Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

INTERVIEW

Japanese

プププランド

2016年10月号掲載

プププランド

Member:西村 竜哉(Vo/Gt) 吉川 淳人(Gt) 谷 朋彦(Dr) 田中 隆之介(Ba)

Interviewer:山本 真由

2012年に神戸にて結成されたオルタナティヴ・フォーク・ロック・バンド、その名も"プププランド"。この不思議な名前はもちろん、ゲーム"星のカービィ"に登場する架空の地名だが、そのユルくてかわいいバンド名にぴったりの親しみやすいフォーク・ソングを奏でる4人組だ。2枚目のアルバムとなる今作『Wake Up & The Light My Fire』では、これまで以上にオルタナティヴ・ロックのテイストが強いギター・サウンドに挑戦したり、これまでにないリズムを使ったメロディを採用したりと、確実に進化している。そんな彼らのサウンドの秘密をメンバー全員にメール・インタビューで教えてもらった。

-まず気になったのがバンド名ですが......"プププランド"というのは、ゲーム"星のカービィ"に登場する架空の地名ですよね? これをバンド名に採用したのはどなたのアイディアですか?

西村:これは僕です。そこまで深い理由はなかったんですが、大学のときから"そんな名前のバンドがいたら面白いかな~"と思ってまして......。なんで面白いかっていうのは......自由なというか、アホみたいなというか、"そこつけんの!?"みたいな感じが好きで。

吉川:"プププランド"って名前のバンドが出てきたら、何が起こるかわからないみたいな感じがあっていいなーと思ってます。

-2012年に神戸にて結成とのことですが、メンバーみなさん同じ地元ということでしょうか? 結成の経緯について教えてください。

西村:オリジナル・メンバーは僕だけになっちゃったんですが、大学の卒業ライヴで、そのへんにいた軽音部の後輩とコピバンを組んで。そのバンドはそれで終わったんですが、"ライヴハウスでもライヴをやろう!"って話になったときに、初代のベースと他2人とでバンドを組んだんです。そのバンドにも、気に入ってた"プププランド"って名前をつけてライヴ活動を始めました。

田中:今のメンバーは、その当時は全員別々のバンドをやっていて、同じライヴハウスで活動してました。

西村:オリジナル・メンバーも各々バンドを組んでいて、最初は遊びくらいの感じだったんです。

-プププランドのサウンドは"オルタナティヴ・フォーク・ロック"とも言われていますが、たしかにちょっと懐メロ的なフォーク・ソングの響きもあり、インディー・ポップのような軽やかさもあり、親しみやすさを感じました。こういった音楽性に至ったのには、メンバーそれぞれの音楽的趣向が反映されているのでしょうか?

西村:オルタナとかインディー感でいうと、自分の影響が強いかもしれません。

吉川:ベースのたなりゅーさん(田中)が入って、完成した感じがあります。ただ、全員の趣味が全然違うんで、全員が少しずつ影響を与え合ってる気はしてます。

西村:歌を大切にする"歌モノ感"はたなりゅーさんが入って強くなったと思いますし、ドラムの谷さんが新しく入ってからはロック色がグッと強くなった感じはします。

-全体的なサウンドの印象で"親しみやすい"という言葉を使いましたけど、特にヴォーカルの西村さんの歌い方が特徴的で、いい意味でなんだか若者らしくないというか、独特の懐かしい響きがある気がするんです。歌唱法というか、発声の方法には何かこだわりがあるんでしょうか?

西村:特にこだわりはないんですが、昔の吉田拓郎さんみたいな70〜80年代のフォーク・シンガーが好きで。声も似てたというか、系統が近いというか、高い声で長く歌えないっていうのもあって、このスタイルに落ち着いてます。

-今作からドラムの谷さんが新たに加わったということで、多彩なリズム表現が曲ごとに雰囲気を出す重要な役割を果たしているように感じました。これまでの作品と比べて、作曲の幅が広がったり、チャレンジできたと思う部分はありましたか?

西村:「MUSIC」(Track.1)と「ウェイクアップ・アンド・ザ・ライトマイファイヤー」(Track.9)は特にそうだと思います。

吉川:谷さんはどんなジャンルでも叩けるし、引き出しがすごく多い。ノリというかグルーヴ感を出すのが上手いので、ロック感が強くなりました。

西村:谷さん自身、ロックが好きっていうのも大きいかも。プププランドにとっては意外と新しい感じでした。

谷:逆に最初、"どうしたらいいんやろ?"って思ったりもしました(笑)。プププランドはフォーク・サウンドというか、ユルい感じだけど、自分はそこまでユルいのが得意じゃなかったりもしたので、"どうなるんかな?"って。ただ、それ自体もどう転ぶんだろうっていう、楽しみな部分もありました。

-ちなみに、作曲についてはどのようなプロセスで行っているのでしょうか?

吉川:いつもはタツヤ(西村)が曲を持ってきて作るんです。メロディ、歌詞、コードをタツヤが作って、そのあとみんなで"こうしよう"という感じで。

-今作の曲は今までの作品とは異なり、各メンバーが作曲に挑戦したようですが?

谷:単純に楽しかったです。例えば、(吉川作曲のTrack.5)「夏」は、"どんなリズムにしよう?"とか、「MUSIC」や「ウェイクアップ・アンド・ザ・ライトマイファイヤー」は、ホントにゼロから作り上げてる感じがして楽しかったです。

吉川:今まではタツヤが全部作ってたので、作る大変さがよくわかりました。

-今作の歌詞は、なんだか誰かの日記でも読んでいるような気恥しさがあったり、それゆえにグイグイと惹き込まれてしまう部分もあったりします。

西村:今回のアルバムでも......ですかね? あんまり自分では意識してないかも......。

吉川:でも、ストーリーが思い浮かぶと思います。映画のストーリーみたいに、情景が浮かぶ感じというか。他のバンドもそうかもしれないですが、自分のことじゃなくて、誰かのことについて歌ってるからそういうふうに見えるのかもしれません。

西村:捻くれた歌詞というか、難しい表現ができないんですよね(笑)。