Japanese
午前四時、朝焼けにツキ
2016年11月号掲載
Member:五十嵐 一輝(Vo/Gt) 中元 秀哉(Vo/Ba) 三宮 広大(Gt/Cho)
Interviewer:山口 智男
"激情系「帰りたくなる」哀愁ロック"を謳う新潟の5人組、"ゴゼヨ"こと"午前四時、朝焼けにツキ"が、前作『カワラズ』からわずか10ヶ月で3枚目となるミニ・アルバム『飴玉泣イタ』を完成させた。前作は新たに迎え入れたメンバーとともにバンドを襲った危機を乗り越え、新たな一歩を踏み出したことを印象づける作品だったが、今回の『飴玉泣イタ』は、さらなる前進をアピールすると同時に、これから訪れる飛躍も予感させる作品となっている。前作発表後のツアーが大きな転機になったようだ。早速、メンバーの話を聞いてみよう。
-前作から10ヶ月で新しいミニ・アルバムをリリースするなんて、バンドの調子がどんどん良くなってきたことが想像できるのですが、それは"ゴゼヨ第二章"と銘打って前作をリリースしたあとに回った、全国ツアーの成果が大きかったんじゃないかと。
中元:前作はこのメンバーになってから初のライヴをする前に作った曲がほとんどだったんですよ。そのライヴが去年の3月で、そのときはすべて新曲で4曲やらせてもらったんですけど――
三宮:今回のミニ・アルバムはツアーに出ている間にできた曲ばかりなんです。
中元:ライヴをしながら、自分たちの足りない部分や、もっとこういう曲があればお客さんも楽しめるんじゃないか、ということに気づけていったので、今回はそれを曲作りに活かせたと思います。
-前作をリリースしてからのツアーは、ゴゼヨにとって初めての全国ツアーだったそうですが、初めて全国を回ってみていかがでしたか?
五十嵐:まぁ......。
三宮:疲れたよね(笑)。
一同:ハハハハ(笑)。
三宮:きつかったです。楽しかったですけどね。
渡邉:30本ぐらい回ったんですよ。
五十嵐:そもそも行ったことがないところに行くことが気持ち的につらいうえに、さらにそこでライヴをやらないといけない。それまで経験したことがないことだったから新鮮である反面、苦しさも大きかったですね。
中元:もともといたメンバーもそれだけの数を回ったことはなかったけど、ツアー自体は初めてではなかったからまだ良かったんですよ。でも、新しいメンバーは県外でライヴをすることがホント、初めてで。だから探り探りというか、初めて僕らを見るお客さんがどういう反応を返してくれるのか、いろいろ実験しながら確かめつつ回ってましたね。そこで掴めたものは結構大きかったのかなと思います。
-特に印象に残っているところは?
三宮:もちろん全箇所なんですけど、距離的な意味では福岡ですね。
中元:一番遠い場所が福岡だったんですよ。それにもかかわらず、お客さんがたくさん来てくれたんです。もともとブッキングをお願いしていたイベンターさんが飛んでしまったんですけど、ライヴハウスの方が動いてくれて、時間がないなかバンドを集めてくれたんです。ピンチはチャンスじゃないですけど、おかげで新しいバンドに出会えたし、お客さんともたくさん知り合えたっていうのは、ホントいい巡り会いでしたね。貴重な経験になりました。あとはやっぱり、新潟のツアー・ファイナルが――
三宮:一番楽しかった。地元だしね。
中元:ひとつの思い出になったかな。a crowd of rebellionとMy Hair is Badとの3マンだったんですけど、地元に帰ってきて、ほっとするみたいなところは全然なかったんですよ。逆に最後の最後がバチバチで、負けられない感じで(笑)。お客さんは"おかえり"って気持ちで迎えてくれたかもしれないけど。
五十嵐:僕らは新潟決戦みたいなところがありましたね。
今回はライヴを意識した作品でもあるし、メンバーの気持ちがひとつになった作品でもある
-そんなツアーの最中に作った曲が今回の作品には収録されているそうですが、ライヴしながらの曲作りはいかがでしたか?
中元:時間が限られていたのでバタバタとはしていたんですけど、ライヴしながらその場その場で感じたことを、曲作りにすぐに活かせたし、メンバー全員が同じ気持ちを共有できたという意味では、ツアーしながら曲を作るというのはひとつの方法としてありなんじゃないかって。もちろん、ゆっくり時間をかけながら作るのもいいと思うんですけどね。今回はライヴを意識した作品でもあるし、前作のときはまだオリジナル・メンバーと新たに加わったメンバーの気持ちにちょっと差があったと思うんですけど、その気持ちがひとつになった作品でもあるし。同じ時間をたくさん共有できたのはすごく良かったですね。
-前作でアピールしていた"ゴゼヨ"サウンドを踏襲しつつ、今回はさらに新しいことに挑戦している印象がありました。それはさっき言っていた、自分たちに足りないところだったわけですね?
三宮:「花魁大行進」(Track.3)のようなミドル・チューンの曲が欲しいという話はしてましたね。
中元:あとは「夏と音」(Track.5)みたいな優しい曲も。
五十嵐:足りないというか、いらないと思っていたものを取り入れるようになりましたね。
中元:今まではゴゼヨってバンドを片側からしか見ることができてなくて、僕たちがその名前に縛られて、こうでなきゃ"ゴゼヨ"サウンドじゃないって思っていたところがあったんですけど、いろいろなバンドのライヴを見せてもらったなかで、自分たちの音楽の幅がさらに広がったんです。
五十嵐:柔軟になったよね。
中元:ミドル・チューンとか裏打ちのリズムのダンス・パートじゃないですけど、ガッとアゲられる曲を入れてみようって考えられるようになったのは、別アングルから自分たちを見つめ直すことができたからなのかな。
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