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INTERVIEW

Japanese

DJ和×芦沢ムネト

2017年06月号掲載

DJ和×芦沢ムネト

レコード会社の垣根を越えた邦楽ロック40曲が集結した、DJ和によるノンストップCD『フェス、その前に』のロング・ヒットを記念して、芦沢ムネト描き下ろしによる"フテネコ"ジャケット仕様で6月1日より新装発売される。今回、その発売を記念してDJ和×芦沢ムネトの対談が実現。共に演者としてステージに立つ側でもありながら、あくまでも音楽を楽しむファンとしての目線を持っているだけでなく、"意外とパリピじゃない"共通点を持ったふたり。CDを聴きながら、"フェスあるある"で爆笑の連続となったこの対談を読めば初心者も安心してフェスに参加できること間違いなし!

DJ和 芦沢ムネト
インタビュアー:岡本 貴之 Photo by Aiste

-今回は『フェス、その前に』の"フテネコ"ジャケット仕様発売記念対談ということでおふたりにお越しいただきました。

DJ和:ありがとうございます。よろしくお願いします!

芦沢:よろしくお願いします! 『フェス、その前に』が最初に出たのっていつでしたっけ?

DJ和:2016年2月ですね。

芦沢:じゃあフェスの時期よりもだいぶ前に。

DJ和:そうですね、"今年どのフェスに行こうかな?"ってみんながフワーっと考えているくらいの時期ですね。今回は新しいものを出すというよりも、タイミング的にもバッチリな時期にもう一度リリースしようということで。新しいジャケットというか、スリーブを何か新しくしたいなと思って芦沢さんにお願いしたんです。

芦沢:今回はありがとうございます、僕を選んでくれて。

DJ和:今回は趣向を変えてバーンとインパクトのあるイラストがいいかなって。やっぱり芦沢さんの"フテネコ"のイラストを知らない者はいないと思うので。

芦沢:いやいや、そんなことないですよ!

DJ和:収録曲も、どっちかというと今フェスに行っている、アクティヴに動く若い方に聴かれる曲というのもあって、そういうところにもガッツリ当たるのはやっぱり芦沢さんのフテネコかなと思うので、描いていただいて大変ありがたいです。

芦沢:大変光栄です。でも、イラスト描く方は他にもいっぱいいらっしゃるじゃないですか?

DJ和:僕は普段、スマホを開いたらすぐTwitterを見るんですけど、やっぱり毎日のように(フテネコが)出てきますからね。お見かけするときのインパクトは計り知れないなと。今回は、表面のインパクトがまず最高なんです。

-イメージなどは事前にお話しされたんですか?

芦沢:直接は話してはいなかったんですよね。

DJ和:僕はもう、"描いていただけるなら何でも"くらいの感じだったので、あとはお任せというか。

芦沢:最初は裏面の"フェスあるある"を表にしようとかいろいろな案があったんですけど、ごちゃごちゃしているとわからないかなと思って。なのでもう、"フェス!!"って言ってればいいんじゃないかなっていう(笑)。

DJ和:ただ言っているだけという(笑)。

芦沢:ただ言ってるだけで"なんでフェスって言ってるんだろう?"っていう方でも、"何かフェスに関することなんだな"っていうのはわかるじゃないですか。

DJ和:この汗のかき具合とかヤバい(笑)。

芦沢:これは前回のジャケット(のモチーフ)がお薬だったので、フェスに行きたいけど行ったことがない人がどうしようという状況の顔なんです。スタッフさんにラフでこれを描いて見せたら、"これ、いいんじゃないですか"って言うから"大丈夫ですか? これが出ちゃうんですよ"って言ったんですけど(笑)。

DJ和:いや~、結果これが最高です、本当に。これを見た瞬間に"やった!"と思いました。まぁ超笑ったんですけど(笑)。それと、この裏面の"フェスあるある"の細かさ。"⑨来年も行こうと決心する"のイラストに"DJ和"って描いてあるのを見て、すごく嬉しかったですね。

芦沢:これは入れないと。小さくて申し訳ないんですけど。

DJ和:いやいやいや。こうやって入れていただけるのが嬉しくて。

芦沢:⑨は最後、完全にホテルに行ってる絵なんですけど。もうフェス関係ないじゃねぇかっていう。何人かいるでしょうからね。

DJ和:"スー"って(笑)。まぁでも、それも醍醐味というか。こういう"あるある"とかって僕ら、CDのジャケットだとなかなか言えないですし、フテネコの絵でこうやって言ってもらうとすごくポップになって。"わかる、そうそうそう!"っていうのはありますね。

-DJ和さんが特に共感したあるあるってありますか?

