Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

INTERVIEW

Japanese

strange world's end

2017年03月号掲載

strange world's end

Member:飯田 カヅキ(Gt/Vo) 平 マサト(Ba)

Interviewer:岡本 貴之

3月22日に2ndアルバム『やっぱり、お前が死ねばいい。』をリリースするstrange world's end。そのあまりに強烈なタイトルに最初は聴くのをためらってしまったものの、いざ聴いてみると、胸に突き刺さる言葉たちを運んでくるのは不思議なくらい爽快感のあるメロディたちだった。特に、そこに至るまでのネガティヴな感情を一気にカタルシスへと変えるラストの「フロンティア」は感動的ですらある。メンバー脱退を経て3年ぶりのリリースとなる今作に、彼らはいかにして辿り着いたのだろうか。

-2014年4月リリースの1stアルバム『君が死んでも、世界は別に変わらない。』以来のアルバムになりますが、おふたりにとって3年の月日はどんなものだったのか教えてもらえますか?

平:最初の方は修行っていう感じでしたね。前のドラマーを仕上げる修行期間というか。

飯田:前のドラマーが2015年に脱退して、その後フルカワリュウイチ君(不遣ノ雨)がサポートで叩いてくれていて、ライヴも今作のレコーディングもやってもらっています。3年間を振り返ると、このアルバムの曲はほぼ全部あったんです。最初は11曲ではないイメージで作っていたんですけど、途中で残り2曲を足した感じです。ただ正直、前のドラマーが脱退したときは活動が思うようにいかなくなったので、制作モードにはなったものの、ちょっと精神的にキツい期間でしたね。

-修行期間だったというのは?

平:バンドとして、というか"バンドになる"ためにツアーを回りつつやっていた感じでした。

飯田:それが仕上がってきたかなっていうころに辞めちゃったので。なかなか動けなかったのがキツかったですね。2ndアルバムも本当はすぐに出す予定だったので、その間に配信シングルをふたつ出してはいるんですけど、1曲は前のドラマーの関根(ヒロユキ)君がいたときに録ったもので、もう1曲はリミックスを出しただけなので、とにかく新しい作品を出したかったんです。でも次に何かをやるにしてもメンバーが変わってしまったので、その新しいモードを見せないと、中途半端なところでは出せないなと思っていて。次はガッチリ作ってから動こうという感じでした。まぁ、ライヴ自体はやっていたんですけど。

-"バンドになった"という実感があったから作品に向かおうと思ったということでしょうか。

平:サポートのリュウイチ君が入ってからじゃないですかね。

飯田:そうだね(笑)。

平:リュウイチ君が入ってから2ヶ月くらいでもう録り出しちゃったんで。前のドラマーとの修行期間が長かったということです(笑)。今はもう、バンドです。

飯田:リズム隊が結構ガッチリしてくれたんで、歌ってギターを弾く方としてもだいぶ楽というか、いろいろとできるようになりましたね。

-アルバムのタイトルを見たときに、正直言うと"聴きたくないな"と思っちゃったんですよね。

一同:ははははは(笑)!

飯田:結構ヘヴィですからね(笑)。それは普通だと思いますよ。

-でも、聴いたら素直に曲が良かったので聴いてよかったです。特に最後の「フロンティア」(Track.11)はすごく救われる感じで。

飯田:あぁ、そうですね。ありがとうございます。

-このタイトルは1stアルバム『君が死んでも、世界は別に変わらない。』に対するアンサーみたいなものでしょうか。

飯田:繋がってはいるんです。strangeの曲はパラレルに作ってあって。アルバム・タイトルも曲タイトルも歌詞も、いつもニ面性を持たせているんです。前作も言葉の切る位置によってポジティヴにもネガティヴにもなります。今回は、どう見てもパッと見がかなりヘヴィに作ってあるんですけど、これをある方向から見るととてもポジティヴな言葉に変わるんですよ。それを聴いてもらうしかないんですけど。簡単に言うと、前作はどちらかというと内にこもっている人間なんですよね。今回は、その人間が外に向けてシフト・チェンジしたというふうに考えてもらいたいです。その人間が"やっぱり、お前が死ねばいい。"と思うということは、その感情自体はネガティヴではあるんですけど、外側に向いたということはすごくポジティヴなんですよね。そういう意味でタイトルをつけています。

-「敗北」(Track.1)の"叫んでいた胸の奥では 助けてくれ愛してくれと"、「接触」(Track.2)の"本当はずっと愛されたくて存在理由が欲しかっただけ"、「カレイドスコープ」(Track.4)"ごめんなさいごめんなさい本当は寂しいだけ"と、コミュニケーションを拒絶するよりも"求めている"気持ちの方が耳に残ったのですが、そういうところが以前と変わったところなのでしょうか。

飯田:なるほど。でもそこ自体はあんまり考えてないかもしれないですね(笑)。というのも、曲によって作っている時期が違うんです。これが全部同じ時期に作っていれば、そうとも言えるんですけど、「敗北」は結構古い曲だし、「接触」は一番新しい曲だったりするので。求めている感じ、というのはその中にあるのかもしれないですね。やっぱりどこかしらでリンクはしているんでしょうね。