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INTERVIEW

Japanese

ACE COLLECTION

 

ACE COLLECTION

Member:たつや◎(Vo/Gt) LIKI(Gt) 奏(Ba) RIKU(Dr)

Interviewer:山口 智男

YouTubeから火がついた人気を足掛かりに、頭角を現してきた4人組ロック・バンド、ACE COLLECTIONがいよいよメジャー・デビュー。4月8日にリリースするメジャー・デビュー・ミニ・アルバム『L.O.V.E.』は、王道の哀愁メロディとグルーヴを軸にバンドの魅力と可能性をぎゅっと凝縮しながら、収録されている8曲すべてが挑戦だったとメンバーたちは胸を張る。つまり、1枚目だから名刺代わりの作品で反応を窺おうなんて考えはこれっぽっちもなかったわけだ。デビューから攻めていこうというバンドの心意気と共に、伸び盛りのバンドならではの旺盛な創作意欲が窺える。いきなりスタート・ダッシュをキメたACE COLLECTIONの今後の活躍が楽しみだ。Skream!初登場となる今回のインタビュー。『L.O.V.E.』の話はもちろん、バンドのバックグラウンドについてもじっくり訊かせてもらった。

-メジャー・デビューする現在の心境や意気込みをまず聞かせてください。

たつや◎:4人の心境が大きく変わったということはないんですけど、バンドに関わる人が増えることで、ACE COLLECTIONはすごくパワーアップしていくと思うので、僕らは僕らで、これまで信じてきたものは曲げずに自分たちらしくやっていきたいと思っています。

LIKI:そうですね。可能性が増えるぶん、バンドの規模を大きくできたらと思っています。もちろん、たつや◎が言うように自分たちの信念は変えずに。

-信念が揺らぐという心配はないですか?

LIKI:これまでいろいろなことを試してきたんですよ。YouTubeをやってみたり、初のワンマン・ライヴ([FIRST ONE-MAN SHOW "HELLO,WORLD"])をいきなり1,000人キャパ以上のマイナビBLITZ赤坂でやってみたり。それと同時に周りの環境も目まぐるしく変わってきていて、そのなかで正直ぶれそうなときもあったんですけど、そこでも4人でしっかり話し合ったり、考えたりしながらやってきたので、これからも大丈夫だという自信はあります。

-頼もしいです。ACE COLLECTIONの、これからの活躍に期待しています。さて、今回Skream!初登場なので、ACE COLLECTIONがどんなふうに始まったのかというところも、聞かせてもらってもいいでしょうか?

RIKU:僕が20歳になったタイミングで、当時やっていたバンドがうまくいっていないという現実に気づいて、このままで大丈夫なのかと思い始めたとき、たまたま、たつや◎の弾き語り動画がTwitterで流れてきたんです。その頃同い年のバンドマンが周りにあまりいなかったこともあって、たつや◎にDMを送って、ライヴを観に行って、一緒にご飯を食べたんですけど、そこでお互いのことを話しているうちに、たつや◎と一緒にやったら上手くいくんじゃないかと思ったんです。直感で。で、家に帰ってから"一緒にやらないか"ってすぐにたつや◎に電話して、そのタイミングでもともと知り合いだった奏君にも連絡して、翌日3人で集まったんです。そこで、それぞれに当時やっていたバンドをやめて新しいバンドを組もうとなりました。その後たつや◎が前に一緒にバンドをやっていたLIKIを連れてきて、この4人が揃ったんです。

-それが結成日としている17年12月9日ですか?

RIKU:8月でしたね。12月9日は、YouTubeで"ACE COLLECTIONというバンドです!"と言って僕らが世に出た日です。

-最初4人が集まったとき、どんなところで意気投合したんですか?

たつや◎:YouTubeやりながら徐々に意気投合していったのかな。意気投合したから"一緒に住もうぜ"ではなかったですね。ただ、ひとつターニング・ポイントを挙げるとしたら、4人で最初にスタジオに入ったときなのかな。鏡に映った4人の姿を見たとき"いいじゃん"って思って、そこからすぐに4人で住むための家を探し始めたんです。奏君の知り合いから、"まずはYouTubeでバンドの存在を知ってもらったほうがいいんじゃないか"というアドバイスを貰ってきて、それなら一緒に住んだほうがいいということになったんですよ。意気投合する前に活動を始めてしまったので、あんまり考える時間もなかったんだと思います。

RIKU:最初に3人で集まったとき、それぞれに自信があったんですよ。だから、自信を持っている人間が集まったんだから最強でしょうって思ってました。それがあるからぶれずにいける、大丈夫だっていうところにも繋がるんじゃないかと。

-LIKIさんは、最初誘われたときはどう思ったんですか?

