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INTERVIEW

Japanese

ハシバタカナリ × King AJ(NYF)× TAKA(TRICK MONSTER/JUNK ROCK CAFE)

2020年01月号掲載

ハシバタカナリ × King AJ(NYF)× TAKA(TRICK MONSTER/JUNK ROCK CAFE)

ハシバタカナリが12月14日に新曲を配信リリース(2曲)! バンド活動を経て、今ではuijin、悲撃のヒロイン症候群、raymay、miscastなど数々のアーティストに楽曲提供しており、作家としても着実に実績を積み重ねている彼。今回がソロ・デビュー作となり、「CRAZY」のゲスト・ヴォーカルにはKing AJ(NYF)、「ONEWAY」にはTAKA(ヘア・サロン"TRICK MONSTER"/カフェ&バー"JUNK ROCK CAFE"オーナー)を迎え、どちらもフィーチャリング楽曲になっている。すでにMV公開済みでLAを舞台にした「CRAZY」はTAKA撮影ということもあり、今回はハシバ本人に加え、King AJ、TAKAの3人に話を訊いてきた。

ハシバタカナリ
NYF:King AJ(Vo)
TRICK MONSTER/JUNK ROCK CAFE:TAKA(オーナー)
インタビュアー:荒金 良介 Photo by とみたむつみ

-ハシバタカナリ名義で2曲配信リリースされるわけですが、ここに至るまでの経緯を教えてもらえますか?

ハシバ:もともといろんなバンドをやっていたんですけど......解散したときに何も残らなくて。当時DTMも勉強してなかったから、独学で勉強して曲を書けるようになろうと。

-以前は曲をまったく書かず?

ハシバ:いや、書いてたんですけど、セッションだけだったんですよ。なので、楽曲提供のキャリアはまだ2年ぐらいなんです。

-イチから勉強して、今では幅広く楽曲提供しているわけですよね。

ハシバ:初めは"なぜこんなことを知らないんだ!"ってすっごく怒られたんですよ。それからいろんな人に出会い、勉強を繰り返して、今は20~30組のアーティストに楽曲提供できるようになりました。今年は悲撃のヒロイン症候群というグループでオリコン・デイリー・チャート1位(※シングル『サイレントクライ/REVENGER』収録曲「サイレントクライ」、「KissMark」作曲を担当)を獲ることができて。今バンド界隈でも自分を知ってもらうために楽曲提供している人も増えてるんですよ。だから、自分自身もコンテンツになって前に出なきゃいけないなと。それで今年1月に僕の誕生日イベント("OWL NIGHT TURNED33-HASHIBA TAKANARI BIRTHDAY PARTY-")をやって、そこで楽曲提供している人たち10組に出てもらって。で、6月、9月、11月に3回ワンマンをやったんですよ。

-それはすごいですね! ただ、楽曲提供している方でもずっと裏方に徹する人もいると思うんですが。

ハシバ:僕のやっていることやライヴがかっこいいから楽曲をお願いしたいとか、もうひとつフックが必要だなと思ったんですよ。あと、僕がもともとヴォーカリストだからというのも大きいですね。

King AJ:ハシバはずっとバンドをやっていたけど、顔が出てないもんね(笑)。

ハシバ:それはあるかもしれない。僕、某フェスに出たときに最前で盛り上がっていたお客さんがいて、ライヴ後の素顔の状態のときに肩がぶつかったんですよ。ヤベぇ、バレたかなと思ったら、舌打ちされたんです。それが結構トラウマでかなりヘコんだんですよね。

King AJ:さっきめっちゃ盛り上がっていたのにって(笑)。

-顔が知られていたら舌打ちされなかっただろうと。

ハシバ:そうですねぇ。

King AJ:ここにくるまで相当な紆余曲折があってようやくピンでやるって感じやもんね。

ハシバ:もっと自分を知ってもらいたいという気持ちは強くなりましたね。バンドで顔を出してないときに、別に自分がいなくなってもわからないし、自分が死んだとしても、僕が歌っていたことすらみんなに知られないまま消えてしまうのかなって。そう思ったときに自分の名前を残したくなって。

King AJ:SLIPKNOTも途中で全員顔を出してますから(笑)、やっぱりその欲求はあるんでしょうね。

-今回の配信2曲はどんな気持ちで臨みました?

