Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

INTERVIEW

Japanese

ACE COLLECTION

 

ACE COLLECTION

Member:たつや◎(Vo/Gt) LIKI(Gt) 奏(Ba) RIKU(Dr)

Interviewer:山口 智男

-さて、今回の『L.O.V.E.』はどんな作品を作ろうと考えたのでしょうか?

たつや◎:レコーディングの途中で"L.O.V.E."にしようと俺が提案しました。だから、最初からテーマや方向性が決まっていたわけではないんです。俺はそのとき起きていることが曲に出ちゃうタイプなんですけど、このアルバムを制作しているとき、愛をテーマにした曲が多いということに気づいて"L.O.V.E."にしようと思いました。

-最初に"L.O.V.E."というテーマを決めたんだと想像していました。おっしゃる通りどの曲も愛をテーマにはしているのですが、いろいろな場面とか、いろいろな形の愛を歌っていて、歌詞の書き方もいろいろ試しているように感じられましたが。

たつや◎:歌詞は曲調とかメロディとか、コード感とかに合わせていて。バラードや「拝啓、君は......」のようにストレートな曲のときには、ダイレイクトに話し掛けているようにしたり、「リアピックアップ」だったらあえて文章の意味を濁すような言葉の並び方にして、もっとリズムや声のニュアンスを伝えることを重視したりとか。アッパーな曲は、歌詞カードを読みながらこういう意味なのかとわかるようなものが多いかもしれないです。逆にバラードや爽やかな曲は、ぱっと聴いただけでも情景が浮かぶようなわかりやすいものになっていると思います。

-共にバラードの「約束のしおり」と「70億にただ1つの奇跡」は、それぞれに主題歌として映画("明日、キミのいない世界で")とドラマ("僕だけが17歳の世界で")に提供した曲で、歌詞はそれぞれのストーリーに寄り添ったものになっていますね。

たつや◎:台本を読んで何パターンも書いた中から選んだんですけど、そういう書き下ろしのときでも、自分の中の芯は貫くようにしています。作品に合わせすぎるとACE COLLECTIONの曲じゃなくなっちゃうから、俺がACE COLLECTIONとして歌いたい心の内を曲げないように、なおかつ映画/ドラマ・サイドにも納得してもらえるようなものを作ろうと思っていますね。その作業が意外に楽しいんですよ。物語の登場人物に自分の心情を重ね合わせるのがもともと好きなんですよね。台本を読みながら共感できるポイントっていくつもあるじゃないですか。そういうシーンを切り取って、自分の言葉を登場人物に歌わせるみたいなやり方で作っていますね。

-「ワインレッドのラビリンス」の歌詞は、昔の歌謡曲っぽい世界観を狙っているようにも思えますね。

たつや◎:古き良き世界観を狙ってます。だから、言葉の言い回しもそれに合わせていますね。それが聴いた人に伝わったら嬉しいです。

-今回新たに挑戦したことはありましたか?

LIKI:すべてが挑戦でした。

RIKU:前作にはなかったタイプの曲ばかりってところでは挑戦的なアルバムなのかな。

LIKI:まず、バラードがそうですよね。

たつや◎:生のストリングスを入れた「70億にただ1つの奇跡」は王道の、どバラードを作りたかったんですよ。

RIKU:「WaVe」みたいなグルーヴィな曲も挑戦だったし。

LIKI:「ワインレッドのラビリンス」で途中ワルツになるところも。デモを作ったときにはボツになるかなと思ってたんですけど、意外にみんな"いいね"と言ってくれて。

RIKU:曲の世界観に合っていたし、その世界観を強調するという意味では相当パンチがあるから、いいんじゃないかなと思いました。

奏:違和感はなかったですね。普通にこれがかっこいいと思って作っているんだろうなって思ってました。これからその曲を聴く人は違和感ってあるのかな。

-いや、違和感は全然ないですよ。

RIKU:むしろ、全8曲中、世界観が一番わかりやすい曲になったと思います。

LIKI:これぐらいやったほうがちょうどいいってことがわかりましたね。

RIKU:ちょっとダークでエロチックってイメージは、ワルツ・パートがあることで1回聴いただけでも感じ取ってもらえるんじゃないかな。

たつや◎:シンプルに曲に合ってるよね。

-なるほど、ACE COLLECTIONにはエロい魅力もあると。

たつや◎:大人の色気ですね(笑)。

RIKU:そういうところも追求していかないと。もう子供じゃないんだから(笑)。

-初挑戦のバラードがある一方では、バンド・サウンドの熱さを伝える「リアピックアップ」のような、ハード・ロッキンなラテン・ファンク・ナンバーもあるという幅広さも聴きどころですね。

RIKU:楽しんでもらえると思います。

LIKI:今回の8曲を聴いた人がどう思うのかすごく気になります。僕らは1曲ずつ作っていっているから、8曲の流れのファースト・インパクトってわからないんですよ。

たつや◎:それは俺も気になる。

-聴きながら"おぉっ!?"、"おぉっ!?"の連続でしたよ。

たつや◎:「拝啓、君は...」で始まって、そういうバンドなのかと思いきや、そういう曲はそのあと1曲もないですからね(笑)。

-今回の8曲の中でACE COLLECTIONの軸はこの曲だというのはあるんですか?

LIKI:ACE COLLECTIONはどんなバンドなんだろうというのを考え始めたアルバムというか、ここからスタートという感じはあるんで。

たつや◎:代表して言うなら俺はACE COLLECTIONとしてふたつの軸があると思っていて、早口で歌うところも多いんですけど、そのグルーヴの面と、もうひとつは王道の哀愁メロディ。その哀愁を代表するのが、両極端な例として「拝啓、君は......」と「ワインレッドのラビリンス」なのかな。で、グルーヴが「WaVe」。そんなふうにリズムが効いた感じもACE COLLECTIONなんだと思います。

-最後に今後の目標を聞かせてください。

たつや◎:令和という時代の音楽シーンの代表格になりたいと思っているのと、日本武道館に立ちたいです。バンドそれぞれに色があると思うんですけど、俺たちはライヴが楽しくて、ライヴが強くて、かっこいいバンドになりたいんです。だから、ライヴを重ねながらライヴの力もレベルアップしていけたら、自分たちはもちろんですけど、観てくれるお客さんにも楽しんでもらえるのかなと思っています。