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INTERVIEW

Japanese

NECOKICKS

2016年10月号掲載

NECOKICKS

Member:TAKUMI(Gt/Vo) HARA-KUN(Gt/Cho) YU-TA(Ba/Cho) KO-Ki(Dr/Driver)

Interviewer:秦 理絵

-"ちゃんとバンドをやろう"と思ったきっかけはあったんですか?

TAKUMI:KO-Kiがバックレて連絡がつかない時期があったんですよ。たまたまライヴがなかったから、あんまり迷惑をかけずに済んだけど、"どうしよう?"ってなってたんです。それが1ヶ月ぐらいしたら何食わぬ顔で帰ってきたんですよ。いろいろ葛藤して、地元に帰ってたみたいなんですけど、すごくすっきりした顔をしてて。

KO-Ki:そうですね......そもそも音楽はものすごく大好きですし、やっぱりやりたくてやってることだから、そのまま辞めるのは自分への裏切りだと思ったんです。もちろん、そのまま辞める気もなかったんですけど......。

YU-TA:あれは絶望の1ヶ月だったよね。

TAKUMI:その1ヶ月で、僕らもどうしようとか考えるじゃないですか。大学3、4年のころだったから、将来どうしようか? とか。でも、そこでKO-Kiが帰ってきたのが俺らはすごく嬉しかったんです。たぶん、そのへんからバンドが締まったんですよね。自分たちでCDを作ったり、バイトでお金を貯めてMVとかジャケ写のデザインをちゃんとした人にお願いしたり。今まではがむしゃらにやってたけど、どうすればもっと自分たちの音楽が広がっていくのかも考えるようになったんです。

YU-TA:そのころからリリースが始まるんだよね。

-そろそろHARA-KUNが加入するタイミング?

HARA-KUN:もう少しです(笑)。

TAKUMI:2014年に作った「1秒先の未来」(『ネコキ名人スーパーベスト』収録曲)のMVが、驚くぐらいいろんな人に見てもらえるようなったんです。それで今の事務所に入ることになったんですけど、そのタイミングで――前のギターがちょっと......すごい人だったんですよ。

YU-TA:大学の研究者なんです。

TAKUMI:そっちで成果を出してたから、背中を押してあげなきゃなと思って。それで、新しいギターを探そうかってことで、HARA-KUNに声を掛けたんです。

HARA-KUN:急にTwitterでDMが来たんですよ。"実はギターが辞めるんだよ。明日話しに行くから時間ある?"って言われて、次の日に会いに行ったんです。

TAKUMI:それで、とりあえず研修期間じゃないですけど、俺らの全ライヴにスタッフとして来てもらって、その空気感に馴染ませていこうってことをやったんです。結構ハードだったと思うんですけど、脱退が決まってからずっと足を運んでくれたんですよ。それでグルーヴも出てきたから、気持ちの面ではスムーズな加入でしたね。

-最初はメロコアだったっていう話でしたけど、みなさんが好きな音楽は似てるんですか?

TAKUMI:みんないろんな音楽を聴くけど、唯一共通してたのがメロコアだったんです。ちょうど高校生ぐらいのときにdustboxとかlocofrank、Northern19を聴いてて。

KO-Ki:HAWAIIAN6とか。

TAKUMI:ちょうどそこが世代だったから、共通して聴いてて。そこに自分たちがもともと持ってる音楽性をボンッと出してミックスしたりしてましたね。

-つまり、ネコキのロックはメロコアが根っこにはあるんだけど、なかなかかっこつかなくて......いろいろ幅広い音楽を取り入れたら、結果的に今の形になったと。

TAKUMI:だから最初のころは"お前らの音楽性はわからない"っていろいろな人に言われましたけどね。でも"別にいいや"って思ってたんです。メロコアだったらメロコアだけ、ロックだったらロックだけじゃないといけないのか? って。そうじゃなくて、自由にいろんな曲をやったってよくない? みたいな感じの芯は最初からあったかもしれないですね。それがあったから、あんまりブレずにやれたのかなと思います。

YU-TA:"自分たちらしさ"をそこまで深く考えながらやってたわけじゃないんですよ。やりながら漠然と"あ、これが俺らには合ってた"っていうのを感じられたというか。2ビートとか自分たちが好きだったものを消化して、やっと今回のアルバムぐらいから自分たちの振り幅を出せるようになってきたって感じはありますね。

-なるほど。そうやって辿り着いたのが今回のアルバム『パパはNewギニア』ですね。初めて新曲で作るアルバムということで、どんな作品にするか決めてたんですか?

TAKUMI:プロの人たちはアルバムを作るってなったら、ストーリーを考え込んでバンッと作るのかもしれないけど、僕らはそれができなかったんです。だから自分たちが今思ってるものをいろいろ作って出し合ったら、全体的にまとまりが出てきたというか。全体を通してすごく面白みがあって、良い意味で攻めたものができたんです。初めてアルバムをイチから作るってことも不安だったんですけど、それも良いテイストとして出てるかなと思います。変に上手く作られたアルバムというよりは、"1枚目らしいアルバム"って感じですね。

-制作の不安は作っていくうちに解消されました?

TAKUMI:結構悩んでたんですけど、"俺が歌ってみんなが演奏すればネコキ節になるっしょ"みたいな。そこだけは安心感があったから。あとは1曲目の「ワンダーワンダー」かな。良い意味で可能性が見えた曲なんですよ。今までのネコキらしさもありつつ、新しいこともできたので。やっぱり作品を出すときには成長した姿を見せたいというか、こいつらちゃんと前に進んでいるんだなっていうのを出さなければダメだと思ったので。その前にも良い曲はできてたんですけど、「ワンダーワンダー」ができたときに安心したんです。まだまだ俺たちはいけるなと思いましたね。