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INTERVIEW

Japanese

QoN

 

QoN

Member:犬童 一憲(Vo) 山口 嵐(Gt) 渡邊 洋平(Dr)

Interviewer:山口 智男

-「キミノシアター」はもともとのQoNらしい曲だと思うんですけど、2年前に録ったものを今回入れたのは、どんな理由からだったんですか?

犬童:「キミノシアター」は、「名もなき戦争」、「No Joy,No Life」(ともに『TAKARAJIMA』収録曲)と同じ頃に録ったんですけど、リード曲にするのか、僕らのキャラをどうするのかって話し合っているうちに「TAKARAJIMA」ができてしまったため、じゃあ取っておこうということになって。そしたら今回、これまでのQoNにはなかった男女の様々な関係を歌った「Night Groovin'」と「Men's」の2曲を出すなら、同じように男女の関係を歌った「キミノシアター」も入れたら、年代別の僕の感覚が反映された3曲になって面白いんじゃないかってなったんです。「キミノシアター」は高校生の頃に書いた歌詞を、ほぼそのまま使っているんですよ(笑)。だから、自分の中ではだんだん大人になっていく成長が見えるシングルなんです。

-たしかに「Night Groovin'」と「Men's」は、男性の欲望をストレートに歌った歌詞も聴きどころですね。

犬童:歌詞はもちろん曲に寄せてはいるんですけど、ちょっと前までは子供っぽさがあったんですよね。QoNってバンドには。僕らももう、そういう年齢ではないんで(笑)。

渡邊:今年23歳になってしまうんでね。

犬童:もうちょっと大人っぽく見られたいと思って。

-「キミノシアター」を歌っていた少年が、チャラくエロくなったわけですね(笑)。

犬童:そういう一面もあるってことです(笑)。バンドはキャラを確立して、バンドそのものがジャンルになってしまえば売れると思うんですけど、だからって同じことばかりは歌えないし、人間性って、例えば"あの人は明るい人だ"って一概に言えるものじゃないし。だから僕だって、よく言われる"熱い人"だけで終わりたくないんです(笑)。誰だって落ち込むことがあるし、暗い面もあるし、闇だって持っているし、誠実な面もあるし、僕だってそうだってことをわかってほしいというか、ひと言で片付けられるのは嫌なんです。QoNってバンドは、そんなにきれいすぎるわけでもない(笑)。そんなところもわかってほしいんですよ。

-「Night Groovin'」の歌詞は韻の踏み方が絶妙で。

犬童:全部じゃなくてもいいんですけど、歌詞がふと頭に浮かぶようなものとか、クセになるようなものにしたかったんです。それと、これから歌詞も変わっていくってことを表明したかったというのもあります。これまでも本当に思っていたことを書いていましたけど、夢についてとか、熱い思いについてとか、ふわっとしていたと思うんですよ。そこも殻を破るというか、もっと具体的にいろいろなことを表現していきたいんです。だから、韻を踏んで、覚えやすくして、"この曲はこういう曲なんだ"というふうに頭に残るものを作っていきたい。その第一歩になる曲です。

山口:殻を破るという意味では、全体的に大人っぽくなったと思います。それは大きな変化ですよね。

-「Men's」はセルフ・プロデュースだからなのか、バンドのやんちゃな面が出ましたね。

渡邊:結構ゴリゴリですからね(笑)。

山口:演奏はひたすらやりたいことをやりました。

犬童:それはコンセプトとしてあったよね。好きなことをやっちゃおうぜっていう。QoNってバンドは、やっぱり根底に熱さや激しさがあるんですよ。表題曲として「Night Groovin'」があって、テクニカルな面を見せているので、「Men's」はとことん激しくやろうっていう。

山口:僕らがレギュラーでやらせてもらっている"Q MaKE"(※FM yokohamaで毎週火曜深夜1時より放送中)ってラジオ番組に作曲のコーナーがあって、そこで"男の歌"というテーマをもとに作ったんです。

