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INTERVIEW

Overseas

SMALLPOOLS

2015年07月号掲載

SMALLPOOLS

Member:Sean Scanlon (Vo/Key)

Interviewer:村上 ひさし

-ギターも演奏するのですか? てっきりキーボードだと。

少しだけね。ほんの少しだけ。中学のときにピアノを始めたんだけど、全然練習しなくてね。本当は、代わりにギターが弾きたかったんだ。

-Track.4「Karaoke」という曲は、あの"カラオケ"について歌っていますよね。

うん、そうだよ。

-もともと、日本語だというのを知っていましたか?

えっ、それは知らなかったな。

-"カラ"は"空"と書いて、歌が入っていない状態のことで、"オケ"は"オーケストラ"を意味しているんです。

そっか、そういう意味なんだ。たしかにヴォーカルの入ってないオーケストラだから、辻褄合ってるしね。

-あなたがカラオケについて歌っているので面白かったです。日本でもカラオケは大人気ですが、カラオケにはよく行ったりされますか?

ニューヨークからLAに移った最初の年には、しょっちゅうカラオケに通っていたよ。いつも同じ歌を歌っていた。NEW RADICALSの「You Get What You Give」(1998年リリースの1stアルバム『Maybe You've Been Brainwashed Too』収録)という曲。ツアーでもこの曲をカバーできないかって頼んだこともあるくらいなんだ。当時、僕らはいつもカラオケに入り浸っていた。家賃を払うためには、フルタイムの仕事もやっていたから、なかなかみんなで一緒の休みが取れなかったけど、それに音楽もまだ良くなかったからね。カラオケ・バーに繰り出し、歌って憂さ晴らしをしてたんだ。

-「Karaoke」とTHE KILLERSの「Human」(2008年リリースの3rdアルバム『Day And Age』収録)のマッシュアップの動画を観ましたが、すごく面白かったです。他の曲に乗せて違う歌詞で歌うのは、他のアーティストもよくやっていたりするのでしょうか?

いや、聴いたことないな(笑)。そのアイディアを思いついたのは、曲のタイトルが「Karaoke」だからカラオケ・バーで歌ったら面白いかなって思ったからで。でも「Karaoke」のカラオケがまだそこのバーにはなかったので(※アルバム『Lovetap!』の国内盤には「Karaoke」のカラオケ・バージョンも収録)。バースやコーラスが同じタイミングの曲を探していた。そしたらTHE KILLERSの「Human」がピッタリだったんだ。

-ええ、完璧でしたよ。動画もとても面白くて、バーにいた人たちが誰も見向きもしてくれないっていう......。

あれは悲しかった。

-でも、あのリアクションは狙っていた通りでは?

そうとも言える。あれはたしか日曜の夜で、カラオケのできる場所に行って、録音器材のチェックもやって、「Human」のカラオケもあったから、歌うにはもってこいの場所。前日の下見では"ここしかない!"って思ったんだけどね(笑)。しかも、同じブロックにある他のバーも下見していたんだけどさ。

-サーフ・ミュージックや、アフリカン、オリエンタル、カリプソなどからも影響を受けているようで、とっても国際色豊かですよね。

そうだね、オリエンタルなものもあるし、Track.6「Mason Jar」の"トゥットゥットゥ、ラララララ"みたいなところは、アイルランドっぽかったり。

-それはどこから?

わからないな。僕らは世界中の音楽を見聴きしてきたわけじゃないんだ。ただ、クールなパーツを集めたらこうなったというだけで。

-へえ、少し意外です。プロデューサー・チームのCaptain Cutsと一緒に制作することになった経緯を教えてください。3人のメンバーのうち2人と作業したんですよね?

3人目はGROUPLOVEのドラマーでもあり、ツアー中で忙しかったんだ。だから他の2人とやった。彼らに出会えたのはとてもラッキーだったよ。僕の幼いころの親友がワーナー・ブラザーズ・レコードで働いていて、彼に僕らの最初のデモテープを送ったんだ。そしたら彼のレーベルの同僚というのが、プロデューサーのひとりのルームメイトで、それがきっかけで対面することに。スタジオで、いくつかアイディアやデモを披露したら気に入ってくれて、一緒にEP制作に取り掛かった。そのときのスタジオ内の雰囲気がとても良かったから、アルバム作りにもぜひとも関わってもらいたいと思ったんだ。

-以前のバンドのレコーディング経験と比較して、どう違っていましたか。良かった点などを教えてください。

彼らは今すごく注目されているよ。彼らは僕らの意見を尊重してくれた。頭でっかちではなく、とことん探究心に溢れていて、どんなことがあってもどんなに時間がかかっても、素晴らしい音楽を作り上げたいと思っている。だからイチからすべてやり直した曲もあったよ。テンポが速すぎるとか、キーに納得がいかないとか......。彼らにはエゴのようなものがなく、悪気もないから、それぞれが自分の思ったことを発言できる。以前のバンドでは僕がスタジオにいると大物プロデューサーがやってきて、こんなアイディアはどうかと言われて、最初に自分が思い描いていたヴィジョンとは違う方向に進んでしまうこともあった。その大物プロデューサーの意見を尊重しなくてはいけないとかで。でも、今回タッグを組んだ彼らは、友人のような対等の関係なんだ。何か違うと思ったら腹を割って話し合うことができた。"こんなアイディアがあるんだけど"とか"いや、それは全然良くないよ"って感じで。だからベストなものを作り上げることができたんだ。みんなオープンで、思っていることを気兼ねなく口にできたからね。これって音楽を作るのにはベストな雰囲気だと思うんだ。