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INTERVIEW

Japanese

DURAN

2018年11月号掲載

DURAN

Interviewer:TAISHI IWAMI

-そして多くのアーティストのツアー・サポートも。稲葉浩志さん、スガ シカオさん、清春さん、EXILE ATSUSHIさん。豪華すぎてもうなんて言っていいやら。

有り難いことですよね。稲葉さんのサポートを始めたのは、a flood of circleやundervarのメンバーとして動き出したのと近い時期でした。もともと稲葉さんの事務所の方とは知り合いだったんですけど、なんの前触れもなく、わざわざ下北沢GARDENまで本人が観に来てくれたんです。稲葉さんが下北のライヴハウスですよ。びっくりするどころの話じゃなかったです。

-ひとつ大きな何かを成した方々の現場サポート。これまでとはまた違った緊張感があったと思うんですけど、いかがでしょう?

すでに完成され確立されたもの。そこに入り込んでいくことは難しかったです。

-どう対応したんですか?

自分を呼んでくれた意味を把握することですね。逆に、なんでもできるからって合わせるようなやり方をしていたら、僕の場合はダメになっていたと思います。

-DURANさんがサポートされた方々の話ということではなく、ビッグ・アーティストのツアーでは、途中でもクビになったという話もあるじゃないですか。

そういうピリッとした空気はこっちが勝手に感じてるだけかもしれないですけど、何かしら独特の緊張感はありますね。でも僕はクビになっても構わないって覚悟してました。もし僕が最初からスタジオ・ミュージシャンとしてその舞台に立つことを望んでたなら、また違ったと思います。なんでもできなきゃいけないし、まずどんなことでも平均点以上を取らなきゃいけない。でも僕は、ひとりのアーティストとして自分がどう入っていくか、自分のどこが求められてるかを考えて、それでハマらなかったら仕方ないと思ってたんです。ちょっと生意気に聞こえるかもしれないですけど、それくらいの気持ちでやらないと生き残れないし、自分が目指してるギタリストにはなれないですから。

-なるほど。

だから"ストラトしか弾きません"って最初に言いますし。リッケンバッカーとかレスポールをって言われても僕は弾かない。

-DURANさんからリッケンバッカーはイメージできないです。

レスポールならまだしも、リッケンとなると、"それ僕じゃない方が良くないですか?"ってなっちゃいますよね(笑)。

-かと言って、サポートですから、自慰行為的なプレイになってはいけない。

そこが難しいんですよね。まぁ僕の場合はレコーディングではなくライヴがメインで呼ばれてるんで、ただきれいにオーディオっぽくプレイするわけじゃなくて、見え方も含めてのことだと思うんです。父によく見せられたギタリストのビデオ。あの映像への憧れ。だから僕も少年少女をドキドキさせられるようなことがしたい。そこが武器だと思ってます。おかげでどのアーティストさんも自分のことをフィーチャーしてくれるんです。

-雇う側からしても、DURANさんが必要か必要でないか、はっきりしてる。それがうまく回ったら誰にとってもいい結果が得られますね。

はい。僕の判断って簡単だと思います。あとは、みなさんに良くしてもらったことで、自分では気づかなかった自分に気づけたこともあるし、自信にも繋がりました。

-ギタリストは、かつてほど注目されなくなりましたが。

厳しいですよね。日本にも面白い人はいるんですけど。

-面白い人。例えばReiさんとか、どう思われますか?

最高ですよね。彼女には、自分の作品にコメントも貰いましたし、以前から付き合いがありますよ。

-Reiさんは私の中で"ギターを持った新たなポップ・アイコン"というイメージなんです。積み上げられてきたカルチャーへの敬意。それによって磨かれたギターの腕や、過去や現在進行の様々な音楽的要素を折衷して、オリジナルな曲やスタイルを生もうとしている。

特に最近はそういう感じですよね。"これぞギターの音"がしっかり鳴りつつ、周りを囲むトラックは今っぽい。佇まいに花もあるし、素晴らしいと思います。