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INTERVIEW

Japanese

stellafia

2020年01月号掲載

stellafia

Member:花森 りえ(Vo) キャサリン(Gt) 勝部 巧朗(Ba) 大野 達哉(Dr)

Interviewer:三木 あゆみ

-そうなんですね。美術や衣装を手掛けている方を含めて、いろんな方と関わりながらファンタジーという世界観を作り上げているところも、"プロジェクト"である理由なのかなと感じます。先日のワンマンは、2019年の集大成的なライヴでもあったとのことなので、こちらについてのお話もうかがいたいです。

花森:去年、ミニ・アルバム『prologue』を出させていただいて。そのミニ・アルバムは、最後に入っている「epilogue (SE)」で海の中に潜っていようなSEで終わるんですけど、それに繋がるように、この1年でワンマン・ライヴを作ってきたんです。

大野:ちゃんと伏線を張ってきたんですよ。

勝部:去年のワンマン("星降る夜のファンタスフィア")もちょうど12月で。

大野:そのときにミニ・アルバムを発売して、そこからここまでをしっかり見据えたうえでの今回のワンマンだったんですよ。なので、海の曲を作るとか、どうやって海感を出して前作から繋げるかというのを1年間いろいろ考えつつやっていきましたね。

勝部:あとは、ライヴのオープニングSEとかもたっつんが作ってくれて。それが前作の「epilogue (SE)」の音から繋がってオープニングSEにいく、という演出もあったりしました。結構繋がり的なものは出せたかなと思いますね。

-それに気づいたお客さんは"おぉ~!"ってなりますよね。今回のワンマンで印象に残っていることなどはありましたか?

大野:個人的になんですけど、めちゃくちゃいいバラード曲の途中で全身をつりました(笑)。何度か経験はあるんですけど、全身は初めてで。全然身体が動かないんですよ。そっから最後までつってたんですけど、最終的にはなんとかなりました。

-全身ってなかなかないですよね!? "ストップストップ!"とはならなかったのでしょうか。

大野:ほんとに心は折れそうだったんですよ(笑)。そのあとにがっつりドラム・ソロのある曲があって。

勝部:めちゃめちゃ長いドラム・ソロが(笑)。

大野:1~2分近くあるドラム・ソロなんですよ。ほんとに止めたかったんですけど、"これは負けらんねぇ"と思って、根性で乗り切りました。それが一番印象に残ってますね。

-それが一番なんですね(笑)。ほかのみなさんはいかがですか?

勝部:すごく些細なことなんですけど、初めてお立ち台が用意されたんですよ。前のバンドでは乗ったことあったんですけど、stellafiaでは初めてで。それですっごくテンション上がりましたね。ワンマンっていいなぁって思いました。

キャサリン:僕は人生で初めてでした。お立ち台。めっちゃ登ったもんね。

大野:後ろから見ててすごくいい光景だなと思いましたね。ドラムもいつもより高い台に乗ってて。見ててもやってても気持ち良かったです。

キャサリン:僕の話もしていいですか(笑)? いろいろハプニングもあったんですけど、今回初めて司会みたいなことをやったんですよ。ディズニーのキャストのようなイメージで、"Ladies And Gentlemen! みなさま、大変長らくお待たせいたしました!"とか言ったりしたんですけど、それが意外と好きで。1回噛んじゃったけど(笑)。あれはまたやりたいなって思っています。

-キャサリンさん、司会がものすごく似合いそうですもんね。花森さんはいかがですか?

花森:私は、普段みんなで意識してやっていることなんですけど、リハのときから自分たちがいる場の景色より、もっと大きなステージに立っている自分たちを想像して魅せるっていうのをやっていて。今回はそのイメージトレーニングの成果もあって、だんだんトランスみたいなのができるようになったんです。今見ている景色とは違う景色が、目の前に見えるようになって。その状態で歌を届けられたのが大きかったですね。この1年で成長したなっていうことを実感したワンマンでした。去年のワンマンは不安のほうが大きかったんですけど、今年はもうすごく楽しみで。人生で初めてぐらいにライヴが楽しみだったんですよ!

