BALLOND'OR

INTERVIEW

Japanese

BALLOND'OR

2017年07月号掲載

BALLOND'OR

Official SiteX

Member：MJM（Vo/Gt） NIKE（Gt） CREAMMAN（Ba） AKAHIGE（Dr） †NANCY†（Syn）

Interviewer：石角友香

－うまくいかない毎日に「Born Slippy (Nuxx)」を聴いてる人にとっては、単なるダンス・チューンじゃないですよね。†NANCY†さんは？

†NANCY†：なんか憧れというか......日常を映してるだけだと思うんですけど、ほんとにかっこよすぎて。"T2"でも昔の場面がちょくちょく出てきたときに、"うわ、かっこいい！"って。やっぱりかっこよさって人生の中でも一瞬だなと思いました（笑）。

CREAMMAN：最初に"トレインスポッティング"を観て、見たかった世界に片足突っ込んだみたいなイメージだったんですけど、年月が経って"T2"が上映されて、フラッシュバックの映像を見たときに、あの当時の自分をつかみ出されるというか。頭の中とか精神的にある衝動的なジャンクな部分が、ずっと自分の中で続いてるんだなっていうのが観た感想です。

AKAHIGE：あの映画を観てて思うのは、登場人物がクズどもじゃないですか？でも、すごくキラキラしてて。すげぇ両極端だなと思うんですけど、それを見ていくうちに、すげぇ納得いったんですね。今、BALLOND'ORってバンドをやってて、ま、結構クズみたいな感じで（笑）。そいつらが唯一キラキラする、そういうバンドでありたいなと。それは映画を観てなおさら思ったことですね。

－BALLOND'ORを語る際にマストな映画だったという。話は変わりますが、†NANCY†さんは紅一点ですけど、存在感が最近の日本のバンドとちょっと違いますよね。

†NANCY†：よく言われます。男よりもきついパッションがあるというか。

－ATARI TEENAGE RIOT的な。

†NANCY†：好きですね。力強い女性はかっこいいなと思って。かわいいよりかっこいい方が好きです。私はもともとBALLOND'ORのファンとしてバンドに入ったんで、MJMが作る曲、歌詞が好きっていうのが一番じゃないですかね。MJMはたしかにややこしいんですけど、それを上回る魅力があるなと。

MJM：最初は頑なに彼（NIKE）が、女の子を入れるのは嫌だって言ってて。でも、†NANCY†が持ってきたデモみたいなのがあって、それがもうわけわかんない、THE PRODIGYとかTHE SLITSとかを流して絶叫カラオケしてるやつで、僕は"あ、これかっこいいな"とすごく思ったんですね。上手い下手じゃなくて。たぶん、BALLOND'ORに入ったらかっこよくなるんじゃないかなと思って。入って1週間後に喧嘩しましたけどね（笑）。彼（CREAMMAN）は、最初に会ったときに"何もできない"って言ってたんですよ。でもなんか一緒にやったら、パンクできそうだなって感じたので、スタジオに連れてきて。

NIKE：MJMが"こういう奴がいたから、入れない？"って連れてきたから、"何できるの？"って聞いたら"なんもできないよ、俺"って。

MJM：で、おかし食べながら、僕らをなんかすごい見てて。そしたら終わったあと、"俺の方がパンクだな"と（笑）。

NIKE：一応、ギターとかを鳴らしてるんだけど、割って入ってきて、じっと見て、"OASIS合唱しない？"とか言って（笑）。

CREAMMAN：ははは！やってる曲がわからないから、"じゃあOASISやろうよ"って。そのとき、みんなでわっとぶっ壊したいと思ったんです。

－それぞれが全然違う個性の、でもエネルギーを持ってる人を呼んでしまうバンドなんでしょうね。

MJM：彼（AKAHIGE）を連れてきたのはNIKEなんです（笑）。

－それはどういう成り行きで？

NIKE：もともと友達で、彼がドラムをやってることも知ってたんです。で、音楽の話とかをする友達で、よく飲みに行ってて。あるとき、彼がいたずらで居酒屋でできたてのサンマの塩焼きを僕のジーパンにすり込み始めたんですよ。それがほんとにムカついて、人生で初めて"表出ろよ！"って言ったら――

AKAHIGE：殴り合いになっちゃって。

NIKE：ボコボコに殴られて。そのころ、ドラムがいなかったんですよ。で、パワー・ドラマーが欲しかったんです、振りかぶる系の。

－着地点がギャグになりそうな気配が（笑）。

NIKE：いや、これマジで。腕力のあるドラマーが欲しかったんで、MJMに伝えて。

MJM：それを言われたときは、顔がほんとに試合後の亀田興毅選手みたいに膨れ上がってたんですよ。で、"いいドラマー見つけたから、どう？"って言われたんですけど、そんな殴る奴は嫌だなと思って。でも会ったら、話に聞いてたのと全然違って。

－なんでなんですか？いたずらっ子なんですか？

AKAHIGE：いや、そんなことないんですけど。そのときは話してたらムカついてきて。

NIKE：でも、彼のドラムは僕は好きです。そこが良ければ別にいいんです。