Japanese
少年がミルク
2016年09月号掲載
Interviewer:吉羽 さおり
"ぜんぶ君のせいだ。"や"ゆくえしれずつれづれ"などを擁するコドモメンタルINC.所属のシンガー・ソングライター"少年がミルク"の1stミニ・アルバム『KYOKUTO参番地セピア座』が完成した。ドラマ性の高いピアノ・サウンドを背景に、チャイルディッシュなヴォーカルが描くのは、ひとりぼっちで、悲しくて、それでも凛と生きている人々の群像劇のようなもの。時にJean Cocteauが描いた子どもたちのように、残酷でアンチ精神にも満ちていたり、いつだって人生の深い淵を覗き込んでいるしたたかな強さもあったりする。心のあたたかな部分から深い混沌まで、恐れることなく書こうという意志を感じる作品だ。
-これまでもsyamとして音楽活動をしてきて、今この"少年がミルク"ではより純度の高い自分の思いを表現できているとうかがっています。ここでは、自分のどんなところを表現したいかという考えはあったんですか。
私、本当に個性がなくて。ないというか......自分の中に、いっぱいいるんですね。それを全部、うまく使えたらなと。誰かみたいになろうというのは、無理だなと思ったんです。
-その自分の中にいる、いろんな気分の自分だったり気持ちを、全部出してあげようと?
せっかく自由にやらせてもらえる場があるならと。なかなかないと思うんですよね、こういうふうに常にブレブレな感じを、"いいじゃん"って言ってもらえるようなことって。
-たしかに、自分が持つすべてを表現できる場があるのは大きいですね。例えば自分の思いを余すことなく伝えようというときに、J-POPの基準に合わせようとすると、もっとわかりやすい言葉にした方がいいのでは? とか、そういうことも言われてしまうと思うんですよね。100の思いを100で伝えたいけれど、70くらいの言葉にして、もっといっぱいの人に伝えていこうとか。
そうなんです。
-そういう言葉や歌詞に関して今、妥協がないんですね。
曲ごとに、どんどん自由度は増しているというか。私も探り探りで、どこまで許されるんだろうなっていう感じで書いてみたんですけど。レーベルは"全然いいよ"って言ってくれたので。それならと、スラスラ書いて(笑)。以前、アーティスト活動をしていたときは、歌詞に制約があったり、きちんとした先生みたいな人がいて、"この日本語はおかしいよ"とか、そういうところもちゃんと守っていたんですけど。今は自由でほんとに楽しいですね。
-その、正しい日本語を使わなければいけない、文法を使わなければいけないとなると、自分の気持ちとはズレが出てきてしまう?
きっと、伝えたくない人にまで伝わるんだろうなと。そういうふうに、見られたくない目で見られるのかなっていうのは、ずっとありました。ほんと、面倒くさいんですけどね(笑)。
-音楽としてもそうだし、表現をするには自分の思いをきっちりとその曲や言葉に差し込まないといけないという思いが強いんですよね?
そうです。そこだけを強く持ってやっていかなきゃなって。もともとが、弱い人間なので。
-自分で何かを書きたい、表現したい、歌いたいという原点は何だったんですか。
小さいころから、音楽や楽器をやってきたわけではないのですが、詩や絵を描いているような子供だったんです。友達もいなくて、母親も帰ってくるのが遅かったので、当時お母さんが聴いていた長細いケースに入っていたCD(8センチCD)をずっと聴いていたんです。なので、ああいう時代の暗さというか、それがもとにあるんですかね。
-お母さんは何を聴いていたんですか。
UAとかでしたね。それで、YEN TOWN BANDの『Swallowtail Butterfly ~あいのうた~』(1996年リリースの1stシングル)が大ヒットしたじゃないですか。あの曲を、意味がわからないなりに聴いて、ずっとひとりで歌っていたんです。そこから、歌う行為が好きだなっていうのはありましたね。でも声が変なので、よくいじられたり、いじめられたりもしていて。早い段階から、自分で自発的に活動することはできなかったんです。この、"歌うことが好き"だとか、歌をやりたい気持ちは絶対誰にも言えないなって思ってました。
-「Swallowtail Butterfly ~あいのうた~」を聴いたとき、子供ながらに何を感じたんでしょう。
なんていうのかな......"悲しいって好きだなぁ"って思っちゃったんですよね。そこから面倒くさいことになったんですかね(笑)。
-それまでは、そういう自分の思いにちゃんと当てはまる言葉がなかった?
そうですね。あの曖昧な空気とか、儚い感じとか、それがよかったんです。自分のためのものがこの世にあるんだって、小さい場所を見つけた感じがしましたね。未だにあまり見つけられないので(笑)。そういう人間を今後見つけていけたらいいなと思います。
-そこは、今こういう音楽活動をしているからこそ、少年がミルクさんが、同じような感じで居場所を作ってあげられるといいんじゃないですか(笑)。
そうですかねぇ(笑)。
-自分の居場所を見つけてからは、言葉や絵を描くこともそうですが、のめり込んでいけたんですか。
唯一、楽しかったですね。家庭もぐちゃぐちゃしていて、友達もいなくて――いないというか、今思うといらなかったんだろうなっていう感じなんですけどね。
-壁を作っていたんですかね。
未だに作ってます(笑)。
-それは、"人に自分のことを言ったとしても、きっとわからないかもしれない"ということで?
そうなんですかね。あぁ、ここも違うな、ここも違うなっていう感じで馴染まなくて。-ならば、ひっそりと影を薄くしておこうと。
そうですね。それでも、優しくしてくれる人は常にいたんです。決して、周りを見下しているわけではなかったんですけど、友達やわかってくれる人はいなかったんですよね。そんなところを見つけてくれたのが、今の場所(コドモメンタルINC.)で。相当変わっていると思うんです。
-そのときまでは、自分でやろうっていうのは。
ほんとに恥ずかしいですけど、鏡の前ではずっとやっていたんです、部屋にこもって。
-見せ方の研究というか、自分がどう見えているのか? みたいな。
そう。あとは何かのワンシーンみたいなことをやったり。こういうことを人に話したことないですけどね(笑)。でも小学生のころはやってました。当時、ひとりで映画を観ることはなかなかなかったですけど、映画っぽい空気感がすごく好きで。そういうことをひとりでやっていたんですよね。キモイですね。ただ、そういうのを親には見せられない子供でしたね。それは大きくなってからも同じで。例えばみんなが好きなアーティストのライヴに行って、そこで共感して気持ちを発散したりするような、普通のことができればよかったんですけどね。それにも満足ができなくて。うーん、っていう(笑)。
-ライヴには行っていたんですね。
行ったりもしていたんですけど。実は、みなさんが言ってるような感動っていうのが、みなさんよりも感じられなくて。音楽にしても映画にしてもそうなんです。みんなが素晴らしいというものに対して、その素晴らしさが見つけられなくて不安、みたいな(笑)。
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