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INTERVIEW

Japanese

Jake stone garage

2016年11月号掲載

Jake stone garage

Member:ワタナベサトシ(Vo/Gt)

Interviewer:岡本 貴之

-そういえば、ライヴではシールドを抜いて手のひらに当ててノイズを出したりしていますよね。あれはどこから来てるんですか?

あれはRAGE AGAINST THE MACHINEのTom Morelloがやってるんですよ。別曲でのファズは元RED HOT CHILI PEPPERSのJohn Fruscianteが使ってたなっていうイメージで。だから実は着想はいろんなところからもらってるんですよ。

-音楽以外からも着想を得ることはありますか?

僕は結構いろんな本を読むんですけど、今はテクノロジーがすごく面白くて。AIだったりバーチャル・リアリティだったり、宇宙の方も今は民間の企業が頑張っていたりして。それって一歩進んだ発想というか、そういうのを見るとハッとするんですよね。自分が考える範疇とは違うことを考えてやっている人がいて。そういう刺激が僕はすごく好きで憧れるし、自分もそういうことをできる人でいたいので。音楽も、聴いて"うわぁ、こんなの初めてだ"とか、"こんな感覚あんまりなかったよな"とかを模索したいなとは思っているんですよね。

-かといって、エレクトロっぽいサウンドを導入してみよう、とかそういうことではないですよね。

そういうことではないですね、このバンドに関しては。以前のインタビュー(※2015年10月号掲載)でも言ってると思うんですけど、Jakeの人間がぶつかり合う、しのぎを削る感じは、せっかく3人でやっているからずらしたくないなというのはあって。それもありつつ、現代に生きているわけですから、何か新しい要素とか面白いことを加えていきたいなというのは常に考えてます。きっと今の時代みんな、そういうことを感じながらやってると思うんですよ。それこそ歌詞とかパフォーマンスとかもそうだと思うんですよね。だから表現者はみんな尊敬してますよ。みんなすごく頑張ってるなぁって。

-「Liberal Arts」は「シンディア」(2014年リリースのライヴ会場限定ミニ・アルバム『HEART』収録曲)にも似たテイストのダンス・ロックですが、こういうノリの曲はかなり好きなんですか?

好きですね。THE CHEMICAL BROTHERSとかJUSTICE、BOYS NOIZEとか、EDM系が結構好きなので。でもそれこそ打ち込みをやってもそういう人たちには勝てないので、この3人でそのテイストのものをやったら面白いのかなって。「Liberal Arts」や「シンディア」のリフは、たぶん打ち込みの方がしっくりくるんじゃないかなとも思うんですよね。だけどそれを人の手でやるのもそれはそれで面白いと思うんです。

-昨年に続き、今回のツアー・ファイナルでは12月5日に渋谷CLUB QUATTROにてワンマン・ライヴが行われます。前回は初めての渋谷CLUB QUATTROでのワンマンだったわけですが、どうでしたか?

すごく気持ちよかったですね。同時に、自分の中で課題がたくさん見つかりました。もっとできるな、という。あとはどのハコでやっても、大事なのは心持ちというか。大きいハコだろうが小さいハコだろうが、対バンだろうがワンマンだろうが、やっぱり自分というものを曝け出してやるしかないですよね。

-今回のライヴについてはいかがでしょうか。

この1年で3人それぞれやってきたものがあるので、それが合わさったら面白いよ、というものをやりたいですね。技術的な成長もありますけど、たぶんそれぞれが人としてスケールアップしていると思うんですよね。それと、やっぱりアルバムと同じですけど、気負いすぎずにそのまんま出せたらいいなと思います。あんまり考えすぎないでお客さんと一緒に楽しんでやりたいですね。


どんなライヴをやるバンドなのかをわかってくれているPAの大津君と一緒に作品を作れたことが大きかった


-『UNERU』はライヴ会場/配信限定ということですが。

今まで何枚か会場限定CDを出していることもあって、メンバー、スタッフ間で今回は会場限定にしようということになったんです。それと、今回は大津友哉君という、吉祥寺のPlanet KでPAをやっていたりKAGEROI love you Orchestraのミックスをやっているフリーのエンジニアさんがいるんですけど、彼とやりたいなというのがあって。大津君は東京に来てからライヴで一番PAをやってくれているんですよ。なので1回彼と音源を作ってみたくて、声を掛けたんです。今回は"大津君と一緒にやってみたい"という気持ちが大きかったですね。"こういうライヴをやるバンドなんだ"ということをわかったうえでミックス/マスタリングしてくれているので、それが非常に信頼感があって任せられましたし、こっちも安心して物が言えたので、本当に一緒にやれて良かったです。

-かなり密にやりとりしながら作っていったんですか?

RECは3日間で終わったんですけど、その後のミックスは結構やりとりしましたね。彼がたたきを作ってきて、僕がこうしたい、というラリーが何回かありました。そのラリーがうまくいかない場合もたくさんあると思うんですよね。僕らはありがたいことに、(前作をプロデュースした)深沼元昭さんや大津君とうまくできているんですけど、そういうところがなかなかうまくいかないという話もよく聞くので。

-今回はバンドのセルフ・プロデュースなんですよね。

そうです、全部バンドでやりました。ジャケットは丸々誰かにお願いしようと考えていたんですけど、できれば絵がいいなと思っていて。それでRegaのベーシスト、青木昭信さんに頼んだんです。去年やったKAGERO主催フェス"FUZZ'EM ALL FEST. 2015"でご一緒させていただいて。僕は前々からRegaが好きだったので、そのときライヴを観てやっぱりいいなと。それでSNSで調べてたら、青木さんが絵も描いているとのことで拝見して、すごく雰囲気のある独特の絵を描くなぁと思ってお願いしてみたら快諾してくださって。そこから"UNERU"というタイトルと、収録曲の6曲を送って"僕は青木さんの作品が好きなので、やりたいように描いてください"って頼んだんですよ。そしたら猪をモチーフにした下絵が来たので、"バッチリです!"って答えて、他に何かないか聞かれたので、"内なる狂気と静かな変態性が感じられれば、より良いです"と伝えました。もともと、青木さんの作品からはそういうものを感じていたので、たぶん何も言わなくてもそういう作品になるだろうなとは思っていたんですけどね。そうしたらこれが上がってきたんです。やっぱり独特な、なんともいえない不思議な魅力がありますよね。青木さんも曲を聴きながら描いてくれていることもあって、この絵を見ながら音源を聴くと、何か独特の波動、うねりを感じられるんですよ。紙ジャケなので、ぜひジャケットを広げて見ながら『UNERU』を味わって聴いてほしいです。