犬童:男が5人いて、"男だね!"って感じの曲がないって話になって、"じゃあ、男ウケする、男が拳を上げちゃうような熱い曲を作ろう"ってなったんですよ。

渡邊:男の人は絶対好きだと思うんですけどね(笑)。ちょっとハード・ロックっぽくって。

山口:ライヴ中、一番熱くなれる曲です(笑)。

-今回のシングルは、それぞれに違う魅力を持った3曲が揃いましたね。

犬童:QoNのメンバーは新しいことジャンルにチャレンジするのが好きなんですよ。しかも、新しいジャンルに挑戦したら、そのジャンルが好きになる。

-新しいことをやることに抵抗がないんですね。

犬童:誰ひとりないですね。

山口:おかげで苦労するんですけどね(笑)。

渡邊:自分たちの引き出しのなさに"あぁ~"ってなるんですけど、やりたいことをやるのが僕らなので。

犬童:だから、作曲もめちゃめちゃ楽しいです。面白かったよね、「Night Groovin'」も。

山口:そこにお客さんもついてきてくれたら最高ですね。

-「Night Groovin'」は、もうライヴでやっているんですか?

渡邊:1回だけやったんですけど、あのテンポは難しいですね。ハイでもないし、ローでもない。ミドルよりもちょっと遅いくらいなんです。聴いているとノりやすいんですけど、演奏するのは難しい。

犬童:でも、お客さんの反応は良かったです。ライヴが終わったあと、物販で"あの曲が入っているCDはないんですか?"って聞いてくれたお客さんもいましたしね。だから、1回聴いただけでも印象に残る曲になっているんだって。

山口:ちなみに「Men's」は、おじさん受けがいいです(笑)。

犬童:『TAKARAJIMA』をリリースしてから、おじさんのお客さんが増えたんですよ。なんでだろうね? 嬉しいけど、不思議です。

渡邊:女性ヴォーカルのバンドと共演する機会が増えたので、そこで観てもらったとき、ハマる曲があったってことなんじゃないかな。

-おじさんも歓迎してあげてくださいよ(笑)。

渡邊:いやいや、僕らからしたらもっと欲しいんですよ(笑)。

-「Night Groovin'」以降は、ライヴの対バンの幅も広がりそうですね。

渡邊:そうですね。"Night Groovin' TOUR 2019"と題した僕らのツアーがあるんですけど、初日の(対バンの)ペンタゴンや、仙台に出てもらうリアクション ザ ブッタも、これまではシーンが全然違ったから、面白いツアーにはなると思うんですけど。

犬童:今回は大人な感じのシングルなので、ツアーも対バンがほぼ先輩。しかも、ライヴが完成されているバンドばかりなので、そこに対抗したいっていうのもありますね。イベントとして完成度が高いツアーにしたいし、実際そうなると思うし。僕らとしても自分にプレッシャーを与えられるようなメンツを集めたので、心してかからないと。

渡邊:簡単に言えば、僕らの修行ツアーですね。先輩を相手に5ヶ所を回って、最後に渋谷WWWでどーんと見せたい。

犬童:ツアーもかなりチャレンジングなものになっていますね。

渡邊:去年の5月に渋谷TSUTAYA O-Crestでやったワンマンはソールド・アウトできたんですけど、その次、自分らのホームである横浜F.A.Dで正直悔しい思いをしたので、次にワンマンをやるならステップを超えたところにいきたいと思って、WWWにしました。WWWでは今まで2回やらせてもらっているんですけど、1回目がEggs(※新人やインディーズ活動の支援を行う音楽プラットフォーム)の上位5組が出られるイベントで。そのとき、とても気持ち良くて、特別な場所だと思ってる会場なんです。

犬童:そこで自分ら主催でついにできるわけですから、やっぱり埋まっていないと。会場をお客さんでいっぱいにしたいですね!