、レコーディングの風景が気になります。
一瀬:これはせーので録ったんです。別々できれいに録るんじゃなくて、わざと高校生バンドみたいにぐちゃぐちゃに録ろうってなって。
岩淵:IQ低めに行こうってね(笑)。
一瀬:ドラムとかもきれいにセパレートして交ぜていくっていうよりは、マイクとかもライヴに近いものをチョイスしたり、ミックスもライヴにより近いものにしたりして。
岩淵:コール&レスポンスのところはその場にいる人や友達みんなを呼んで、エンジニアさんも入ってくれて、みんなで"バンド!"とか叫ぶっていう(笑)。楽しかったですね。
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