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INTERVIEW

Japanese

BLAST

2016年10月号掲載

BLAST

Member:生田 鷹司(Vo/東雲 大和)

Interviewer:沖 さやこ

-まず表題曲のTrack.1「Dreamer」についてうかがいたいのですが、この曲を初めて聴いたとき、生田さんはどう思われましたか?

"めっちゃかっこいい! これ俺が歌えるの? 嬉しい!"って感じでした(笑)。実はこの曲ができたのは、PENGUIN RESEARCHが結成して初めて作った「スポットライト」(2016年6月リリースの2ndシングル表題曲)しかPENGUIN RESEARCHの持ち曲がなかったころなんです。上京したての僕には"這い上がれ 傷だらけのDreamer"という歌詞がすごく自分とリンクして――晶太の曲はどの曲にも自分の気持ちにスッと入ってくる歌詞があるんですよ。本人はたぶん無意識なんですけど(笑)、それによって励まされることは多いです。

-東雲大和として歌ううえで心掛けていることは?

最初にレコーディングしたときに"(大和のことを)あんまり考えすぎないでいいよ"と言われたんです。もともと大和は熱くてまっすぐな性格なので、そのキャラクターの性質を意識して歌うよりは、僕が感じたままを熱く歌う方がいいなと思って。だからそこまではっきりと(生田鷹司と東雲大和の歌唱を)分けようとはしてないです。でも実際聴いてみるとちょっと違うところはあったりして(笑)。PENGUIN RESEARCHで歌うときは熱さに加えて、魂が揺れるというか、気持ちがぐわーっとなる感じがあるんですけど、BLASTのときは"俺はストレートだ!"というくらい熱いものをまっすぐドン! って出しています。同じ"熱い"でもちょっと方向性が違うというか、"東雲大和として"というよりは、楽曲を理解して歌うようにしてますね。意識して変なクセがつくのは嫌だし、大和はそういう歌い方をしないだろうなと思うし(笑)。

-そうですね(笑)。「Dreamer」は1年以上前からあった曲とのことですが、カップリングとして収録されている「Objection」はいかがでしょう?

こっちは最近ですね。録音したのも8月くらいです。だから声も違うんですよ(笑)。「Objection」は速い曲だから、まっすぐな要素だけでなく僕が好きなクセを入れたいなと思って。

-たしかに「Objection」のヴォーカルは「Dreamer」よりも表情豊かですね。

だから「Objection」は楽しんでレコーディングできましたね。でもDメロの"どんなに真摯に生きて~"のラインがめちゃくちゃ速くて。こういう歌い回しの曲は好きなんですけど、"PENGUIN RESEARCHでもここまで速いのはないのにBLASTでそれやるかー! 聴くのは好きだけど俺歌えるかなー!"って(笑)。晶太からデモが届くときはだいたい歌詞がないので、最初はそのデモを聴きながらメロディを"ラララ"で覚えるんですけど、速すぎて"ラララ"の舌が回らなくて(笑)。だから実際のレコーディングでもそこはちょっとつまずきましたね。"これどうやって歌うの? 舌回らなくない?"と(笑)。

-でも最終的にはちゃんと乗り越えられたと。

そうですね。晶太の書く歌詞やメロディはいつもそうなんですけど、ハマるとすごく譜割りが気持ちいいんですよ。レコーディングで何度も歌っているうちに、すっとハマッていって。この2曲以外にもBLASTの曲をすでに何曲か録り終えていて、そのレコーディングでヴォーカルはかなり鍛えられましたね。BLASTは"アグレッシヴで熱い曲"がテーマにもなっているんですけど、その括りの中でバラードもあればポップ・ソングもあって、幅が広いんですよ。だからヴォーカルも対応力を求められて。それはやっていて楽しかったし、すごく成長させてもらえたなと思います。そういう流れで「Objection」のデモが上がってきたので、"あ、BLASTではこういう曲もやるのね!"と思った、ということです(笑)。

-ははは(笑)。ヴォーカルもオケも高校生バンドとは思えないテクの嵐......。

ははは(笑)! 上手すぎやろ! って感じですよね(笑)。

-堀江節が効きまくりで。

そうですよね。でもカップリングでここまで(堀江のカラーが強く出たものを)やってくれると、BLASTの今後の楽曲の幅もさらに広がるなと思うので、これからどんな曲が晶太から上がってくるのか、さらに楽しみになりました。「Objection」はストーリーに則った曲ではなくて、歌詞の内容が"やられても、それでも這いつくばって進んでいけ"という晶太が心に抱えていることだし、宗介が思っているようなことでもあるなと。BLASTは宗介が自分の思いの丈を曲に綴っているんです。だから「Objection」は特にそれが出たものになっていますね。

-堀江さんと宗介って似てますよね?

めっちゃ似てますね(笑)。背格好も似てるし、目のキリッとした感じとかも似てるんですよ! 宗介も上昇志向がすごく強いし、ヴォーカルも"中途半端な奴だったらいらない"という考えを持っているから、大和を誘うまで16人もヴォーカリストをクビにしてるし(笑)。


声優の経験はすごくヴォーカルにも活きている


-"バンドやろうぜ!"は主に4つのバンドのストーリーでゲームが進行していきますが、それぞれのバンドにそれぞれの物語があって。そこもリアルですよね。

BLASTは高校生バンドなので"ここから行くしかない!"という気持ちに溢れていますけど、プロとして活動していたけれど一旦離れて、それでももっと上に行きたいというバンドもいるし、かたや"男の娘バンド"もいるし(笑)。僕も高校生に戻りたいと思ってたので(笑)、高校生のバンドマン役を演じられるというのは嬉しいですね。

-これから大和での経験がPENGUIN RESEARCHに活きてくるでしょうし。

あ、もうめっちゃ活きてるんです。晶太にもよく言われるんですけど、大和含め声優として演技をやるようになったうえでPENGUIN RESEARCHのレコーディングをしていって――いつも僕らは歌詞の意味の擦り合わせをするんですね。晶太が"この曲はこういう気持ちを込めた"とか"この歌詞はこういう意味だ"と想いを語ってくれるんですけど、最近僕のヴォーカルを聴いて"前以上に歌詞のキャラクターになりきっている"と言うんです。だから声優の経験はヴォーカルにもすごく活きてますね。ギターを弾いてた時代はリズムや気持ちいいメロディを優先していたので、歌詞のことをあまり深く考えていなかったんですけど、歌詞に込めた想いを実際に聞いたり、演技をしたりするようになって僕も言葉を吸収し始めて。だから大和を通して僕もすごく成長しました。

-ちなみに、生田さんは実際にゲームをプレイしましたか?

テスト版をやらせてもらいました。あんまり詳しくは言えないですけど、メインのリズム・ゲームの最中もいろんなところに見どころがあって、楽曲も聴きたいし、カットも見たいし、プレイもしたいし、アニメも見たいし......"どうすればいいんだ!?"と思うくらい(笑)。BLASTのストーリーだけでも面白いのに、それ以外に3つも面白いストーリーがあるなんて! ライバルのバンドもたくさんいるので、ぜひゲームも楽しみにしていただきたいですね。

-いつかBLASTのワンマン・ライヴが観れたら、とも思うのですが。

ワンマン!? その発想はなかったなぁ。でもたしかにBLASTでいろいろ曲も録ってるし、やろうと思えばできるかな......。うん、BLASTでワンマンやりたい! ちょっと考えてみますね。