Japanese
DURAN
2018年11月号掲載
Interviewer:TAISHI IWAMI
-7月にリリースされたDURANさんのソロ名義でのデビュー・アルバム『FACE』も、音楽性は違えど、スタンスとしては重なる部分はあると思うんです。
なるほど。なんとなくわかる気がします。
-そこで訊きたいのは、ソロ活動における肩書きは"ギタリスト"なんでしょうか?
難しいですね。もちろんギタリストなんですけど、ギタリストじゃないというか。
-ギタリストによるギタリスト向けのソロ作品ではないじゃないですか。
はい。そういう意味では、DURANというソロ名義の活動はギタリストという感じではないです。そもそもほとんど打ち込みで作りましたし、あまり弾いてないですし。ギターもひとつの要素というイメージです。ライヴもほとんどハンドマイクで、おいしいところで弾くだけですし。そこで最も尊敬しているのはPRINCEです。楽器の使い方や自らの見せ方とか、すごいですよね。
-PRINCEへの愛はすごく出ていると思いました。
まずは自分がワクワクするものにしたかったんで、そこは前面に。
-あとはMichael JacksonとEddie Van Halen(VAN HALEN/Gt)の関係性をひとりでやってるようなイメージもあります。
まさに、そこも狙った部分はあります。カッコいいじゃないですか。
-かと言って、80年代や90年代に感じるロマンだけではなく、現代的な音楽になってます。
自分が何にワクワクしたか、そういうことを考えました。もちろん過去へのリスペクトはあるんですけど、ジャンルや年代にとらわれないようにはしたかったんです。自分のやりたいことや自分にしかできないことを、自分が"こういう音楽あったらいいな"って思うものを、広くアウトプットした作品だと思います。だから"今っぽい"ということも、そんなに意識はしてないんですけど、ちゃんと今に響く作品であったなら嬉しいです。
-そこを具体的な音楽性で言うとどうなりますか?
すごく生々しい演奏とデジタルの感じをハイブリッドしたもの。そういう意識はありました。
-「ASIANLOVER」はスガ シカオさん。「BACKTOME」は清春さんがゲストで参加されています。DURANさんがサポートで入っていたおふたりであり、この並びはまさにDURANさんにしか実現できない。現場はどんな感じでしたか?
緊張というか、先輩だから気を遣う部分はあったんですけど、おふたりとも器が大きくて、余裕があって、さすがでした。だから僕もわがまま言わせてもらって、清春さんは"英語で歌うのは嫌だ"って言ってたんですけど、あの声や歌いまわしに英語がハマると思ったんで強くお願いしたらやってくれたんです。スガさんに参加してもらった「ASIANLOVER」は、実はすでにフィックスされていた曲で、スガさんが入るパートはなかったんですよ。でも、"この曲がいい"って言ってくれたんで、スガさんファンにはわかるようなワードを歌詞にちりばめたりして、急いで書き直しました。
-そこから最後の3曲、「MYAUTUMNMYLOVE」と「YESWECAN」と「MYMISSINGPIECE」は、PRINCEやMichael Jacksonといったファンク/R&Bのレジェンドであり、世界を代表するポップ・スターへの愛をもってポップの未来を指し、それによってトラディショナルなギターの響きにも新しい息吹が吹き込まれるような、とてもDURANさんらしいメッセージが込められていると感じました。
さっきも言ったように、時代性とかはあまり意識せず、今やりたいことをやったんですけど、おっしゃったような気持ちと近い部分はあります。僕は最近のナショナル・チャートに入っているようなポップ・ミュージックも好きですし、そこで何か面白いことができないかなって思ってたんで。
-"面白い"とは?
過去の音楽でも現在進行の音楽でも、好きなものをそのままやって作品として出すっていうのは、リスペクトに欠ける気がするんです。まぁ、単純にコピーして楽しいっていうのもありますけど。あとは、これまでのギタリストとしての僕を好きな人や、ギターをやってる人以外にも聴いてほしいということ。それは、ギターをやっていない人でも楽しめるということでも、ギターをやっていない人がギターの魅力に気づくということでもあります。
-「MYAUTUMNMYLOVE」はまさにそうで、タイトルに入っている秋を感じさせるような、ベタベタの哀愁溢れるギター・フレーズがある。
はい(笑)。
-そこにベース・ミュージック/トラップの要素が絡んできます。
まさに、そういうハイブリッドが好きなんですよね。だから今後もそこが、もっともっといい感じに、自分でしかできない音楽になっていったらいいなって。
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