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INTERVIEW

Japanese

HIGH FLUX

2016年12月号掲載

HIGH FLUX

メンバー:Kiyoharu Okabe(Vo) Taiju Wada(Composer/Manipulator)

インタビュアー:山口 智男

6人編成のバンドとして再スタートしたことを印象づけた『03』から約1年、ザ・チャレンジのメンバーでもあるTaiju Wada率いるHIGH FLUXが新作『04』をリリース。前作発表後、サポート・ドラマーを迎え、ツイン・ドラムの7人編成ライヴで披露してきた曲を中心に収録した今回の『04』。しかし、そこは変容的ダンス・ロック・バンドを掲げ、形にとらわれない活動を展開する彼らだ。バンド・サウンドだけに留まらない、これまで以上に多彩な作品になっている。WadaとKiyoharu Okabeに、多彩な6曲それぞれの聴きどころを訊いた。

-今回の作品はいつごろからどんなふうに作っていったんですか?

Wada:前作『03』(2015年リリースの2ndミニ・アルバム)を出して、リリース記念のワンマン・ライヴをやったんですよ。そのときに(今作の)6曲目の「Tomorrow」を披露しているんです。だから前作が完成したころにはもう今回の制作に入っていたんですね。そのころから地方にもライヴしに行きだして、メンバーは6人なんですけど、東京でやるときは可能な限り、ウツミ(エリ/vivid undress / Heavenstampサポート他)ってドラマーも加えて7人編成でライヴをやりながら、曲作りもして。だから今回、半分はもうライヴでお馴染みになっちゃっている曲を選びました。ライヴの手応えが良かったので、それを中心にレコーディングしてみようかって。

-ライヴでやっている曲っていうのは「Tomorrow」と?

Wada:「SHINE」(Track.1)と「Dance with Rock」(Track.2)ですね。サーキット・ライヴの30分のセットでも、誰も知らないのにその3曲をやっちゃうってことが多かった。僕たちのことを知らない人もまだ多いので、既存の盛り上がる曲をやった方がいいだろうなとも思うんですけど、自信がある曲だからやっていった方がいいんじゃないかって。今回、インストの「crack beats」(Track.4)の後半だけ、初めてツイン・ドラムでレコーディングしたんですけど、他の曲はライヴでツイン・ドラムなんで、今回、レコーディングするとき、シングルのドラムにアレンジし直したんです。だからライヴでやっている3曲も初めて聴くような感じで聴いてもらえて、それはそれで面白いのかなと。逆にCDで初めて聴いた人は、ライヴに来たらツイン・ドラムだからまたかなり違う印象になると思うし。

-全曲、ツイン・ドラムでレコーディングしようとは思わなかったんですか?

Wada:そこはシンプルにした方がいいと思って。「crack beats」も最初は全部シングル・ドラムでやるつもりだったんですけど、たまたまウツミが遊びに来て、Osamu(Hidai/Dr)が"じゃあ叩くか"って、突発的に(笑)。僕はそんなつもりなかったんですけど、やってみたらかっこよかったんで、そのままいこうかって。だから次はもしかしたら全曲ツイン・ドラムでやるかもしれない。

-そこも自由に。でも、その核には6人編成のバンドがまずあるんですよね?

Wada:この間、誰かと話したんですよ。アレンジも含め全部、側(ガワ=骨格)だなって。自分たちが何をやりたいかっていうと、いい歌なんですよ。ライヴをやるときはツイン・ドラムだし、打ち込みも入っているっていう、HIGH FLUXに対してそういうイメージがあると思うんですけど、アコースティック・セットでやったり、リミックスでやったりもする。それって側(ガワ)が変わっても、歌はいいメロディが核にあるから。それをいろいろな形で表現しているんです。アコースティック・セットのときは僕もいないんですよ。ヴォーカルとギターだけ。僕は物販で見ている(笑)。ベースとドラム抜きで、4人編成でライヴをやって、バンド感が薄まっても歌の魅力は変わらないし、フルの7人でやるときも聴かせたいのはやっぱり歌だし。サポートも含め7人で、その歌をロックに聴かせたいというのはあるけど、その根本はあくまでも歌なんですよね。

-バンド・サウンドに寄せた前作をリリースしたあと、ライヴにも力を入れ始めたから、今回、歌もバンド・サウンドも聴かせたうえで、ダンス・オリエンテッドなサウンドに戻してきたのかなと思ったんですよ。

Wada:そこはあまり意識していないです。結果そうなっただけで、1年間、ああだこうだ言いながら、今回は積極的にみんなの意見を取り入れるものと取り入れないものをはっきり分けたんです。前作は、みんなの意見を"そうかな?"と思いながら取り入れたところが結構あったんですよ(笑)。あのときはギターがもうひとり入って、Okabeも戻ってきて、"バンドやりたいんだ!"ってモードだったから、それを最大限に活かしながら着地したのが前作で。もちろん自分もちゃんと納得したうえではあるんですけど、今回はわがままを言わせてもらって、むしろみんなの意見を積極的に切り捨てました(笑)。それでここに着地したんです。前回もそういうふうに作っていたら、ひょっとしたらこういう感じになっていたかもしれないです。でも、わがままを言いながらもバランスを取ろうとするんですよ。そうすると"お前らしくない"って言うから、"じゃあ、いつもどおりに"ってやってみると、"そっちの方がいい"と言ってくれたりもして。だから、みんなも僕を引き立たせてくれるようなアプローチをしてくれたのかもしれないですね。

-じゃあ、ひとつの形に凝り固まらず自由に作っていったわけですね?

Wada:そうですね。ただ、個人的に1個だけ思っていたのは、ダンス・ロック=四つ打ちという風潮がちょっとあるじゃないですか。僕は昔からそれをやっていたから別に嫌だとは思わないんですけど、そこに乗りたくないなっていうのはありました。だから、全編ただひたすら四つ打ちの曲はないし、速い四つ打ちの曲ももともと作ってなかったんです。

-結果、今回の作品はそれぞれに違う魅力のある6曲が揃いましたね。

Wada:そんな感じでした? 個人的には、そういう印象はあまりないというか。いつも曲が似通らないように意識はしているから、今回、特に思いっきり違うことをやったという意識はなかったんですけど、同じようなことを結構言われるんですよね。だから、意外にそうなのかなって(笑)。嬉しい話なんですけど、言われるほどバラエティに富んだ感じには作っていない。

-もちろん、どれもHIGH FLUXらしいと思うんですけど、曲の印象はそれぞれに違う。

Wada:昔からお世話になっている九州のイベンターの方も同じことを言ってたんですよ。そう言われてみると、前作はバンド・サウンドでズバンッて感じでしたね。でも、今回はバンド・サウンドの曲もありますけど、そうじゃない曲もありますから。