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INTERVIEW

Japanese

TAKECOVER

2015年07月号掲載

TAKECOVER

Member:笹川 京平 (Vo/Gt) 井上 史也 (Gt) ゴーダイ (Ba) MASA (Dr)

Interviewer:沖 さやこ

年間100本近くのライヴを行い、会場限定CDはリリースごとに完売。アルカラが主催する"ネコフェス"でも入場規制になりかかるなど、地元・兵庫ではすでに注目を集めている4人組、TAKECOVERが自主レーベルから初の全国流通作品『コネクショナリズム』をリリースする。結成して現在のメンバーになってから約8年経っての全国リリースに至った経緯、プロデューサーであるammoflightの津久井恒仁(Vo/Gt)との作業の中で行った初挑戦など、バンドが"今までで制作が最も楽しかった"という大きな充実を得た今作について、メンバー全員に訊いた。

-はじめに結成のきっかけをうかがいたいのですが、どうやら笹川さんとゴーダイさんが高校の同級生らしいですね。

ゴーダイ:そうです。僕とドラムが兄弟で、(井上とは)小学校が同じなんです。

井上:俺はヴォーカルと専門学校が一緒で。

ゴーダイ:だから幼馴染みたいな感じですね。

笹川:9年前の6月にコピー・バンドをやりまして。

井上:当時のドラムは別の人で、そのあと俺はバンドを離れたんですよね。メガネ(ゴーダイ)とモジャ毛(笹川)は一緒にやってる中で、MASAを誘ったんです。

ゴーダイ:(MASAが)なんか暇そうやったんで誘いました。

MASA:いやいや、全然高校受験勉強中で、野球部でした(笑)。勉強してたら東京事変のDVDを見せられて、そのときに(ゴーダイから)"これやれよ"と言われたのがドラムやって。それから始めたんです。最初はヴォーカルという言葉の意味もわからんようなやつでした。だから僕はTAKECOVERが1番最初のバンドなんです。

ゴーダイ:ドラムを探してたんですけど、見つけるより育てた方が早いと思って(笑)。それで高校は吹奏楽部に行かせて、"パーカッションやらせてもらえんかったら辞めろ"ゆうて、そのあとちゃんとパーカッションをやってましたね。

井上:ひどい兄貴やで(笑)。

笹川:それから現メンバーになって8年くらいやってますね。

-紙資料に"兵庫のメロディ・ファクトリーをコンセプトに結成"と書いてありましたが、そのときにはもうメロディ重視の音楽をやるおつもりだったのでしょうか。

井上:最初はサウンド重視というか、洋楽チックな雰囲気でやってたんですけど、もともとメロディがきれいなものが好きなので、どんどんそっちに重点を置くようになって。

笹川:TAKECOVERというバンド名も、全員が好きなMR.BIGの「Take Cover」(1996年作『Hey Man』収録) から取って。MR.BIGもFREEの「Mr.Big」(1970年作『Fire And Water』収録)から取ってバンド名にしてるんで、じゃあ俺らも......という感じで。

井上:唯一4人が共通して好きなのがMR.BIGで、それ以外は結構ばらばらなんですよね。やっぱりMR.BIGはメロディもきれいやし。

笹川:MR.BIGも演奏はがっつり弾くけど、メロディックなヴォーカルもあるしね。

-バンドが注目を浴びたきっかけは、初の全国流通盤である今作『コネクショナリズム』にも収録されているTrack.2「遠い夏」だと思います。MVも自主とは思えないクオリティのMVですよね。

笹川:3rdミニ・アルバム『スモールワールドからの発信者』くらいから今の形に近い曲が増えだして。全国リリースされるコンピレーション・アルバムに、この「遠い夏」を収録させていただいたので、この曲でMVを撮ろうという話になりました。バンドのMVを撮るのも好きだという映画監督さんを紹介していただいて、きちんとしたものを作りました。だからちょっとショート・ムービーっぽい感じになって、曲に合ったいいものができたと思います。

-アレンジもドラマ性のある曲だと思いました。

井上:スタジオに10時間以上こもって作った曲なんです(笑)。

ゴーダイ:"そのコンピで絶対1番取ったろ!"みたいな(笑)。

井上:もともと違う曲を入れる予定やったんですけど"いや、これじゃ1番なられへん!"ってなって、急遽持ってきたのがその曲でした。時間がないからスタジオに寝泊まりして作って......朝4時ごろにはみんな頭バグってたな(笑)。

-ははは(笑)。そして今作の大きなトピックのひとつとして自主レーベルの設立があると思いますが、そこに至る経緯とは?

笹川:最終的な目標として、自分たちでやっていきたい、というのはメンバーとも常々話していました。バンドを組んだ当初からみんな自由にやっていて、それぞれのバックグラウンドがあるので、自分たちの好みをすりあわせる......自分たちで自分たちの音楽を作っていく感じでやってきたので、そこを崩されたくないなと思って。指示を出されて言われたことをやって、失敗するのも嫌やなとも思ったし。

井上:そういうところが実際どんな場所かもまだわからないですけど、できるのであれば自分たちでやっていきたいとはずっと思ってて。それができているのは、協力してくれる人が出てきてくれたお陰ですね。

ゴーダイ:そのきっかけをくれたのが、うちのマネージャー(社長)なんです。

笹川:マネージャーと出会ったころは、自分たちも目標みたいなものが漠然としてて。

井上:"やりたいなあ"というところで止まっていたり、どうしていいのかわからん状況がずっと続いてたりして。

笹川:だからそこで"やりたいなあ"と漠然と思っていたことを具体的にしてしまおう!と。

ゴーダイ:それまでも意識が低いわけではなかったんですけど、(出会いによって)1本ちゃんと筋が見えたというか。

井上:それで自主レーベルを立ち上げることになりました。