LIKI:個性豊かな顔ぶれだなって思いました(笑)。だから、楽しそうだって。

-たしかに4人は見た目も雰囲気もバラバラですよね。

RIKU:そういうバンドを組みたかったんです。さっきたつや◎が言ったように、最初スタジオで合わせたときにそれを感じたんですけど、それもこの4人でやっていこうっていう決め手になりましたね。

-そのときはなんの曲をやったんですか?

たつや◎:5 SECONDS OF SUMMERの「Don't Stop」とRADWIMPSの「トレモロ」と、あとは僕が当時弾き語りで歌っていたオリジナルをやりました。

-その後、この4人でどんなバンドをやろうと考えたんでしょうか?

奏:その話、未だにしてないですね(笑)。

RIKU:がちっと方向性が決まっているというよりは、寄り道しながらというか、最終的にはどこかしらに辿りつくんだろうけど、まだ模索しているというか。

奏:こういうバンドになるべきだっていう感覚はそんなにないかもしれない。

RIKU:大きなステージに立ちたいっていうこと以外は。

たつや◎:俺が思うのは、好きな音楽が幅広いからこそ、それをひとつにまとめるのがもったいない(笑)。俺は一曲一曲ちゃんと丁寧に歌ったらどんなジャンルの歌でも、形にできると思っているんで、今回は『L.O.V.E.』という作品を作ったけど、いろいろなコンセプトを持ったものをACE COLLECTIONらしく出していけたら、すべてに意味があると思うし、俺はそれがACE COLLECTIONなのかなと。常に迷って、迷った先に答えがあるというか、答えが出るまで迷い続けて、その答えをその都度作品として出していく。俺たち4人、たぶんずっと迷い続けるんじゃないかな(笑)。いや、どこかで吹っ切れるときが来るかもしれないけど、今のところ悩みが尽きないんです。でも、それが面白い。迷っているって前に進んでいる証拠じゃないですか。それがこれからも続けば常に前のめりに進んでいけるのかなと思っています。

-『L.O.V.E.』の全8曲を聴いても、ひとつのジャンルを追求するバンドではないということはもちろん、メンバーそれぞれに幅広いバックグラウンドを持っていることが伝わってきました。ACE COLLECTIONのことをより深く知るという意味で、メンバーそれぞれにどんな音楽を聴いてきたとか、影響を受けてきたとかを教えてもらってもいいでしょうか?

LIKI:俺はギター・ヒーローという存在に憧れてました。それでLED ZEPPELINから始まって、QUEEN、TOTOのSteve Lukather、SLASH(GUNS N' ROSES)と聴いてきて、そのあと日本でギター・ヒーローって言ったら誰だろうってところから、ヴィジュアル系にいって、SIAM SHADEのDAITAさんがかっこいいとなって、Janne Da Arc、Acid Black Cherry、X JAPAN、L'Arc~en~Ciel――そういうバンドが現在のギター・プレイの核であり、引き出しになっています。

たつや◎:俺は、音楽の一番古い記憶はテレビで観たTHE BEATLESのライヴなんですよ。THE BEATLESは3歳くらいから、車のチャイルドシートに座りながら歌っていたから、無意識に聴いていたときも含め一番聴いていると思います。その他、レッチリ(RED HOT CHILI PEPPERS)、ドリカム(DREAMS COME TRUE)、THE CARPENTERS、KISS、QUEEN、Cyndi Lauper、"フットルース"のサントラといった、両親が聴いていた音楽に合わせてずっと歌っていたんですけど、そのあと自我が芽生えた頃にコブクロ、MONKEY MAJIK、YUIさん、aikoさんを通って、中学生から高校生の頃に、マキシマム ザ ホルモンから重たいのや激しいのがかっこいいとなって、SLIPKNOT、METALLICAを聴きながらギターも弾いていました。その流れでJohn Mayerに出会い、John Mayerがカバーしていた「Crossroads」をきっかけにルーツ・ミュージックに遡って、Stevie WonderとかEARTH, WIND & FIREとかもひと通り聴いてたし、RAGE AGAINST THE MACHINEをはじめ、ミクスチャーも聴いていたし。それと並行してJustin Bieberとか、Bruno Marsとか、海外のR&Bも好きで。そんなふうにめちゃめちゃいろいろな音楽を聴きながら全部歌ってきてたからこそ、今回の『L.O.V.E.』みたいにいろいろなジャンルをやっても、工夫しながら歌える自信があるんですよ。

-リズム隊のふたりは?

