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INTERVIEW

Japanese

LILI LIMIT

2016年07月号掲載

LILI LIMIT

メンバー:牧野 純平(Vo) 土器 大洋(Gt)

インタビュアー:山口 智男

今年ブレイク必至と注目を集めている男女混成の5人組、LILI LIMITがいよいよメジャー・デビュー。"LIVING ROOM EP"と題された今回の作品にはメジャー・デビューに相応しい、とことんポップな4曲が収録されているが、その一方でサウンドと演奏は磨きに磨きを掛け、相当尖ったものになっている。"優しさと狂気が唄い合う"とレーベルが謳ったとおり、そんな二面性こそがLILI LIMITの真骨頂。ポップになったぶん、確実に間口は広がったが、それは彼らが巧妙に仕掛けた罠と言ってみたい。メジャー・デビューをきっかけにLILI LIMITの虜になるリスナーは一気に増えそうだ。

-牧野さんが2012年に山口県宇部市で結成。その後、福岡での活動を経て、2014年に上京。それから2年、今回のメジャー・デビューまで、活動は順調だったんでしょうか?

土器:「Girls like Chagall」(2014年リリースのCD-R盤『141121』収録曲)ができてからって感じかな。お客さんの反応が変わり始めたのはそのタイミングでした。それまでは――

牧野:見えていない世界の方が大きかった。誰に届けたらいいのかわからないまま、自分たちがやりたいことをやっているだけで、美しいものというか、音楽的ではなかったですね......って僕は思うけど。「Girls like Chagall」をリリースして、その記念の自主企画ライヴをやったとき、奇跡的に対バンのthe twentiesのおかげもあって、ソールド・アウトしたんですけど、曲自体の反応も良くて、そこからいろいろと変わりましたね。今のマネージャーが「Girls like Chagall」を聴いて、"じゃあ、うちからリリースしましょう"って決定したタイミングでもありましたし。それが2014年の11月とか12月とか。そこから2015年の4月に『Girls like Chagall / RIP』を出して、そこでまた変わったという感じです。

土器:音楽性が変わったというよりは、意識が変わったというか。どう見られたいか、どう楽しませたいかってことが、「Girls like Chagall」で少し明確になったんですよ。

-「Girls like Chagall」の、どんなところが受け入れられたと?

土器:"アニュマニデイズ"ってサビの歌詞じゃないですか(笑)。そういうサビの語感とループ感。キャッチーなピアノのフレーズがサビを通してずっと流れてる感じとかかな。

牧野:あとはカジュアルさ。高くもなく低くもなく......なのかな。

土器:現実味のある普段着感があるところと、そうじゃないところのギャップ......二面性があるところですかね。

-そのへんは今もLILI LIMITの大きな魅力ですよね?

土器:大人たちにはよく言われますね。"優しさと狂気が唄い合う"ってキャッチコピーもつけられましたし(笑)。なるほどなって思いました(笑)。

-そして、"2016年ブレイク必至"という呼び声も高まっているわけですが、前作『#apieceofcake』(2016年1月リリースの2ndミニ・アルバム)をリリースして以降、ツアー、ワンマン・ライヴを経験したことで、また新たに見えてきたものもあるのでは?

土器:もっと行っていいと思いました。足りないって(笑)。今考えると、いろいろわかるんですけど、『#apieceofcake』を作ったときは、最強じゃないかと思ってましたから。

牧野:自分のことを言うと、ワンマン・ライヴがソールド・アウトになったんですけど、その1週間前にインフルエンザになったんですよ。それが治ってすぐライヴだったんで、ワンマンの記憶が全然ない。だから実感が湧かない。『#apieceofcake』が中途半端な状態というか、実は後味もすっきりしていない(笑)。それと比べると、今回の『LIVING ROOM EP』は後味が最高なんですよ。とりあえずの答えが見つかった感覚がある。それはあるよね?

土器:あります。同じです。当時、これ(『#apieceofcake』)が僕たちの全力だと思ってたんですよ。でも、単純にその考えが浅かった。僕らの良さって、1枚の作品として物語性があったり、良いと思うものを全部入れるというよりは、コンセプトを持った作品を作ることが得意ってことがわかったりしたんですよ。『LIVING ROOM EP』はそういう意味で満足しているんですけど、『#apieceofcake』は逆にいろいろ詰め込んだぶん、お客さんには伝わりづらかったのかな。

-『#apieceofcake』は集大成と言える作品でしたね。

土器:僕らにできる音楽のいいところを全部入れました。その意味では、とても強いアルバムなんです。

牧野:2時間の映画で、最初からずっと人が死んでるみたいな(笑)。なんだ、この映画!? 伝わらねぇって。そういう作品だったんじゃないかなって今は思うんですけど。

土器:もちろん1曲1曲はとても強さがあるんですよ。ライヴでやると、お客さんの反応もいいし。

牧野:ただねっていう。

-じゃあ、今回の『LIVING ROOM EP』は、その反省からスタートしているんですか?

土器:取り組み始めたときは、そこまで考えてなかったです。まずは1曲1曲作っていって、その中でどうまとめていくかとか、反省を踏まえながらコンセプトを立てるとかは、牧野がうまいことやってくれたんじゃないかと思います。

-今回の作品、結構攻めていると思いました。パキッと視界が広がったというか、LILI LIMITってすげぇいいバンドだなってTrack.1の「Living Room」を聴いた瞬間、思えたんですよ。今回、1曲1曲作るにあたっても考え方をかなり変えたんじゃないですか?

牧野:今回はメジャー・デビューのタイミングだったんで、作り方を変えてみたら案外広がるんじゃないかって僕の中で答えが出ていて。今まで僕が作っていた曲の原案を、土器からの発信にしたんですよ。「Living Room」だけサビのメロディはあったんですけど、それ以外は僕が渡した詞にメロをつけてもらったんです。それも新しかった。そういうところがパキッとなった理由のひとつなんじゃないかな。僕が今までやらなきゃいけないと思っていたことを、全部、任せるというか、信じるというか、それをやってから結構変わりました。