一同:(笑)

花森:人前に出るのがあまり好きじゃなくて、ライヴが苦手だったんです。でも、"楽しみ"って気持ちで臨めたのが大きかったですね。

-そんな成長も感じられた、今年の集大成的なワンマンを経て、2020年1月13日に新曲「WANT TO」が配信限定リリースされますね。これまで発表されていた楽曲とはまったく違う雰囲気を感じました。

花森:今回の「WANT TO」は、これまでのstellafiaにはないような新しい曲調、サウンドの曲を作ろうというところから始まって、洋楽っぽさなどを取り入れたいなというのがあったんです。私は曲を作るときにテーマから書いたりするんですけど、今回は"陽気でわがままな女の子"をテーマに書いていきました。

-すべて英語の歌詞というのも驚きで。なぜ英語で書こうとなったのでしょうか?

花森:私、女の子の無邪気なわがままさってすごくかわいいなと思っていて。今回書きたかった歌詞は、日本語よりも英語のほうがポップにキャッチーに、よりかわいさが伝わるなと感じたんです。それで、書いていたら全部英語になりました。

-歌詞の内容からは、自由気ままだけど、自分の芯はしっかりと持ったかわいくて素敵な女の子のイメージが伝わってきました。この曲を歌う際に、何か意識したことはありましたか?

花森:ライヴでの話とも重なるのですが、これまで自分のことをヴォーカリストだと思ったことがあまりなくて。今までは曲を作ったり、歌詞を書いたりすることが好きで音楽を続けてきました。だけど、stellafiaに入ってから"私がこのバンドの、stellafiaのヴォーカルなんだ"という意識が芽生えて、"この曲は、こう歌って伝えたい"と思うようになったんです。そう思えるようになったことで、技術の幅も広がってきて、この「WANT TO」では自分の表現を試すことができたというか、新しい挑戦ができたかなと思いますね。

-なぜ、ヴォーカリストとしての意識が芽生えてくるようになったのでしょうか。

花森:stellafiaをやっていくうえで、"私がこのバンドのヴォーカルなんだ"と自信を持ってやらなきゃいけないと思うようになったからです。あとは、楽器や音色のひとつとして自分の声が好きなんだってことに気づいたことも大きいです。声を使っていろんな音を表現できるようになりたい! と思うようになりました。

勝部:もともと持っているものかわからないんですけど、レコーディングしていて、こここういうふうに歌ってみてとか言ったときに、できることがどんどん広がっていってる感じはすごくしますね。"そういうのもできちゃうんだ"みたいな。できる子だ! と。

花森:(笑)

大野:あの"I eat cute cakes"っていうとこのセリフっぽいのも初めてだったよね? たしかレコーディングのときにやってみようってなったんです。

-あのセリフの部分、すごくかわいらしさが表現されていて、曲のフックにもなっていますよね。

花森:ありがとうございます。

大野:あと英語の発音も大変だったみたいで。

花森:そうですね。私はもともと短大の英語科に通っていて、英語に対してそこまでの苦手意識はなかったんですよ。でも、やっぱりフルでちゃんと英語を歌うとなると大変でしたね。レコーディングしたものを友達に聴いてもらって、添削してもらったり、発音チェックをお願いしたりして進めていきました。

-また、いただいた音源に"80's"というおそらく仮のタイトルだと思われる名前が付いていて――

一同:あ~(笑)。

大野:今回、Daichi(鈴木Daichi秀行)さんと一緒にやろうっていうなかで、もともと"今、80'sがキテるよね"っていう会話があって。この曲を初めて聴いたときに、完全にこれ80'sのサウンドでいけるなって思ってたんですよ。自分が最初にアレンジをしたんですけど、そのときからタイトルは"80's"だったよね。

勝部:それからギリギリまでずっとそれだったね。

-サウンド的にも、たしかに随所で80'sっぽい要素が散りばめられているように感じて。これはもしやそのまま付いているのかなと思ってました(笑)。

勝部:バレてる(笑)。