Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

INTERVIEW

Japanese

MOSHIMO

2020年03月号掲載

MOSHIMO

メンバー:岩淵 紗貴(Vo/Gt) 一瀬 貴之(Gt)

インタビュアー:三木 あゆみ

主催フェス"MOSHIFES"の開催からアルバムのリリース、全国ツアー、そしてメンバーの脱退発表など、怒濤の2019年を突っ走ってきたMOSHIMOが、3月18日に2020年一発目となるニュー・アルバム『噛む』をリリース。本作は、KEYTALK、Benthamらを輩出した下北沢の老舗インディー・レーベル、KOGA RECORDS内に自身のプライベート・レーベル"Noisy"を設立し、リリースされるもので、楽曲はもちろん、アートワークやMVなど細部までこだわったセルフ・プロデュース作品となっている。固い信念で、どんな向かい風でも前に進んでいくようなパワーに満ちた今作には、困難を乗り越えたリアルタイムの心情や、聴いてくれる人への想いが詰まっていた。アルバムや今の心境についてなど、メンバーふたりに話を訊いた。

-昨年2019年は、3月に"MOSHIFES.2019"開催とアルバム『TODOME』のリリース、5月よりツアー"猫かぶるのヤメマシタ"の開催、そして11月にメンバー脱退の発表などもあり、MOSHIMOにとって目まぐるしい1年だったのではないかなと思います。改めて振り返ってみて、どんな1年でしたか?

岩淵:自分の中では、ガッツのあった1年だったなと思っていて。いいことも悪いことも同時にやってきたけど、後ろ向きに考えることはなかったかな。自分がどうやったらなりたい自分になれるのかとか、どうやったらお客さんと繋がれるライヴができるかなとか、そういうことを思いながら過ごした1年でした。

一瀬:去年はいろんなところで、新しいお客さんやファンの方たちと会う機会が多くて。そういった意味ではバンドが成長した1年だったなと思いますね。

-11月にメンバーの脱退が発表されたときも前向きなコメントをされていたりして、バンドに対する強い意志が感じられたのですが、発表のタイミングではやはり大変なことも多かったのではないでしょうか。

岩淵:でも、バンドをやめようという考えにはならなかったんです。"次、MOSHIMOをどうしていこう?"っていう考えにすぐになって。私は、MOSHIMOに対しての責任みたいなのがほかの誰よりも強いと思っているし、これは間違ってなかったというふうに思います。けどやっぱり、そのときはショックで2週間くらいぼーっとしていることもあって、正直家で泣いてた時間もあったんですよ。でもそういうときに、助けてくれたバンドの先輩や仲間に、どうしようってただ漠然と話を聞いてもらうだけで、次これをこうしたほうがいいとか、自分たちがバンドを止めないためにどうしたらいいかとか、冷静に周りが見えるようになったりして。今回のリリース発表まで、本当にたくさんの人に支えてもらって、新しい人たちにも出会って、自分よがりじゃなくて、みんなでハッピーになっていけるチームを、どうやったら作っていけるかを考えられた3ヶ月だったので、すごく成長できました。

-そんな岩淵さんの姿を近くで見られていた一瀬さんはいかがでしたか。

一瀬:僕もどうしようとは思ったんですけど、MOSHIMOを続けたい想いがあったので、すぐにバンドを会社にしなきゃっていうふうに考えたんです。そこから、自分たちでやっていくっていう気持ちで、プライベート・レーベル"Noisy"を立ち上げて。で、KOGA RECORDSの古閑さんやコロムビア(日本コロムビア)の方とか、新しい方たちとの出会いもあったので、"これはバンドにとってプラスになっているんじゃないか"とか、"いい方向に行ってるんじゃないかな"って思えたんです。それをパワーに変えて頑張っていこうと。なので、ネガティヴな気持ちは全然なかったですね。

-なるほど。では、レーベルを立ち上げたのは前に進んでいこうって想いがきっかけで、作られたものだったのですね。

一瀬:はい。あとは、今の時代、お客さんとアーティストが近い距離にあるので、どこかの大きい会社に所属しなきゃみたいなことよりも、"届けること"を先に考えていたっていうのがありますね。

-また、昨年初開催となった"MOSHIFES.2019"についても少しお話をうかがいたいです。KEYTALK、フレンズなど豪華なメンツが集まったイベントでしたが、どんなイベントだったのでしょうか。

岩淵:"MOSHIFES"は、地元の福岡に、アーティストが自分たちで発信するようなフェスがあんまりないなって思ったことがきっかけで、東京に出てきてから地元のありがたさもわかったし、ゆくゆくは大きいフェスにして福岡、九州を盛り上げていけるようなバンドになりたいなと思って立ち上げたんです。で、バンドマンの友達に、"第1回目だし力不足なとこもあるかもしれないけど、今後野外でやれるようなフェスにしたい、自分たちの居場所みたいな長続きするイベントを作りたい、だから、一緒にやってくれませんか"って声を掛けていったら、すぐに引き受けてくれて。そうやってできあがったフェスだったんです。

-そうだったんですね。

岩淵:その"MOSHIFES"なんですけど、実は今年2月にやる予定だったんですよ。Zepp Fukuokaも押さえて、誘ってOKを貰ってたバンドもいたんですけど、その前にメンバーが抜けるっていう話があったから、あまり無責任なことはできないってなって、今回は見送ることになりました。それが一番、マジで死ぬほど悔しかったんですけど、OK貰ってたバンドにもごめんなさいってすぐに電話をして。"来年やり直したいのでよろしくお願いします"って伝えましたね。

-それは......相当悔しい決断でしたよね。

岩淵:マジで悔しい。やっぱり、続けることが一番難しいってわかってはいるんですけど、1回立ち上げたものを止めるって、何より私のプライドが許さなかったし、ほんとに悔しくて。クソっ! って思った瞬間でしたね。

-ぜひ、来年からまた"MOSHIFES"を復活させて、大きなイベントにしていっていただきたいです。それも含めて、2020年の活動に対する想いはかなり強いものなのかなと思いますが、今年一発目のリリースとなるのが今作『噛む』となります。まず、このジャケットを見たときに、以前よりもロック、パンク系の強い感じが表れているなと感じました。前作の『TODOME』にも通ずる要素があるのかなと思ったのですが。

一瀬:そうですね、「電光石火ジェラシー」(2018年リリースのデジタル・シングル)のジャケットからこういうテイストで。その前まではデザイナーさんにお願いして作ってもらうことが多かったりしたんですけど、「電光石火ジェラシー」あたりから、自分たちで思っていることや曲の雰囲気とかをアウトプットするときに、ミュージック・ビデオとか、アートワークまで全部自分たちでやりたいなって思うようになったんです。自分たちでモデルをInstagramで探してオファーして、デザインもある程度自分たちで作ってからデザイナーさんに投げるようにして。なので、前のアートワークと比べてテイストも変わったのは、自分たちでやり始めたからかなと。

-アートワークもそうなのですが、今作のサウンドに関しても強めな、ロックンロール的な要素がより色濃く出ているように感じられました。今作を制作するにあたって何か意識されていたりするのでしょうか。

一瀬:もともとロック・バンドですし、特に意識はしてなかったですね。ライヴを楽しくするものにできたらいいなと。あとは、メンバーが抜けることとかがあって、今の自分たちの状況を反映させる曲というか、今の自分たちにしか書けないものを書こうと思って。前作は結構楽しい曲も多かったんですけど、今回は楽しい曲もありつつ、今の自分たちの心境を落とし込んだ曲になってますね。