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INTERVIEW

Japanese

Earls Court

2017年09月号掲載

Earls Court

Member:キタコウジロウ(Vo) コハマジュン(Gt) ノギタカノブ(Gt) サクライショウタ(Ba) マイマイ(Dr)

Interviewer:山口 智男

-資料で謳っていた"これまでのイメージを一新する作品"というのは、そういうことだったんですね。

キタ:1st、2nd、3rdとリリースしてきて、2ndミニ・アルバム『Resurrection』(2012年リリース)が僕らの中にあるUKロックの影響を表現しながら、比較的、世界観が統一された作品に仕上がったんですよ。それで、3rdミニ・アルバムの『イカロスが見ていた景色』(2013年リリース)では、J-ROCKっぽい曲も含め、バラエティに富んだ曲を作ってみたんですけど、その結果、ちょっと見失ってしまったんです。いろいろ作れることがいいと思っていたんですけど、それが必ずしもいいわけではなくて、受け取る側に対して、ある程度一貫したものを届けた方がいいと考えるようになりました。僕は曲を作るなかでメロディ・ラインを大事にしているので、それが一番印象に残る作り方があるならそこに絞るべきだろう、と考えて今回は、これもできるからこれもやろう、あれもできるからあれもやろう、ではなく、一番聴かせたいメロディが一番前に出るように、他の部分をできるだけ削りながら作りました。その結果、すごくポップで、わかりやすい作品になりましたね。でも、僕たちの良さは残せていると思います。

コハマ:それがどうカテゴライズされるかはわからないけど、これが今のEarls Courtなんだということはしっかり作品の中で示せたものになっていると思います。

マイマイ:なかでもリード曲の「Do.Da.Di.」は、この5人で今までやってきた手法とは一番違う曲になって、この曲を今回は押していこうって認識が5人全員共通してあったんですけど、これがこの曲の完成だっていうところまで持っていくまでにすごく時間がかかったんですよ。それこそ一番聴かせたいのはメロディなんですけど、そのメロディに対して、どの音が正解なんだろうって。今までやってきた作り方だと、答えに辿り着くまですごく遠くて、何回も作り直しました。1回完成ってところまで行ったんですけど、そこからもう一段階先に正解があるはずだと思って、時間ギリギリまでチャレンジしました。

-たしかにこの曲、かなりインパクトありますよね。

マイマイ:削って削って、ってやったよね。

キタ:最初、Cメロもあったんですよ。もともとはJustin Timberlakeにしたかったんです。でも、THE KILLERSか、いや、THE ROYAL CONCEPTか、どこやねんってみたいになって(笑)、迷うんだったら削っちゃえって、1回ぶわーって削って、そこからさらに詰めて、今みたいな形になりました。

-「Do.Da.Di.」ができあがったとき、バンドの中で何か見えたとか、開けたとか、そんな感覚があったんじゃないかって想像できる曲ですよね。

マイマイ:『Resurrection』の「Song for Resurrection」って曲がこれまでは、自分たちの中で一番先頭にいる曲だったんですよ。

サクライ:周りもね。周りもそういうふうに思っていたところはあったよね。

キタ:Resurrection兄さんみたいなところはね(笑)。

マイマイ:それに勝てるような曲を作らなきゃいけないと思っていたんですけど、またResurrection兄さんみたいな人が来ても勝てないなっていうのはあったんですよ。

キタ:3rd(ミニ・アルバム)を出すとき、どれをリードにするかってところで、Resurrection兄さんみたいな曲を選んだんですよ。そしたら勝てなかったんです。

サクライ:結果、ライヴでもあんまやらなくなったしね。

マイマイ:今回、Do.Da.Di.姉さんが現れたことによって(笑)、違うタイプの曲で戦えるようになったっていうのはあるんじゃないかな。兄さんに頼らなくても姉さんがいるよって(笑)。でも、完成させるのが大変だった。サクライには特に頑張ってもらいました。

キタ:リズム隊がキモの曲で、隙間で踊らせるみたいな手法が初めてだったんですよ。

マイマイ:隙間を空けたいんだけど、何をどうしたらいいかって正解を、みんななんとなく雰囲気であんな感じなんだろうなと思いながらも、実際に音を出すと"それじゃない"の繰り返しで。"それだ!"っていうのが出たときの、"それ! それ! それ!"っていうのはすごかった(笑)。