ハシバ:自分の曲を作るのは3年ぶりになるんですよ。だから、めちゃくちゃ悩みました。楽曲提供は客観視できるので、この人はこういう言葉を入れたらライヴがもっと良くなるとか考えられるんですけど、自身のことはよくわからなくて、自分が歌いたい歌はなんだろうと。で、TAKA君とLAに2週間旅に行くタイミングがあり、じゃあそのTAKA君に向けて曲を書いたらどうなるかなって。LAでレコーディングと撮影をして、そこでどんな曲が似合うかなと考えました。

TAKA:あっ、そうなんや(笑)。

ハシバ:今回「ONEWAY」でTAKA君とコラボしたんですけど、彼に楽曲提供している感覚もありましたね。今回は2曲ともコラボしているので、今後もフィーチャリングしながらやっていこうかなと思ってます。そこからゆくゆくは自分の本当のソロを書けたらいいなって。

King AJ:自分専用の曲はまだまだ難しい?

ハシバ:まだ難しい。アイドル・グループの方々が仮に解散してしまっても、曲はずっと残るじゃないですか。その曲が好きな人たちが集まれる場所に自分がなれたらいいなという気持ちもありますね。

-普通は自分専用の曲から始まり、そろそろフィーチャリングしてみようか? という流れだと思うんですが、それとは真逆ですよね。

ハシバ:そうですね(笑)。学生時代に好きだったAIR、Dragon Ashからフィーチャリングする文化を教えてもらい、それがかっこいいなと思っていたので。今年6、9月に僕が提供したアーティストさんを呼んでコラボしたこともヒントになってます。自分の曲を周りのかっこいい人たちとやればもっとかっこ良くなるんじゃないかと。だから、ある意味かっこいいお面を被ってるのかもしれない。

-そこから離れる予定がまた形を変えて(笑)。

ハシバ:ははははは(笑)。

King AJ:カメレオンみたいな気質があるってことね。

ハシバ:ポケモンで言えばメタモンみたいな。

TAKA:自分の形を探してる最中ってことね。

-バンドもいろんな人たちと対バンして自分の武器や個性に改めて気づきますもんね。

King AJ:うん、心が折れて潰されかけて、そこで残ったものが自分の武器だ! ってね。

ハシバ:TAKA君は自分のスタイルが確立されてて。このお店(※取材場所は"JUNK ROCK CAFE")もそうですけどね。

TAKA:10代の頃から好きな音楽、カルチャーは一度もブレたことがなくて。20年前と服装も一緒っすよ(笑)。ずっとアメリカのカルチャーが大好きで、スケボー、タトゥーもアメリカがかっこいい! と思ってずっと追いかけていたけど、初めてLAに行ったのは3年前なんです。

-そうなんですか!

TAKA:ずっとかっこいいと思っていたものがしょぼかったらどうしようという怖さがあって、あえて行かなかったんですよ。でも、3年前に行ってみたら想像以上にかっこ良くて、これは毎年行こう! って。自分がかっこいいと思うものは伝えたいし、共有したいですからね。

ハシバ:ミュージシャンじゃなくても、こういうかっこいい人と一緒に曲を作りたくて。

TAKA:ミュージシャンは自分のかっこいい曲を食らえ! という人もおるけど、ハッシー(ハシバ)の場合は人に合った曲を提供するところは美容師と似ているなって。美容師も全然系統の違うお客さんが来ても、その子の気持ちになってスタイリングを提供するから。

King AJ:相手の求めるものにコミットできるかは重要やもんね。