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INTERVIEW

Japanese

秀吉

2016年08月号掲載

秀吉

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Official Site

Member：秦 理絵

Interviewer：柿澤 秀吉（Vo/Gt） 町田 龍哉（Ba） 神保 哲也（Dr）

－ここ最近は1年に1枚ずつアルバムをコンスタントに出してますもんね。

町田：今のところちゃんと出せてますね。

柿澤：自主になる前の方がリリースする期間が空いちゃってましたからね。ドラムが辞めたりとかいろいろあって、レーベルから出すのがストップしたこともあったし。それでズルズルきちゃったので、意を決して自主レーベルを立ち上げることにしたんです。やっぱり自主でやるんだったら、ある程度は自分たちが出したいタイミングで作品を作っていきたいなと。

神保：これぐらいが精神的にちょうどいいよね。

－今回のアルバム『ロックンロール』はTrack.1「明日はない」から、とても解放的なムードを感じる1枚になったなと思います。まず、どんな作品にしようと思いましたか？

柿澤：メンバー内でこういう作品にしようとか話し合ったことはこれまで一度もないんです。レコーディング環境とかミックスとか音についてどうするかを話したぐらいですね。

町田：1年前に出したミニ・アルバム『アトノオト』（2015年リリースの4thミニ・アルバム）がCDデビューする前に作っていた昔の曲をリテイクして出した作品なんですけど、それがアナログ感満載のローファイな感じで作ったんですね。でも今回はそれとは違ってバキバキな感じで録りたいなという気持ちはありました。

－神保さんはどんなふうに今作と向き合いましたか？

神保：前回に比べるとハイブリッド......じゃないけど、なんて言うんでしょうね？

柿澤：わりとメンバーの趣味嗜好が出てるんじゃないかな。結構ルーツが一緒なんですよ。そこから雑多に音楽を聴いてるけど、どんなものでも好みに思う部分が近くて。

神保：それをスタジオで遊びで合わせたりしてたんですよね。

－その全員に共通するルーツっていうのは？

柿澤：明確に言っちゃうとLUNA SEAですね（笑）。俺らのちょっと上の世代がど真ん中だと思うんですけど。学生のころ先輩が文化祭で演奏してたとか、そういうことがきっかけだったと思います。

神保：俺はそんなにLUNA SEAを聴いてなくて、どっちかっていうと学生のころはL'Arc～en～Cielを聴いてたんですね。そういうバンド関係の話で盛り上がっちゃって。去年ぐらいかな？ 秀吉さんが（LUNA SEAの）CDを全部貸してくれたんです。そしたら俺もハマッちゃったもんだから、その曲をみんなでやりたくなったんですよ。それでスタジオで合わせたりしてましたね。

柿澤：バンドを始めたころみたいに遊びの感覚でコピーしてキャッキャしてます（笑）。

－いいですねぇ（笑）。

柿澤：その感覚は作品にも出てるんじゃないかと思いますね。

町田：僕らはバンドとしてやれることは増えてるんですけど、曲の展開とか構成はそんなに変わらないんですよね。それはみんな共通のルーツが染みついてるからだと思うんですけど。それが今回はより強く出てると思います。だから曲を作るときも"ここをこうして"とかはあまり決めずに、それぞれが良いと思ったフレーズを何回も演奏していくうちに決まっていくんです。そうやって、誰も何も言わなくなればOKみたいな（笑）。極端に言うとその積み重ねですね。

－なんだか長年連れ添った夫婦のようなツーカーの仲という感じ？

柿澤：うん。感覚的にはそういう感じかも（笑）。Track.2の「叫び」みたいな曲は、僕らは今まであんまりやらなかったテンポ感なんですよ。ツッタン、ツクタンみたいな。

－パンクっぽいビートの曲ですよね。

神保：そうなんです。やりたかったから、収録しちゃったという。

町田：もう開き直っちゃってるんですよね。

柿澤：この3人が演奏して僕の声があれば大丈夫だなっていう。それが楽しいんです。

－アルバムは「明日はない」という曲から始まるわけですけども、ど頭から"僕たちに明日はない"、"あるのはそう 今日／今この瞬間だけ"という明快なメッセージがありますね。

柿澤：この曲は収録曲の中でも最後の方にできた曲なんです。車を運転してるときにサビの歌詞とメロディが一緒にパッと出てきて。そのときから曲の構成とかだいたいのアレンジが見えて"これだな"という感じがあったんです。それが2月中ごろで、末に開催したイベントでは初披露してますからね。歌詞に関してはたぶん自分に対して言いたいことなのかなって思います。性格が積極的な方じゃないので、何かあると"明日にしとこうかな"みたいなことが多くて（笑）。そのまま忘れて、あとで"あーあのときやっておけばよかったな"と後悔したり。だから、歌詞にもあるけど、"明日というゴミ箱に捨てるような感覚"はもうやめにしたいなっていう。

町田：この曲ができたとき、"1曲目に入れられる曲ができたな"と思いました。僕らはいつも1曲目ができないバンドなんですよ。1曲目っぽい曲がないねって言われてそこから制作したりするんです。でも今回は1曲目がもう"これしかない"という感じだったから、そこでアルバムを作るのがラクになったんです。他で何をやってもいいやっていう。