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INTERVIEW

Japanese

mothercoat

2015年09月号掲載

mothercoat

Member:ギガディラン(Vo.?)

Interviewer:石角 友香

-それでこういう集中できるやり方に変えたのかな?と。

まぁそれに尽きるのかな。関わる人のことまで責任を持てないということはありますね。ちょっと君の人生のことまでは僕の音楽で責任持てるかはわからないってところがあるし、向こうも仕事でやってるわけで、"その程度の気持ちでやられても......""それなら自分でやるんで"っていう気持ちもあるので。

-でも逆に独立したバンドを見てて、いわゆるプロモーターとかマネージャーがいなくてもそれでもコミットしたくなるバンドっているんですよね。

はい。

-新作出すときはぜひ聴きたいし、紹介したいと思ったり。それは良くも悪しくも淘汰なんだと思うんですけど、そこははっきりしますよね。

しますね。メジャーの人たちもすごい協力してくれたりもしたんですよね、こんなバンドでも。気持ちだけで、"上はOK言わないだろうけども、俺はいいと思うんで"って、会社の仕事じゃないとこでプロモーションしてくれたり。よくしてくれた方々に何を返せるのかな?ってところで考えちゃうんですよね。あるとき、mothercoatを応援してくれてて、それが報われるとまでは言わないですけども、"ああ、自分がやってたことは間違いじゃなかったな"っていう何かをその人たちにも......返したいと言うと大げさですけど、なんかそういう気持ちはありますね。みんなレコード会社の中でも戦ってるんですよね。自分はこれがいいと思うんだけどっていう気持ちの中での葛藤があったり、でも一方で仕事としてはっていう体重乗っかってない仕事もするわけですし。なんかもういろんな感情の中で、でも音楽が好きだからっていう部分って、まぁ媒体さんもそうかもしれないですけど、みんな音楽愛があるゆえに葛藤しながら、やってるということに対して何かお返ししたいというと変ですけど(笑)。

-大事なことだと思います。さて今回の『GOHUM』は形態としてはアナログ7インチの『OQUZ』ありきなんですか?

えっとパッケージとしては『OQUZ』7インチに『GOHUM』がついてるもの、『OQUZ』Tシャツに『GOHUM』がついてるのと、全部ついてる3パッケージです。『OQUZ』には必ず『GOHUM』がついてくるっていう形で、あと、配信だけ『GOHUM』も買えるって形をとってるんですけど。

-今、なかなかブツ自体を売りにくい状況があると思うんですけど、どこから出てきたアイディアなんですか?

やっぱアメリカですかね。向こうはCD正直売ってないですからね。じゃあツアー中に何を売るんだ?っていうとTシャツはモノとして1番わかりやすいので持っていくとして、音源をどうするんだ?ってときに"iTunesで買ってください""Bandcampで買ってください"っていうのってそのとき買おうと思っても後日買うかというと......やっぱ音楽は速効性というか、ライヴハウスも含めて音楽って魔法じゃないですか? 勘違いするというか。

-ライヴで心が動いたときに買いたいですもんね。そして肝心なのは中身ですけど。この間、約3年、なかなか長い時間ではありますが(笑)。

そうですね、日本のアーティストとしてはちょっと長いですね。ひとつはレコーディングを自分たちでやってるうえで、"凡人スタジオ"っていう新しい環境でどういった音が録れるのか?とか試行錯誤したり、機材を買い足したり、そういうことに時間かかったのと、贅沢に外タレ気分で作ってましたからね。

-時間的に?

そう。今回初めてケツを決めずにできたら出そうっていうことで、始まって、ずっと録ってましたね。録ってはやり直し、気に入った/気に入らないを繰り返し。

-3年のタイムスパンがあると自分の中の旬も変わってくるじゃないですか? 最初のころに作った曲とか最近の曲とかどれぐらい幅があるんですか?

前のギターと作った曲は4曲ぐらい。Track.2「nipple cider」とTrack.8「fake a fake」とTrack.9「u. n. o」、Track.10「waltzheimer」って曲は前のギターと作ってた曲です。レコーディングはフクが弾いてるのでアレンジが違う部分もあります。

-なんとなくギター寄りのアレンジですね、若干マス・ロック的というか。

そうなのかな? ここ数年、マス・ロック的だとか、ミニマルな感じとかたしかによく言われるんだけど、実は僕はあまりわかってないとこもあります。それがあって、Track.1「good bye」とかTrack.4「misync」は、これ実はギター抜けた時期に作ってた曲で、わりとエレクトロニカに近いもの。それらがあって、残りをアベフクノスケが入ってから作った感じです。

-いい意味で選ばれた好きなもののデザインの仕方が抜群ですよね。変なことをやろうとしてるんじゃなくてツボを突いてくる感じの。

嬉しいですね。やっぱりポップスを作りたいですね。何をやるにしても。あんまし"どうだこれはわからないだろう?"みたいなものには今は興味ないです。

-メンバー構成が変わってるのはお聞きすると納得する感じあります。

なんか、バラエティ感っていうのは自分が人のアルバム聴いてても求めてるものというか、THE BEATLES然り、RADIOHEAD然り、こうなんかバラエティがあるものが好きですね。でも、その自分たちが違う感覚で作っても、やる人が一緒だとそれなりの統一感というのは勝手に出るので、常にいろんなアプローチをしていきたいというのは、メンバー総意であるバンドだと思います。

-ギガディランさんのヴォーカルがめちゃめちゃ独特なんで個性は自ずと......。

僕、コンプレックスなんですよね(苦笑)。やっぱ声が......声ばっかりはどうしようもないですよね。楽器は替えればいいけど。