DJ和:たいがい全部なんですけど、"①タイムテーブルにパニくる"とか。"うわぁ~"みたいな。今年の夏はどっちかに懸ける、みたいなタイムテーブルを見て考えるところからフェスって始まるじゃないですか? 現地に行く前からすでに楽しいというか。

芦沢:そうですよね。で、タイムテーブルどおりにいかないこともありますしね。"④目当てじゃないアーティストに出会える"もそうですけど、友達が急にこっちに行きたいって言い出して。

芦沢DJ和:(同時に)"えぇ~!?"みたいな。

芦沢:それが意外と良かったりして。

DJ和:"俺好きだわ"ってなったり。

芦沢:"あの曲やってないからもうちょっと見るか"とか。

DJ和:あと、"③会場の大移動にビビる"。移動に巻き込まれてステージの方まで辿り着かないこともあるし、移動についていったらすごくいいアーティストに出会えたりとか。

芦沢:あれ、葛藤ないですか? 最後の曲であろう曲をやっているときに、みんなが次の会場に移動し出すんだけど、"いや、俺は本当に好きだからここに残るんだ"っていう人と、"ごめんなさい、私次の方に行きたいんです"っていう。

DJ和:ありますね~。しかも、ステージの中盤が一番移動に巻き込まれやすいというか、みんなが移動しているから移動しなきゃいけないんじゃないかって、そわそわしちゃって。

芦沢:そうそう。あれ、勇気欲しいですよね。"俺はここを動かない"っていう。演奏している側の気持ちになったらすげぇ嫌だろうなって。

DJ和:自分もDJとしてフェスでやらせてもらったりしていて、だいたい自分の何分くらいあとにこの人のライヴが始まる、というのがわかってやっているんですけど、やっぱり自分の持ち時間の後半とか、ちょっとずつ移動が始まるので"なるほど、なるほど"みたいな。

芦沢:"よぉーし、じゃあちょっと強いのかけるか"とか。

DJ和:そろそろ移動するだろうなっていう時間にアンセムを取っておいたりするんですけど(笑)。"まだいてくれ"みたいな。でも、もちろん移動してくれてもいいですし。

芦沢:まぁそれも醍醐味ですからね。

DJ和:やっぱりライヴハウスと違う醍醐味は、"⑤あえて生歌のBGMを楽しむ"ところにあると思うんですよね。特に夏フェスの場合って本当にこれだなって。僕もお酒飲んで遠くの方で歌っている歌をBGM代わりにしたり。

芦沢:贅沢ですよねぇ。"うっすら(奥田)民生の声が聴こえる~!"みたいな。

DJ和:偉そうに"プハァ~"みたいな(笑)。あれがもう、音楽好きお酒好きの中では最上級だなって思いますね。このイラスト、完全に寝てますよね。

芦沢:絶対いますよね、"COUNTDOWN JAPAN"とか行くと、"お前何しに来たの?"っていうくらいコンクリートの上でうずくまって寝てたりとか(笑)。

DJ和:楽しんだ結果そうなってるのかもしれないですけどね。いやぁ、僕ら本当幸せだなっていうのをあれを見て思います。

芦沢:あと、本人が出てきたときに"本当にいたんだ!?"って思いますよね("⑦あの曲の本人がいる事に感動する")。アーティストっているのはわかっているんですけど、曲の中だけにいるような感じで。その本人がいるっていうことに、"そんなバカな!"みたいな。本当にいるし歌ってるという。

DJ和:"あ、あの人が出てきて喋ってる!"みたいな。

芦沢:"東京ー! って言ってる!"とか(笑)。そういうひとつひとつに感動しますよね。あと、観てるときに普通に後ろにいるときがありますし("⑧と思ってたら、後ろで普通に見てたりする")。

DJ和:ありますよね。僕も演者として行かせてもらっているときに見てると、バンドさんとか意外とみんなお客さんの方にどんどん行ってるんですよ。だからあとをついていったりして(笑)。みなさん好きだからお客さん側に行きたくなるんですよね。僕も永ちゃん(矢沢永吉)が出てきたときは行きました。

芦沢:永ちゃんこそ、"本当にいるんだ"ですよね。

DJ和:本当そうですよね。本物なのか疑うくらいの。

芦沢:わかります、わかります(笑)。めっちゃ雨降ってるときに出てきて、歌っている途中に晴れるみたいなのがあって。"すげぇな永ちゃん!"って思ったり。

DJ和:自分とは違う人間なんじゃないかっていうくらい。

芦沢:全部ドラマ仕立てに変えてくれるんですよね、ああいう人たちって。

DJ和:MCとかもひと言ひと言にハッとするというか。

芦沢:井上陽水の"お元気ですか?"くらいの(笑)。それだけでもう、"うわ~ありがとう、元気です!"みたいな。そういうのありますよね。