RIKU:自分にとって一番大きな存在はX JAPANです。親の影響で小学生のときに聴き始めました。ドラムを始めたのは6歳なんですけど、小学生のときはX JAPAN、SIAM SHADE、SLIPKNOTを聴いてました。中学校に吹奏楽部みたいなポジションでビッグ・バンド・ジャズ・アンサンブルがあって、ドラムができるからって半ば強制的に入れられたんですけど、そこではBuddy Richとか、ラテンの熱帯ジャズ楽団とかを聴いていましたね。だから、中学生の頃はバンドが一切わからなかったです(笑)。そこから高校に上がったタイミングでハードコア、エモ/スクリーモを聴いたり、ACE COLLECTIONの前にやっていたバンドが、Fear, and Loathing in Las Vegasに近いというか、もうちょっとEDM要素が強かったので、そのときはEDMやハウスを聴いたりしてからの今なんですけど(笑)、ひと言でまとめるなら好き嫌いなく、オケというか、楽器がかっこいい音楽を聴いてきたと言えるかもしれないですね。

奏:僕は小5のときに聴いたホルモン(マキシマム ザ ホルモン)がきっかけで音楽をやりたいと思って、中2のときにスクリーモ・バンドを始めて、20歳までやっていたんですけど、その期間はエモ/スクリーモ、メタルコア、ハードコアしか聴いていなかったです。バンドで言ったらBRING ME THE HORIZONが筆頭にいて、スクリーモだったらSAOSIN、FINCH、ALESANA、STORY OF THE YEAR。メタルコアだったらBLESSTHEFALL、ASKING ALEXANDRIA。ハードコアだったらCrystal Lake、EMMURE、THE GHOST INSIDE。Djent系もPERIPHERYは聴きました。そういう中高時代があって20歳前後からポップスも聴けるようになって、最近はヒップホップも結構聴きます。Travis Scottとか、Wiz Khalifaとか、日本の唾奇さんとか。

-なるほど。今回の8曲にもすべてではないですけど、今挙げていただいたバックグラウドは窺えると思うのですが、そんな4人が曲を作るときは結構ぶつかるんじゃないですか?

たつや◎:ぶつからないですね。でも、大変ではあるかな。

LIKI:"これとこれ、どっちがいい?"というときに意見が分かれることはあります。だから、とにかくいっぱい作ってその中からベストなものを選んでいますね。

-『L.O.V.E.』は全曲たつや◎さんの作詞作曲ですが、曲作りはどんなふうに?

たつや◎:まず、僕が弾き語りか極々簡単なトラックに歌を乗せた土台を作るんです。そこからLIKIとDTMでデモを作って、そこにそれぞれのフレーズを当てこんで、最後に調整を加えるという作り方ですね。

-リズム隊のふたりはそのデモのアレンジをそのままやるんですか? それとも変えるのか、磨き上げるのか、どんなふうにアプローチするんですか?

RIKU:僕は変えます。いろいろなパターンがあるんですけど、打ち込んだドラムありのバージョンとドラム抜きのバージョンを貰って、なんの先入観もなく、ドラムを叩きながら、LIKIが作ったアレンジが良ければ差し替えることもありますね。そんなふうにドラムは作り込んでいます。

奏:俺はそんなにポップスやJ-ROCKの引き出しがないので、今回はベースのディレクターさんと、どんなフレーズをハメたら味が出せるのか、相談しながら作りました。その結果、自分の引き出しを明らかに超えるフレーズがたくさん作れたので、こういうベースを作れるプレイヤーになれば、ACE COLLECTIONのベーシストとして輝ける......と言ったら変ですけど、こういうフレーズを作れるベーシストがACE COLLECTIONには相応しいと思えたので、将来の自分のベーシスト像が明確になるきっかけになりましたね。

-ギター・ヒーロー然としたプレイは聴きどころだと思うのですが、ギタリストとしてLIKIさんはどんなふうにフレーズを考えているんですか?

LIKI:俺はいったん何パターンも作るんですよ。そのあと目を瞑ってライヴを想像しながら、より盛り上げるならと考えてフレーズを選んでいます。