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INTERVIEW

Japanese

Fo'xTails

2016年12月号掲載

Fo'xTails

Member:takao(Vo) テラ(Gt/Prog) 鳴風(Gt) 坂本 尭之(Ba)

Interviewer:吉羽 さおり

2015年2月、シングル『GLITTER DAYS』でメジャー・デビューを果たし、ラウドで力強く、キャッチーなサウンドで5枚のシングルを発表してきたFo'xTails。今年5月にドラマーが脱退し4人編成となったものの、止まることなく活動を続け、ついに1stアルバム『INCEPTION』が完成した。始まりを意味し、またtakaoのフェイバリット映画"インセプション"からインスパイアされ、リスナーの脳にFo'xTailsサウンドを植えつけていくことがテーマ。その内容はじつに百花繚乱で、バンドのレンジの広さや、意外なアイディアを"あり"に変えていくエネルギーが詰まっている。

-デビューから数えると約2年で、ついに1stアルバムが完成ですね。きっといろんなことを考えながら作り上げたアルバムだと思いますが、どんな作品にしたいと思っていましたか。

takao:幅の広いアルバムにしようと思ってました。最初、個人的にはもっとジャンルを狭めた方向で考えていたんですけど、メンバーから"takaoの声だったら何を歌ってもFo'xTailsになると思う。それは武器だから、幅広くやろうよ"っていう話があって。じゃあもっといろんな曲を入れてみようと。

-ある程度、制作期間を設けて集中的に曲作りを行っていったのですか。

takao:時間をかけた曲もあれば、1週間に何曲も作った時期もあってといろいろありましたね。とにかく目まぐるしすぎて。「Lost Tonight」(Track.11)なんかは1年前に作った曲なんですけど、アルバムに入れるためにアレンジを変えたりしました。

テラ:「Lost Tonight」は、まだアルバムの話もないころにtakao君がふと、"打ち込み主導の曲を作ってほしい"と言ったのがきっかけでとりあえず作りました。今回アルバムを作るとなったときに、takao君が率先して"この曲を入れたい"と話していて。そこからだいぶシンセの音色を作り直したり――この曲はアルバムの中で唯一生ドラムが入ってないんですけど。

takao:あえて、そういう曲にしたんですけどね。

テラ:全部打ち込みで。それは、この4人体制になって、生ドラムがない曲があってもいいんじゃないかというのも、アイディアとしてあったんですよね。

-今年5月にドラマーの峻洋さんが脱退して4人体制となりましたが、そのことで柔軟になった部分もあるんですね。

takao:メンバーが脱退して、それがマイナスで終わるのは嫌だったんですよね。俺たちのなかではお互いにプラスの選択だったけれど、聴いてくれる人からしたらマイナスとして捉えられる部分もあると思うんです。だったらそれを曲の強みとして出せないかってことで、じゃあドラムなしでやってみようよと振り切ってやったのが「Lost Tonight」です。

-制作自体もこの4人になってからのスタートですしね。そこはネガティヴには考えていなかったんですね。

鳴風:逆に言えば、レコーディングでは曲に合ったドラマーにやってもらえるので、楽しみにはなりましたね。

takao:それこそ今回のアルバムが幅広い曲で勝負をしているので、ドラマーそれぞれの色で変わる曲も結構あるんです。それがよく出ているなと思いますね。

-リズム隊でグルーヴを作り上げていくことでは、ベーシストである坂本さんは今回、曲によってドラマーが変わるぶん、やりにくさはなかったですか。

坂本:難しいところは実際ありましたね。でもレコーディングをしている最中にシンクロしていって、結果的により良いものができたと思いますね。キックのタイミングは本当に人それぞれで、心臓とリンクしているのか、全然違うんですよ。でもそれでいろんな発見があったし、自分もスキルアップしたなと。レコーディング後にいろんなものが見えるようになって、そういう意味でもありがたかったです。大先輩のドラマー 楠瀬タクヤさんと、一緒に対バンしていたICCHAN.(ex-BACK-ON)、ふたりのドラマーが参加してくれたんですけど、すごくいいものができました。

takao:いろいろアイディアも出してくれて。聴いてるこっちが楽しくなっちゃうんですよ、"それいいね!"って。

鳴風:編曲にクレジットした方がいいんじゃないかっていうくらいね(笑)。

-グルーヴということでは、テラさん作曲の「Footloose」(Track.6)が、跳ねのあるビートによる軽快な曲ですね。

テラ:この曲は"Footloose"というタイトルからテーマを決めたんです。"気ままな"という意味なので、じゃあ気ままに作ろうと。だからノリもゆったりとした、跳ねた感じでちょっと能天気な雰囲気がありますね。ただ、それだけでは面白くないから、リフをヘヴィにしたりキックを増やしたりもしていて。この曲もだいぶドラマーの方に助けていただきました。

takao:西海岸のイメージで叩くわーって(笑)。この曲は歌も気楽な感じで歌えて、能天気っていうテーマが楽しさとして出ました。

-これまでのシングルでのFo'xTailsのイメージが、こういう心地よいユルさとは対極の、エネルギーを迸らせて突き進んでいく印象が強いので、新鮮です。

テラ:楽器数としては音数が少ないんですけど、リフは難しいというか、ややこしい曲なんですよね......。

坂本:この数学的な感じがテラちゃんが作る曲。

テラ:シンプルなつもりではあったんですけどね。

坂本:聴いたときはシンプルだったんです。実際やるとなって音符を起こしていったら、ん? っていう。それはテラマジックですね。

takao:能天気とか言っておきながらね(笑)。