Japanese
URCHIN FARM
2016年02月号掲載
Member:矢澤 壮太(Vo/Gt) 師崎 洋平(Gt/Cho) SHITTY(Ba/Cho)
Interviewer:荒金 良介
2010年に活動休止したURCHIN FARMが一昨年再始動した。休止後はメンバーそれぞれ音楽活動を続け、違う景色や環境に身を置くことで、あのころと比べて成長を遂げている。矢澤壮太、師崎洋平、SHITTYの3人にサポート・ドラマーを含めた現4人体制で、ミニ・アルバム『By Blue』をここに完成させた。ライヴハウスを見据えたダンサブルな曲調に加え、URCHIN節炸裂のキラキラしたポップ感が抜群に映えた強力作だ。
-まさか2016年にURCHIN FARMの新作が聴けるとは思ってなかったです。
師崎:はははは。お久しぶりですもんね?
-訊きたいことは山程あります。いきなりですけど、URCHIN FARMが活動休止した最大の要因は何だったんですか?
師崎:う~ん、1999年に結成して約10年ほぼ止まらずに、"人生=バンド"みたいな気持ちでやってたんですよ。それで納得してたし、不満もなかったけど、自分の立ち位置や年齢も意識するようになって。バンド活動を止めずにやってきたことに対して、メンバーみんなが疑問を感じるようになったのかなと。
-何ですか、疑問って?
師崎:例えばスタジオに入って、作品を出して、ライヴをやる。それがルーティン化してしまって、このままでいいのかなと。特にそういう気持ちを強く持っていたのがドラムとピアノで、残ったメンバー3人もバンド活動を考えるいいきっかけになったという。
-自分にとってバンドとは、音楽とは何だろうと?
師崎:そうですね、人生とは......みたいな。
-人生とは、ですか?
SHITTY:ほんとに脇目も振らずにバンドしかやってこなかったから。で、ふとひとりの人間として立ち止まったときに、バンドのことしか知らないなと。そういう活動をしていると、いい側面もあるけど、音楽を届けたい人はその先にいる普通の生活をしている人たちじゃないですか。そういう人たちの目線に立ってないし、アウトプットするにしてもすごく狭いところからインプットしていたから。もちろん音楽的に自信がないものを出していたわけじゃないけど、もうひとつ人間として深いところにいかないと、キツイのかなと。
-おふたりも外の世界を見てみたかったんですね。振り返ると、活動休止前に出たアルバム『EST』(2009年リリース)はあの時点での集大成であり、はっきり言って最高傑作と言える出来映えだったじゃないですか。
師崎:実際に作ってたときも"これしかない!"と思ったし、ツアーの反応も良かったですからね。"よしこれからだ!"と思っていたけど、それとは逆にやめたメンバーには違う気持ちが芽生えてきたから。
-活動休止後、2人(師崎洋平、SHITTY)はすぐ新バンド"JAWEYE"で動き始めましたよね。
師崎:そうですね。(矢澤)壮太はback numberのサポートに入りましたからね。僕は音楽をやめるつもりは毛頭なかったし、当時は思い描いていた音楽をやりたいと思い、JAWEYEを組みましたからね。
-そして、まさかの発起人である師崎君がJAWEYEを抜けるという。その前にSHITTYさんが先に脱退しましたよね。
SHITTY:モロ君(師崎)が立ち上げて、作った曲を聴いたときに面白そうだなと思ったから。あと、根本的なところでJAWEYEを始めた理由として、バンドだけしか見ません、他は見ませんではなく、ちゃんと自分の人生の中でバンドを成り立たせたくて。でも趣味みたいに適当にやるのではなく、どっちも本気でやれるバランス感を目指してました。それでバンド活動を続けていたけど、初期に描いていたバランス感がどんどん保てなくなって。俺とモロ君はライヴハウスで働いていることもあり、そっちも大事だし、僕が見ているバンドや後輩もたくさんいるから、そいつらも押し上げたいと思ってましたからね。
-なるほど。
SHITTY:それでこのままだと、お互いに良くないなと。で、今のライヴハウスの仕事を続けながら、またバンドをしたいという気持ちはあったんですよ。でもその時点ではURCHIN FARMをやるとは考えてなかったですね。
-それは師崎君も同じですか?
師崎:ほぼ同じですね。最初はバンドと生活が大事だったけど、ライヴハウスで働き始めるようになると、その仕事が天職すぎちゃって。
SHITTY:はははは。
師崎:若手のバンドマンと一緒になって、自分ごとのように一喜一憂する。この仕事を一生かけてやりたいなと。大事なものが増えちゃったんですよ。
-それでJAWEYEを抜けたと。それからURCHIN FARMの再始動はどういう過程で?
師崎:JAWEYEを抜けたとはいえ、現役をやめる気はなくて。それはゴールテープ切った感じがまるでなかったから。いずれ間違いなくバンドをやめる日は来るだろうけど、このタイミングではないなと。そうなったときにしっちゃん(SHITTY)と話して、ふたりの価値観が合うバランスで続けられるバンドといったら、URCHIN FARMしかないですからね。で、壮太は弾き語りでURCHIN FARMの曲をちょこちょこやっていたから、"やらない?"って誘いました。壮太もback numberのサポートがあったから、その中でもやれるならぜひやりたいと。
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